「ブランドリペアは稼げないのではないか」と思って検索した方に、先に結論を書きます。
稼げます。ただし「スクールで習った技術で稼ぐ」というやり方は、年々難しくなっています。そして稼げていない人がつまずいているのは、多くの場合その技術ではありません。
先に、私の立場を書いておきます
私はかつて、ブランドリペア転売のコンサルティングを販売していました。この記事も、もともとはそれを売るために書いたものです。
当時は一定の実績が出ていて、自分の中でいちばん大きく、いちばんきれいに勝てた手法だという確信がありました。これが絶対的に正しいやり方だと思っていました。
いまは考えが変わっています。ジャンルを1つに固定するという発想そのものが違う、と思うようになりました。
ただし修理を否定しているわけではありません。むしろ逆で、物販で最後まで生き残れるのは修理しかないという立場はいまも変わっていません。ハードルが高いことを理解した上で、そう主張しています。
この記事は、その「変わった部分」を書いたものです。売るために書いた版とは結論が違います。
「稼げない」の正体は、技術ではなくリサーチです
ブランドリペアで結果が出ない人を見てきて、つまずいている場所はだいたい4つに集約されました。
- 独学で始めてしまった
- リサーチができない
- 利益の出る個体を見つけられない
- やってみたが仕上がりが悪く、販売できる状態にならなかった
技術の問題は4番だけです。2番と3番は仕入れの問題で、しかもこれが最も多い。
ここを取り違えると、延々と技術の練習をすることになります。ブランドリペア転売は「修理の商売」に見えますが、実態は「直せば利益が出る個体を、直す前に見つける商売」です。直す作業は工程の一部でしかありません。
どれだけ美しく直せても、その個体が仕入れ値と手間に見合わなければ利益は出ません。逆に、見つける力があれば、直せる範囲が狭くても成立します。
利益が出る個体は、こうやって探します
リサーチが問題だと言うだけでは役に立たないので、実際にやっていた手順を書きます。難しいことはしていません。
1. メルカリで「ブランド名 リペア」と検索する
これだけで、すでにリペアされて売られている商品が一覧で出てきます。他の人が「直せば売れる」と判断した個体が、そのまま並んでいる状態です。ここが出発点になります。
2. 同じ商品の、未修理品の仕入れ値を調べる
一覧に出てきた商品名で、未修理の個体がいくらで手に入るかを確認します。状態の悪いものほど安く出ているはずです。
3. 修理済みがいくらで売れているかを、取引履歴で確認する
同じ商品名でメルカリとヤフオクの取引履歴を見ます。出品価格ではなく実際に売れた価格を見てください。プラットフォームによって相場が違うので、両方見ておくと販路の判断にも使えます。
4. 差額から、手数料・送料・部材費を引く
ここまでやって初めて、その個体を仕入れるべきかが決まります。この4ステップは、スマホだけでどこにいてもできます。技術の練習より先に、こちらに時間を使ってください。
実際にこの手順で仕入れた1件
エルメスのガーデンパーティというトートバッグの例です。状態が良いものは10万円近くまで上がる商品ですが、そういう個体は仕入れ値も高く手が出ません。
ヤフオクで、角の色が薄くなっていて、横が破れている個体を見つけました。その状態が敬遠されて価格が下がっていたものです。損傷の程度から、補色クリームと補修用の布で対応できる範囲だと判断して落札しました。
- 仕入価格:11,050円(ヤフオク)
- 販売価格:51,000円(ヤフオク)
- 差額:39,950円
- リペア作業時間:約10分
- 使ったもの:補色クリーム、補修用の布
差額は販売手数料と送料を引く前の金額です。そしてこれは1件の実例であって、毎回こうなるわけではありません。10万円近い相場の商品で、かつ手持ちの道具で直せる損傷だった、という条件が重なった結果です。
