2017年にdocomoから販売されたd-01Jというタブレットに、カスタムROMを導入しました。
かなり作業に手こずって苦戦しまくったので、手順を記事にまとめていきます。
今さらd-01Jを購入した理由
僕は元々iPadを購入して料理をする時にレシピを表示させて使っていました。
しかしiPadは値段が高く、バッテリー交換の難易度も高い。修理店に頼めば交換費用は2万円超え。
使用頻度が高くないのに、この維持費は払っていけないなと感じました。
そんな矢先に、父親が使わなくなったSurfaceをくれたので、Windows11をインストールしてみたのですが、スペック不足で重たい。中古で売れば3,000円〜6000円程度で売却できることがわかったので、この予算で安価な中古Androidタブレットを購入しようと考えたのがきっかけです。
僕はプライベートではiPhoneとAndroidの二台持ちを2023年から続けていて、Androidの操作には慣れてきていました。
そしてAndroidはブートローダーをアンロックすることで、任意のOSを導入できるカスタムROMというものが用意されている。
この技術を使い、PixelやXiaomiの端末にカスタムROMを導入するやり方を覚えました。
予算1万円以下で購入できて、ブラウジングと音楽再生、You Tubeを見ることができるAndroidタブレット。これが一番最初にタブレットを探す上で考えた条件でした。
タブレットを探し始めると、現行の機種は大半が10インチ以上。新品で購入すると安価なものでも2万円以上はします。
10インチタブレットになるとバッテリー容量も大きく、スピーカーは4つ搭載されていて、音楽再生には申し分ないスペックのものが手に入ります。
ですが、中古で10インチ以下で探すと、ステレオスピーカー搭載で、それなりに動きそうな機種がいくつか見つかりました。
比較をしながら掘り下げていくと、現行の9インチや8インチのタブレットは解像度がHD以下で、文字が滲んだりぼやける懸念がありました。
またステレオスピーカーに対応していない機種が多く、音楽再生をした時にパワー不足になると考えました。
そこでサイズを8インチ以下にまで絞り込み探した所、dtabから販売されたd-01Jが見つかりました。
ファーウェイが製造をしたMediaPadM3の機能制限版で、今となっては人気がなく、3,000円程度で購入が可能。
ヤフオクで予約入札をして、2,600円(送料別)でd-01Jを購入しました。
事前準備
カスタムROMを最も簡単に導入できるのはGoogleから販売されているPixelシリーズです。
無課金でブートローダーを解除できたり、失敗をしてもブラウザ経由で復元ができます。
d-01Jはファーウェイというメーカーから販売をされた機種で、メーカーやキャリアからのサポートはすでに打ち切られています。
カスタムROMを導入する事で、公式がサポートしているAndroid7よりも新しいOSに更新ができます。
ですが、修理やサポート、保証の対象からは外れてしまいますので、自己責任の上で、取り組む際は作業していきましょう。
マイクロSDとマイクロUSBケーブル
ROMやTWRPの導入にマイクロSDが必要です。
ROMの容量は1GB以下なので、容量が小さなものでも問題ありません。
d-01JはマイクロSDスロットが搭載されているので、本体の容量不足をマイクロSDで補うことが可能。64GB〜256GBのマイクロSDを1枚持っておくと便利です。
パソコン本体との接続にはマイクロSDを使います。TypeCケーブルには対応しないので、持っていない方は用意しましょう。
SIMロックを解除しておく
ストックROMの段階でSIMロックを解除しておきましょう。
これが原因かわかりませんが、LineageOS上から解除コードを入力してもSIMロックを受け付けてくれません。docomo本家のSIMを刺しても電波を掴んでくれない状態で、完全にWIFI限定でしか使えなくなりました。
外でd-01Jを使いたい方はストックROMの段階でSIMロックをしておくのを忘れないようにしましょう。
せっかくSIMに対応しているのですから、使えたほうがいいに決まってますからね。
Android7へのアップデート
SIMを抜いてWIFI状態にするとAndroid7のアップデータをダウンロードできます。
カスタムROMの導入に最新のファームウェアが必要なので、Android7に更新を行います。
adb環境の構築
