懸賞が当たらないのは運ではなく母数|20年応募した転売屋がやめた計算

転売

「懸賞 当たらない」と検索した人へ。先に結論を書きます。懸賞は当たらないのではなく、応募にコストがかからない懸賞ほど応募者の母数が増えて、一人あたりの当選確率がゼロに近づくだけです。運の問題ではなく割り算の問題です。

私は懸賞に3つの時期で関わっています。2000年代前半から半ばにかけて、電車の網棚に捨ててあった週刊少年ジャンプを拾い、ハガキで読者プレゼントに応募していた時期。その後、懸賞の応募ツールを買って応募しまくった時期。そしてこの2年、Xで転売できそうな懸賞や抽選に応募できるものは全部応募している時期です。当たったのは最初の時期だけで、残りの二つはほぼ当たっていません。

この記事では、当たった懸賞と当たらなかった懸賞の違いを、中古品の転売を20年やってきた人間の見方で分解します。最後に、懸賞に使っている時間を別のことに使ったらどうなるか、という計算もします。私はその計算をして、懸賞を仕入れとして扱うのをやめる方向に動いています。

私の懸賞の実測:3つの時期

時期 応募の方法 応募コスト 結果
2000年代前半〜半ば 網棚で拾ったジャンプの読者プレゼントに、ハガキで応募 ハガキ代・手書き・投函・期限管理 PS2が2回、MDコンポなどが当選
その後 懸賞の応募ツールを購入し、ネット懸賞に大量応募 ツール代+個人情報 当選は記憶にない。自己啓発の営業や不動産投資の営業電話が増えた
直近2年 Xで転売できそうな懸賞・抽選販売に、応募できるものは全部応募 タップ数回 受注生産以外で買えたのは1回。直近でポケモンセンターのポケカ予約抽選に当選(11月出荷)

表を見ると、応募コストが高い時期ほど当たり、応募コストがゼロに近づくほど当たらなくなっています。これは偶然ではありません。

当たった懸賞の共通点:応募に手間がかかった

ジャンプの読者プレゼントは、本誌に応募の宛先と必要事項が書いてあり、自分でハガキに書いて送る方式でした。購入者限定ではありません。だから私のように網棚で拾った雑誌でも、期限内なら誰でも応募できた。

ここが重要です。応募者の母数を絞っていたのは「雑誌を買ったかどうか」ではなく「ハガキを書いて出すという手間」でした。雑誌を読んだ人のうち、ハガキを買い、住所と氏名と欲しい賞品を手書きして、期限内にポストへ入れる人はごく一部です。PS2が2回当たったとき、私は「応募している人がそもそも少ないのではないか」と考えました。いま振り返っても、その仮説以外に説明がつきません。

当たったPS2は自分でも持っていたので友人にあげ、MDコンポは同じものを持っていたのでヤフオクで売りました。転売目的ではなく、当たったから処分しただけです。しかしこの経験が、後で懸賞を「仕入れ」として見る癖を作りました。

当たらなかった懸賞の共通点:自分と同じ人間が全員応募している

応募ツールを買った動機は単純で、ハガキで当たったのなら、応募数を増やせばもっと当たると思ったからです。ツールは応募フォームへの入力を自動化し、私は片っ端から応募しました。

結果は当たりませんでした。理由はいまなら分かります。ツールで応募コストをゼロにしたのは私だけではなく、同じツールを買った人間が全員、同じ懸賞に同じように応募していたからです。応募コストを下げると自分の応募数は増えますが、同じことを考えたライバルの応募数も同じだけ増える。母数が増えて確率は元に戻るか、むしろ下がります。

これは私がせどりで何度も見てきた構造と同じです。ハードルが低い仕入れはライバルも同じことを考えるので、競合しやすくなり、日に日に稼げなくなる。懸賞のツールは、まさにその「ハードルを下げる道具」でした。