ただしこの1件が示しているのは、設備の要らない範囲の作業でも、こういう個体は実在するということです。必要だったのは高度な技術ではなく、「この損傷は自分の道具で直せる」という判断と、それを見つけるリサーチでした。
直す価値がある損傷と、触ると赤字になる損傷
実務でいちばん役に立つのはここだと思うので、具体的に書きます。私が扱っていたのは、変色、破れ、匂い、ファスナーの破損、持ち手の欠損。対処は主に染め直しと部品交換です。
この中で、採算がはっきり分かれます。
| 損傷 | 対処 | 必要なもの | 採算 |
|---|---|---|---|
| 持ち手の欠損 | 社外品に交換 | 部品のみ | 最も良い。物によっては数十秒で終わる |
| 変色・色あせ | 染め直し・補色 | 染料と手順の習得 | 面積と元の状態次第。広範囲は時間が伸びる |
| 破れ | 部品交換 | 交換部品 | 交換で済む箇所かどうかで分かれる |
| ファスナーの破損 | ファスナーごと交換 | 工業用ミシン | 合わない。設備が要るうえに時間がかかる |
判定の基準は単純です。設備が必要になる修理は、基本的に外す。
ファスナーの破れは典型で、ファスナーごとの交換になるため工業用ミシンが必要になります。設備投資が発生したうえに1点あたりの作業時間も伸びるので、時間対効果が合いません。
対して持ち手が取れているだけの個体は、社外品を付けるだけで終わります。同じ「壊れているバッグ」でも、手元に残る金額がまったく違います。この見分けが仕入れの現場でついているかどうかが、稼げる人と稼げない人の差になります。
ブランドごとに「社外品が許される度合い」が違う
ここに歪みがあります。私が利益を出せていたのは、主にこの一点です。
部品を社外品に交換した個体は、純正で直した個体より安く見られるのが普通です。ところがブランドによって、社外品でも仕上がりが見劣りしないものがあります。
ボッテガ・ヴェネタがその代表例です。デザインの押し出しが強くないぶん、社外品に交換しても全体の印象が崩れません。実際、商品説明に「社外品に交換済み」と明記して出品しても、正規のものと変わらない価格で売れました。
逆に、金具やロゴの意匠が強く出るブランドは、社外品に替えた瞬間に違和感が出ます。こちらは価格が落ちます。
つまり、同じ「持ち手の交換」という作業でも、どのブランドに対してやるかで採算がまったく変わるということです。作業の難易度は同じなのに、残る金額が違う。ここが見つけられる歪みでした。
大事なのは、社外品であることを書いた上で売っているという点です。書かずに売れば、それは別の話になります。開示して価格が変わらないブランドを探すこと自体が、この手法の中身です。
参入コストは道具ではありません
よく聞かれるので先に書いておくと、道具と材料は2〜3万円あれば揃います。革・バッグの基本的な修理を始める範囲での話です。ファスナー交換のように設備が要るものを最初から手放しておけば、これで足ります。中身は後半にまとめました。
障壁は道具ではありません。技術の習得と、目利きが育つまでの時間です。
私は大阪にある専門業者のところへ研修を受けに行きました。研修なしで始めるのはきついと思います。仕上がりが販売できる水準に届かないと、直したところで在庫が増えるだけになるからです。
ただし状況は変わってきていて、いまはYouTubeに手順を出している人がかなり増えました。手先が器用な人なら、独学でいける人もいるかもしれません。
——そしてこの「情報が増えた」という事実が、後半の話に直結します。
真贋は知識ではなく、触った量で決まります
ブランド品を扱う以上、避けて通れない話です。
本物と偽物は、質感とディテールが違います。ただしこれは知識として覚えるものではなく、触った量で身につくものです。私は週に50〜100個のペースで触っていました。それだけの量を扱っていると、細かい根拠を言語化する前に違和感で分かるようになります。
逆に言えば、触っていない人には分かりません。知らないまま偽物を仕入れて、知らないまま売ってしまう人も、買ってしまう人もいると思います。仕入れ量が少ないうちが最も危険な時期だということです。