ブートローダーのアンロック
DC Unlockerというツールを使ってブートローダーをアンロックします。4creditsの課金が必要です。4ユーロ、日本円で600円弱の費用となります。
ストックロムの状態で、電卓アプリを立ち上げて、d-01jを横持ちにして回転させます。
そうすると電卓がランドスケープモードに切り替わるので、この状態で
()()2846579()()
とタイプします。
すると画面が切り替わるので、Project Menuという項目をタップし、Backgroud settingsをタップ。2つ項目が表示されますので、Manufacture modeにチェックを入れます。
この状態でDC-Unlockerを立ち上げてd-01Jを認識させます。
認識をしたら、creditsを決済し、IDを作成します。
作成したIDとパスワードをDC-Unlocker上で入力し、クレジットの反映を確認。
反映が確認できたら、Unlockingをクリックし、Read Bootloader Codeをクリックします。
するとブートローダーを解除するためのコードが表示されますので、これをメモします。
設定画面からOEMロックを解除するにチェックを入れ、PCと接続。
fastboot modeでd-01Jを立ち上げます。
コマンドプロンプトから以下のコードを入力し、ブートローダーをアンロックします。
fastboot oem unlock XXXXXXXXX(先程取得したコード)
成功するとブートローダーロックが解除され、初期化が開始されます。
以下のような画面が電源を入れたときに表示されれれば、ブートローダーはアンロックされています。
TWRPの導入
ブートローダーを書き換えるためのプログラムをd-01Jに導入します。
導入したいロムによってこれは変わってくるのですが、Android11の場合は、TWRP3.7が指定されていました。
adbを導入したフォルダにTWRPを移動させ、fastboot状態のd-01JをPCに接続。以下のコマンドを入力します。
fastboot flash recovery twrp_3.7.0.img
ブートローダー起動モード(電源キー+音量プラスキー同時押し)で立ち上げ直すとTWRPが立ち上がります。
Android11(LineageOS18.1)のインストール
いよいよAndroid11を導入していきます。
データフォルダのフォーマットとワイプ
TWRPを使いデータフォルダをフォーマットします。
その後ワイプを行います。
ロムとオーディオパッチの導入
ロムの導入だけだと音が出ないので、ロム本体とオーディオパッチを同時にインストールします。
Gappsの導入
AMR64、11、picoを導入して下さい。
他のタイプだとTWRPでエラーになりました。
Magiskの導入
ルートを取りたい方は、TWRPからMagiskを導入して下さい。
僕はグラフィックとサウンドを改善するために下記のモジュールを導入しました。
使用感。ストックROMから乗り換える価値はあるのか?
ストックROM最終OSであるAndroid7から11まで一気にアップグレード。
ストックROMはドコモのランチャーが入っていて、かなり使いにくいのですがLineageOSは余計なカスタマイズがされていないピュアAndroid。癖がなくて操作に迷いません。
ドコモアプリも入っていないので、バックグラウンドで余計なアプリが走ることもありません。
Android10からナビゲーションをボタン式からジェスチャーナビゲーションに変更できます。ジェスチャーナビゲーションにする事で画面の表示面積が拡張され、可視域が広がります。
8インチのような小さな液晶を使っている場合、この恩恵はとても大きいです。
メモリはストックROMの時より消費が増えます。限界まで効率的に使おうとしてくれているらしく、メモリが3GBしかないd-01Jのパワー不足を随所で感じます。
最初の間は重たいと感じることが多いのですが、1日ほどするとOSが使い方を学習して最適化してくれます。
Android11はサポートが継続してるOSであるため、動かないアプリもありません。ストックROMのAndroid7だと対応しないアプリも増えてきているので、これが理由で手放す人も多いと思います。
SIMを認識しなかったり、SIMロック解除できないなど弊害もありますが、メリットがデメリットを上回っているというのが実際に使った感想です。
まとめ