X懸賞はこの構造の最終形です。応募コストはフォローとリポストのタップ数回で、ハガキもツール代もいらない。だから母数が最大になり、私はこの2年、応募できるものに全部応募して、受注生産以外で買えたのは1回です。X懸賞の当選報告を書いているブログもありますが、それは「当たる懸賞がある」ことの証明であって、「転売して利益が出る懸賞が当たる」ことの証明ではありません。この違いは次の章で書きます。

当たった瞬間に不安になった:当たる懸賞は儲からない

最近、ポケモンセンターのポケカの予約注文の抽選に当選しました。出荷は11月で、値段が上がるかはまだ分かりません。

当選して最初に感じたのは、喜びではなく不安でした。「こんなに簡単に当たるなら、大量に生産されていて、届いた頃には値崩れして赤字になるのではないか」。そしてその瞬間から、同じ商品の抽選に応募するのが嫌になりました。

この不安は正しいと思っています。転売目的で懸賞や抽選販売を見るとき、当選確率と転売利益は逆に動きます。供給が少ないから値段が上がる商品は当たらず、当たる商品は供給が多いから値段が上がらない。「当たる懸賞」と「儲かる懸賞」は別物で、両方を同時に満たす懸賞は、母数の理屈からいってほぼ存在しません。

受注生産の抽選はさらにはっきりしていて、当選しても手に入るのは「定価で買う権利」です。買う権利は利益ではありません。定価で買って定価以上で売れる根拠がなければ、当選は仕入れの成功ではなく在庫の発生です。

応募ツールの本当の値段は個人情報だった

「懸賞 個人情報」で検索している人へ。私の実測を書きます。

応募ツールで大量応募した結果、残ったのは賞品ではなく営業電話でした。自己啓発系の謎の営業、不動産投資の営業。応募先の中には、賞品を配るためではなく、応募フォームで個人情報を集めるために懸賞の形をとっているものが混ざっていた、と私は理解しています。

これも中古の世界で見てきた構造と同じです。無料で何かを配る側には、必ず配る理由があります。懸賞主催者の理由が「宣伝」であれば健全ですが、「名簿の作成」であれば、応募者は賞品の応募者ではなく名簿の商品です。ツールで応募数を増やすほど、自分が商品として並ぶ名簿の数も増えます。

それでも応募するなら:住所は出す、電話番号は捨て番号

私がいま懸賞に応募するときの設計は、住所は漏れても構わない、電話番号だけは守る、というものです。営業電話は電話番号に来るので、そこだけ切れば実害の大半は消えます。

電話番号には、携帯のMNP乗り換えで契約した回線のうち、使っていない番号か、半年後に解約する予定の番号を使います。解約すれば、その番号にひもづいた名簿はまるごと無効になります。回線の持ち方はケーコジの記事に書いています。懸賞のために回線を契約するのは割に合いませんが、すでに複数回線を持っている人なら、番号の一本を懸賞専用にするのは合理的です。

懸賞界隈のブログは、母数を増やす側の情報

「懸賞界隈」で検索すると、懸賞情報のまとめサイトや当選報告のブログが並びます。あれを読んで応募先を増やしている人に、一つだけ構造を書いておきます。

当選報告のブログは、読む人を応募に向かわせる情報です。読んで応募する人が増えるほど、その懸賞の母数は増え、読んだ自分の確率は下がります。まとめサイトに載った時点で、その懸賞の応募コストは「まとめサイトを見る」だけになっていて、母数は最大に近い。つまり、界隈で共有される懸賞ほど当たりません。

逆に言えば、当たる懸賞は界隈に載らない懸賞です。私が当てたジャンプの読者プレゼントは、雑誌の中に小さく載っていて、ハガキを書く必要があり、ネットのまとめには載っていませんでした。応募コストが高く、共有されない。母数が小さい懸賞の条件はこの二つです。

時間を入れて計算する:懸賞は中古転売に負ける

ここまでの話は確率の話でしたが、最後に時間の話をします。私が懸賞を仕入れとして扱うのをやめる方向に動いている、本当の理由はこちらです。

X懸賞に応募している時間、抽選の結果を確認している時間、当選した商品の値動きを調べている時間。これを合計して、その時間を別のことに使ったらどうなるか。私の場合は、広告の管理、記事の執筆、顧客対応です。この3つは使った時間が資産として残り、収入が上がります。懸賞に使った時間は、外れれば何も残らず、当たっても定価で買う権利しか残りません。