より確実にしたいなら、真贋判定の研修をやっている会社もあるので、受けに行くという選択肢はあります。
見栄えの加工について、ひとつ注意しておきます
革や塩ビの艶を出す加工をすると、写真での見え方は大きく変わります。ただし写真と実物が乖離した分は、返品と低評価という形で戻ってきます。
アパレルや雑貨と違い、ブランド品は届いたときの落差が大きいほど揉めます。しかも1点あたりの単価が高いので、返品1件で数点分の利益が飛びます。見栄えを良くする作業は、実物がその通りに見える範囲でだけやる。採算の話として、そのほうが結果的に残ります。
「修理」と「改変」の線引きには注意が必要です
状態を元に戻す範囲の修理と、意匠そのものを変える改変とでは、法的な扱いが変わります。
問題になるのは商標権や意匠権です。ブランドのロゴや柄が、出所を示すものとして使われていると判断される態様——たとえばブランド品の部材を使って別の商品に作り替えるようなケースでは、商標権侵害を問われる可能性があります。ルイ・ヴィトンのモノグラムパターンについて商標的な使用が認定された裁判例もあります。
一方で、装飾的な使用にとどまる場合は侵害にあたらないと判断された例もあり、線引きは態様によって変わります。機能の回復を目的とした修理と、リメイクに近い改変では、立っている場所が違うということです。
自分がやろうとしている作業がどちら寄りか判断がつかない場合は、専門家に確認してください。この分野は解釈に幅があるので、記事の記述で判断を確定させないでください。
向き不向きが、はっきり出ます
良い面ばかり書いても仕方がないので、合わない人の条件を書いておきます。
作業スペースが要る
机1つ分あれば回せますが、扱う数が増えると手狭になります。理想を言えば6畳程度の部屋があると作業が進みます。最初は自宅で始めて、慣れてから広い場所を考えるという順序で問題ありません。ただし在庫と作業場所は物理的な上限になるので、規模の設計にはここが効いてきます。
作業そのものが泥臭い
仕入れた商品をそのまま流す転売と違い、間にリペア作業が入ります。細かく地味な手作業の連続です。大雑把な性格の人には苦痛だと思います。
逆に、マメで几帳面で手先が器用な人には向いています。ここは努力でどうにかなる部分と、そうでない部分がはっきり分かれます。やってみて合わないと感じたら、それは判断が正しい可能性が高い。無理に続けるより、別の商材で同じ考え方を使うほうが早いです。
本だけでは身につかない
ブランド品のリペアに特化した書籍というものが出ていないので、文章と動画だけで習得しようとすると限界があります。スキル自体は極端に難しいものではないのですが、「難しそうだ」というところで止まってしまう人が多い分野でもあります。
なぜ「稼げない」という検索が生まれるのか
ここが本題です。
私は「代替されるものは価格が下がる」という原則を軸にしています。20年間、仕入れて右から左に流すだけの商売の単価が下がり続けるのを見てきたからです。だから最後に残るのは修理だと考えています。
では修理なら安全なのかというと、そうではありません。この原則は、修理そのものにも適用されます。
スクールで教えているリペアは、中身が同じです
既存のリペアスクールが教えている内容は、染め直し、補色、コバの補正——おおむね共通しています。やっているリペアが同じなのです。
同じ技術を体系化して、大量に人を入れる。これが何を意味するかというと、同じ仕上がりの人が大量に生まれるということです。
結末は、プログラミングスクールが辿った道と同じになります。実際、そうなっていると見ています。
「代替されない技術」として売られているものが、教えられた瞬間に代替可能になる。これは技術の質の問題ではなく、供給量の問題です。どれだけ丁寧に教えても、教えれば教えるほど希少性は減ります。
「稼げない」で検索している人の一部は、たぶんスクールの後にいます