d-01Jは2024年1月現在、3000円前後で購入できる激安タブレットです。
用途を限定すれば使えますが、ゲームをしたり、ネットフリックスで高画質配信を見るのは難しいです。
6,000円ほど出せば、本家のMediaPad M3が購入できるので、予算が確保できる方はそちらの方がいいと思います。本家のM3はメモリが4GBあるので、より快適に使えるでしょう。
d-01Jはメモリが3GBしかないので頻繁に動作が止まります。You Tubeもアプリが立ち上がるのに時間がかかり、読み込んでから再生するまでにもラグがあります。Spotifyも動作が重いです。
僕がd-01JにLineageOSを導入した時点で、Android13まで公開されていて、14も公開間近とメンテナーの方が公表されていました。
カスタムROMが盛り上がるためには、利用者が多い事に加え、メンテナーが精力的に活動をしていることが大事です。
Android14まで対応してくれれば、今後数年はアプリの対応やセキュリティで不自由をすることはありません。
MediaPadM3は2k液晶を搭載した8インチタブレットとして、現在でも希少な存在です。
液晶の解像度が低かったり、スピーカーがモノラルだったりと、これより後に出た8インチタブレットは、スペックを妥協して作られたものばかりだからです。
音楽を聞きながらウェブを閲覧する。こういう用途でMediaPadM3は現行機種よりも快適な体験を提供してくれます。
2013年に発売されたNexus2013を延命しながら使っていた方は、d-01JやMediaPadM3は有力な乗り換え候補になるでしょう。
Nexus2013を売れば2,000円〜3,000円程度で売れて、その売上でd-01Jを購入できます。
スピーカーの音質も上がり、メモリも2GBから3GBになり、処理に余裕が生まれます。
液晶のサイズは7インチから8インチになってしまいますが、そこを許容できるのであれば、乗り換える価値は大いにあると思います。
Nexus2013も利用者が未だに多く、カスタムROMの開発が続いています。
この記事を書いている時点ではLineageOS20(Android13)まで公開されていてます。
Nexus2013の場合、オーディオの問題は出ないらしく、Android13まで更新をしても目立ったトラブルが発生しません。
最新OSにできるがパワー不足なNexus2013にするか、パワーに余裕があるが最新OSでは音が出ないd-01JとM3。
開発が精力的に続いていることを考えると、将来性が高いのはM3だと思います。今はオーディオの問題やカメラが使えませんが、これらは今後改善される可能性があります。
今回ファーウェイの端末にはじめてカスタムROMを導入してみました。
Pixelと違って作業工程が多く、かなり苦戦をしました。
しかし苦労をしたがゆえに、導入がうまくいった後は愛着が生まれ、大事に使っていきたいと思うようになりました。
d-01jのバッテリーは2000円程度、交換用液晶は3000円弱です。
消耗部品を交換しながら使っていっても、それほど高いコストはかかりません。
ライトユースであればiPadの方がいいという意見もありますが、僕はそうは思いません。
AndroidであればAdGuardやAdAwayを導入して、あらゆるアプリから広告をブロックしたり、ReVanced ExtendedやInnerTuneのような野良アプリを導入して、無課金で動画や音楽を楽しめます。
iOSでこれをやろうとすると、課金が必須であり、別途維持費が発生をしてきます。3,000円で購入できる中古iPadを見つけられたとしても、d-01J以上にできることが限られてしまうでしょう。
今回はAndroid11の導入でしたが、今後13や14でオーディオの問題が修正されたら、再びOS更新を行います。
メモリに余裕がある本家M3を別途購入するかもしれません。
カスタムROMはやり方を覚えると、スマホやタブレットとの付き合い方に広がりが出るので、この手の作業を楽しめると思える方は、チャレンジをしてみて下さい。
保守部品
コメント
android14 インストールしてみました。当方ためした感じLTEは使えるが、フリーズ多発する感じでした。
https://xdaforums.com/t/rom-14-0-lineageos-21-huawei-mediapad-m3-8-4-beethoven-update-10-02-2024.4653929/