事業を持っていない人でも同じ計算ができます。懸賞に使う時間を、中古品を仕入れて売ることに使ったらどうか。中古の仕入れは当たり外れはあっても確率のゲームではなく、見る目で結果が変わる作業です。時間を入れれば、私の見立てでは、普通に中古を仕入れて転売しているほうが懸賞よりよほど稼げます。利益の計算は利益率の記事に、仕入れの入り口は電脳せどりの記事に書いています。

読者が自分で判定する式

数字は人によって違うので、式だけ置きます。自分の数字を入れてください。

項目 入れる数字 私の場合の傾向
当選確率 応募した数に対して当たった数 ハガキ時代は高く、ツール・Xでは受注生産以外ほぼゼロ
当選1回あたりの転売利益 売値−定価−手数料−送料 当たる商品ほど供給が多く、利益は薄いか赤字
応募に使った時間 応募・確認・調査の合計 タップは短いが、件数を積むと無視できない
個人情報のコスト 営業電話の対応時間、番号を捨てる手間 ツール時代はここが最大の損失だった

期待値は「当選確率×転売利益」から時間と個人情報のコストを引いたものです。私の3つの時期でこれがプラスだったのはハガキの時期だけで、しかもそれは転売目的ではありませんでした。転売目的で応募した二つの時期は、両方マイナスです。

やってはいけないこと

ツールで応募数を増やす。応募コストを下げた分だけ母数が増えるので確率は上がらず、個人情報だけが増えます。私はこれで営業電話を手に入れました。

当選を仕入れの成功と数える。当選は「定価で買う権利」であり、利益ではありません。当たった瞬間に「簡単に当たった=供給が多い」と疑ってください。私はポケカでそうしました。

界隈で共有された懸賞に集中する。共有された時点で母数は最大です。当たる懸賞は、応募に手間がかかり、共有されていない懸賞です。

まとめ:懸賞は当たらないのではなく、割り算で負けている

私は20年前にハガキでPS2を2回当て、ツールで営業電話を手に入れ、この2年Xで1回しか買えていません。この推移は運が悪くなったのではなく、応募コストを下げるほど母数が増えるという割り算の結果です。

当たる懸賞と儲かる懸賞は別物で、時間を入れると中古転売に負ける。私はこの計算の結果、懸賞に使っていた時間を、資産になる作業に戻す方向に動いています。何を手放して何に時間を使うかの考え方は、人生を諦める記事に書いた撤退の計算と同じです。

よくある質問

懸賞はなぜ当たらないのですか

応募にコストがかからない懸賞ほど応募者の母数が増え、一人あたりの確率がゼロに近づくからです。私はハガキ応募の時代はPS2を2回当てましたが、ツールとXでは受注生産以外でほぼ当たっていません。

懸賞の応募ツールは使うべきですか

私は使って後悔しました。同じツールを使う人が全員同じ懸賞に応募するので確率は上がらず、個人情報が営業電話に変わりました。

懸賞に応募すると個人情報は漏れますか

私の実測では、大量応募のあとに自己啓発や不動産投資の営業電話が増えました。応募するなら、電話番号だけは使っていない回線か解約予定の回線にするのが私の設計です。

懸賞や抽選販売で転売は稼げますか

当たる商品は供給が多く値段が上がらず、値段が上がる商品は当たりません。私はポケカの抽選に当選した瞬間、供給が多くて赤字になるのではと不安になりました。時間を入れると中古品の転売のほうが稼げるというのが私の見立てです。

それでも当たりやすい懸賞はありますか

応募に手間がかかり、まとめサイトや懸賞界隈で共有されていない懸賞です。私が当てたのは、雑誌に小さく載っていてハガキで応募する読者プレゼントでした。

 

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