これは推測なので、そう断っておきます。
このキーワードで検索している人の中には、スクールに行って結果が出ず、自分を納得させるために引いている人が一定数いるのではないかと思っています。「稼げないのは自分のせいではなく、そもそも稼げないジャンルだったのだ」という答えを探している状態です。
その人たちに言えることがあるとすれば、半分は当たっているということです。技術のせいではありません。ただし「ジャンルが悪い」のでもない。ジャンルを1つに固定して、大量に同じことを教えられたモデルに乗ってしまったことが原因です。
私自身、かつてそのモデル側でコンサルを売っていた人間なので、これは他人事として書いていません。
いまから始めるなら、どう設計するか
否定して終わっても仕方がないので、いま同じことをやるならどう組むかを書きます。
1. ジャンルを固定しない
これが最も大きく変わった点です。ブランドリペアだけで組み立てると、同じ技術を持つ人が増えたときに逃げ場がなくなります。修理を「専門」ではなく「使える手段のひとつ」として持つ。扱う商材が動かせる状態にしておくことが、そのままリスク分散になります。
2. 技術の希少性ではなく、リサーチに軸を置く
前述のとおり、稼げない理由の大半は仕入れ側にあります。直せる範囲が狭くても、利益が出る個体を見つけられれば成立します。逆は成立しません。練習に時間を使う前に、リサーチに同じだけ時間を使ってください。
3. 設備が要る修理は最初から外す
工業用ミシンが必要になる時点で、時間対効果が崩れます。部品交換で終わる損傷だけを狙う。これだけで、道具は2〜3万円の範囲に収まり続けます。
4. ブランドごとの「社外品許容度」を自分で持つ
ボッテガのように、社外品と明記しても価格が落ちないブランドがある。押し出しの強いブランドは落ちる。この対応表を自分の手で作れるかどうかが、他人と差がつく唯一の場所です。スクールでは教えられません。個体を触って、実際に売って、初めて分かる情報だからです。
5. 修理を「商品」ではなく「工程」として使う
修理そのものを売り物にすると、技術の希少性の勝負になります。そこは供給が増え続けます。修理は、他の人が仕入れられない個体を仕入れられるようにするための工程として使う。壊れているから安く買える、直せるから売れる。この差額を取りに行くほうが、構造として長持ちします。
この考え方は、修理転売全般に共通します。ジャンク品を含めた採算の話は修理転売・ジャンク修理は儲からないのかを整理した記事にまとめてあります。ハイブランドの仕入れルートについてはハイブランドの仕入れルートで別途扱っています。
揃える道具は、どの修理をやるかで決まる
道具の話は、リストを眺めても意味がありません。「どの修理を捨てるか」を先に決めると、必要な道具は自動的に決まります。実際に使っていたものを、その順番で書きます。
まず、買わないものを決める
- 工業用ミシン……ファスナーの丸ごと交換をやらないと決めた時点で不要になります。ここを外すかどうかが、初期費用が2〜3万円で収まるか、桁が変わるかの分岐点です
- 一眼レフカメラ……あればきれいに撮れますが、機種選びと設定でつまずきます。最初はスマホで十分です。撮影に投資するのは、利益が出てからで間に合います
数千円で始められる範囲(補色だけ)
中古のバッグは、その多くが角の擦れと色落ちで価値を落としています。逆に言えば、そこを戻すだけで見栄えが大きく変わる。最初に揃えるべきはここです。
- 補色クリーム……サフィールを使っていました。色を全部揃えると費用がかさむので、最初は主要な色だけで構いません
- 補色ペン……ブラックやブラウンといった人気カラーのスレを、数十秒で目立たなくできます。数を扱うほど、1点にかけられる時間は短くなります。ここを短縮できる道具は効きます
この2つなら数千円です。まずこの範囲で回して、売れる感覚を掴んでから広げてください。
次に足すもの(削れた角を埋める)
- アドベース……すり減った角や傷を埋めるパテ剤。補色だけでは戻らない個体に手が届くようになります
- へら……アドベースを塗って形を作るのに使います。100円ショップのもので足ります
- コバコート……簡易的に済ませたいときに。液だれに注意
部品交換に踏み込む道具(採算がいちばん良い領域)
前半に書いたとおり、持ち手が取れているだけの個体は、部品を交換するだけで終わります。ここに必要なのは工具と部品だけで、設備は要りません。
- かしめ工具……引き手が欠損した財布やバッグの部品交換に
- ペンチ……金具を取り付けた後の締め直しに
- かぎ針……スライダーの交換に。100円ショップにもあります
- 交換部品……プーラー(引き手)、ハンドル、スライダー。スライダーはサイズを確認して同じ大きさのものを取り寄せます
部品選びのコツは1つだけで、オリジナルに近いデザインのものを使うことです。前半に書いた「ブランドごとの社外品許容度」は、ここで効いてきます。
染め直しまでやるなら、ここから設備になります
- エアブラシ/コンプレッサー/塗装ブース……色を均一に載せるために使います
- 衣類用染料……色褪せ・色落ちした生地の色味を戻すのに
- 筆……ぺんてるのものを使っていました。染料メーカーが採用しているブラシなので、選択に迷うならここから
- ドライヤー……塗った後の乾燥に。安価なもので構いませんが、風量のあるものを
- マスキングテープ……色を付けたくない箇所の保護と、剥がれた部品の仮止めに
ここから先は2〜3万円の枠を超えます。補色と部品交換で採算が取れることを確認してから足す順序が安全です。
クリーニングと匂い
汚れと匂いは、直接の「修理」ではないのに販売価格を大きく動かします。
- アルカリ電解水……財布やバッグのクリーニングに。予算が少なければ衣類用洗剤を薄めたスプレーでも
- エマール……汚れを落とすほかに、形を整える効果があります
- オキシクリーン……上記で落ちない汚れに
- ブラシ(馬毛・豚毛)……馬毛は汚れ落とし、豚毛はクリームを伸ばすときと艶出し。用途が違うので両方あると早いです
- 超音波ウォッシャー……シミや汚れ落としに。個人的にはコスパが最も良い道具でした。予算がなければ電動歯ブラシで代用できます。歯ブラシでもできますが効率が落ちます
- ピカール+ミニルーター……金具の汚れ落としと研磨。手作業とは労力が比較になりません。刻印を消すときにも使えます
- デリケートクリーム……革の栄養剤。質感と艶が戻ります
匂いについてはリセッシュEXの無香タイプを使っていました。軽いタバコ臭や混合臭、カビっぽい匂いなら、何度か吹きかければ落ちます。ただし強いタバコ臭は、これでも消えないことが多い。その場合は丸洗いになります。匂いが強い個体は、そもそも仕入れの段階で外すという判断もありです。
二度買いになったものと、100円ショップで足りるもの
ここが実務で一番差が出た部分なので、正直に書いておきます。
安物を買って結局買い直したもの
- エアブラシとコンプレッサー……最初に中国製の安価なものを使いましたが、すぐ壊れてメーカー品に買い替えました。ここは最初から相応のものを買ったほうが安く済みます
- マスキングテープ……安いものは剥がれてきます。3Mのものを使っていました
- 接着剤……革は革用ボンド(比較した結果コニシのG17がいちばん扱いやすかった)。金属部品は瞬間接着剤を使います。革製品は荷重のかかる部品が多いので、強度が要るところは分けてください
100円ショップで足りるもの
- へら、かぎ針、爪楊枝、綿棒(太さ2種類を用途で使い分け)、テープカッター
綿棒と爪楊枝は地味ですが、細かい箇所の塗りとボンドの伸ばしで手数が変わります。
梱包
段ボールとプチプチはまとめ買いのほうが安くなります。よく使うサイズは80と100で、小物中心なら60で足ります。最初のうちはスーパーでもらってくる、Amazonで買うといった形で問題ありません。テープカッターは、扱う数が増えてきた段階で入れると効きます。
よくある質問
未経験からでも始められますか?
始められますが、研修なしはきついと思います。仕上がりが販売できる水準に届かないと、直した分だけ在庫が増えることになるからです。私は大阪の専門業者のところへ研修を受けに行きました。手先が器用な人なら、いまはYouTubeの情報だけでいける可能性もあります。
初期費用はどのくらいかかりますか?
道具と材料は2〜3万円程度で揃います。ただしこれは設備が必要な修理を外した場合の話です。ファスナー交換まで対応しようとすると工業用ミシンが必要になり、金額が変わります。そして採算面でもおすすめしません。
もっと絞るなら、補色クリームと補色ペンの2つだけなら数千円で始められます。中古バッグの多くは角の擦れと色落ちで価値を落としているので、この範囲でも扱える個体はあります。
最初にどの道具から買えばいいですか?
順番は「補色 → 角の充填 → 部品交換 → 染め直しの設備」です。この順に、扱える個体が増えていきます。逆に言えば、いきなりエアブラシやコンプレッサーを買っても、仕入れられる個体は増えません。設備は最後です。
リペアスクールや講習には行くべきですか?
技術の習得手段としては有効です。私自身、大阪の専門業者のところへ研修を受けに行きました。ただし「スクールで習った技術で稼ぐ」という設計にはしないでください。スクールや講習が教えている内容はおおむね共通していて、同じ仕上がりの人が増え続けます。
講習は「販売できる水準の仕上がりに最短で届くための入口」として使ってください。そこから先の差は、リサーチとブランドごとの判断でつけます。講習を出た時点で全員が同じ位置に立っているので、そこが勝負所ではありません。
社外品で修理したものを売っても問題ありませんか?
社外品を使っていることを商品説明に明記してください。そのうえで価格が落ちないブランドを探すこと自体が、この手法の中身です。書かずに売るのは、価格が維持できるかどうか以前の問題になります。
偽物を仕入れてしまうのが怖いのですが
質感とディテールで分かるようになりますが、これは知識ではなく触った量で身につきます。私は週に50〜100個扱っていました。裏を返すと、仕入れ量が少ないうちが最も危険だということです。確実にしたいなら、真贋判定の研修をやっている会社もあります。
まとめ
- ブランドリペア転売で稼げないのは、技術のせいではないことが多い。つまずいているのは主にリサーチと、利益の出る個体を見つける力
- 設備が必要な修理(ファスナー交換など)は時間対効果が合わない。持ち手のように部品交換で終わる損傷を狙うと、道具は2〜3万円で足りる
- ブランドによって社外品の許容度が違う。ボッテガのように明記しても価格が落ちないブランドがあり、そこが最大の歪みだった
- 真贋は知識ではなく触った量で決まる。仕入れ量が少ないうちが最も危険
- 利益が出る個体は、メルカリで「ブランド名 リペア」と検索して修理済みの相場を見て、同じ商品の未修理品の仕入れ値と突き合わせれば見つかる。スマホだけでできる
- 機能の回復を超えた改変は、商標権や意匠権の問題になりうる。修理とリメイクでは立っている場所が違う
- スクールが教えるリペアは内容が共通しているので、大量に教えれば大量に同じ仕上がりの人が生まれる。「代替されるものは下がる」という原則は修理にも適用される
- だからジャンルを1つに固定しない。修理は専門ではなく、他人が仕入れられない個体を仕入れるための工程として使う
私はかつて、この手法を「絶対的に正しいやり方」だと思ってコンサルとして売っていました。いまはジャンルを固定する設計自体が違うと考えています。それでも、物販で最後まで生き残れるのは修理しかないという結論は変えていません。変わったのは、修理をどう持つかのほうです。

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