「古書組合 加入」「古書組合 入会金」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
古書組合に入るときに払う現金は、この記事で比べた12組合で15万円から63万円までと、組合によって大きく違います。私は、地方の組合で加入して、全国の組合の市(交換会)に遠征するのが一番期待値が高いと見ています。東京は加入時に63万円かかるうえ、給料で生活している人は基準の時点で入れません。地方の組合なら加入時の負担はその半分以下のところが多く、加盟した後は他の都道府県の市にも参加できると公式に書いている組合があります。
| 知りたいこと | 答え(各組合の公式ページを2026年10月1日に閲覧。掲載されている金額の基準日は組合ごとに違います) |
|---|---|
| 加入にいくらかかるか | 加入時に15万〜63万円(脱退時に戻ることがある出資金を含む)。毎年の会費は、金額が書かれている9組合で1万2,000〜5万1,600円 |
| 会社員(給料で生活している人)でも入れるか | 東京と京都は入れないと基準に書いてあります。名古屋は、以前の基準にあった「名義人の兼業は認めない」が、今の公式ページでは取り消し線で消されています。ほかの組合は条件に書かれていないので、組合に確かめてください |
| 自宅やネット販売だけでも入れるか | 千葉は自宅を事務所にでき、兵庫と福岡は店舗のない通販の会員も認めています。東京も、店舗か事務所を構えたうえで、インターネットなどの通信販売でもよいとしています |
| 他の都道府県の市に行けるか | 千葉・埼玉・茨城・名古屋・京都・札幌は参加できると書いています。神奈川と兵庫は一定期間がたってから。静岡は最初の半年は浜松の市だけです |
| 副業から始めるなら | 低単価の古本はFBAだと逆ざやになるのでAmazonの自己発送で売り、利益を貯めて手元に100万円ほど作ってから地方の組合に入る。低単価の段階で得意な本の分野を決め、買取のホームページは最初から作っておく。挫折率はかなり高い(私の考え。5章) |
| 古物商の許可は要るか | 要ります。中古品を仕入れて売る商売(古物営業)には古物営業法の許可が必要で、東京・千葉・埼玉・名古屋・京都・大阪・兵庫・福岡・札幌は加入の条件にも書いています |
なお、私自身は古書組合に入っていません。金額と条件は各組合の公式ページから、見方は20年ほどせどりをしてきた立場から書いています。6章に、遠征費まで入れて加入の元を取るのに何冊要るかと、東京に入る場合との分かれ目を出す計算機を置きました。
1. 古書組合とは。入ると何ができるか
古書組合は、古本屋(古書籍商)の同業組合です。都道府県ごとにあり、多くは全国古書籍商組合連合会(全古書連)に加盟しています。組合に入ると、公式ページに書かれているところでは、次のことができるようになります。
- 組合が開く市(交換会)で本を仕入れる。自分の店に合わない本を出品して売る。まとめて買い取ったときの売り先にもなる(神奈川、兵庫)
- 全古書連に加盟している他の組合の市に参加する(参加できる時期は組合による。4章)
- 東京古書組合が運営する古書の通販サイト「日本の古本屋」に出品する(名古屋、神奈川、兵庫、札幌など)
- 組合が主催する古書の即売展に参加する(神奈川、兵庫)
いちばん大きいのは、組合員しか入れない市で仕入れができることです。東京古書組合の場合、組合員は507名(2026年5月末現在)で、神田小川町の東京古書会館では、中央市会(毎週月曜)、東京古典会と東京洋書会(毎週火曜)、東京資料会(毎週水曜)、明治古典会(毎週金曜)といった市が開かれています。京都は月6回、埼玉は毎月第1・第3火曜、千葉は毎週木曜、札幌は毎月1回です。
私は、古本を専業でやるなら、古書組合に入れば仕入れは問題にならないと考えています(兼業の古本せどりをどう見ているかはせどりはやめたほうがいい?に書きました)。
2. 12組合の加入金と条件の比較
2-1. 加入時に払うお金と、毎年かかるお金
| 組合 | 加入時に払う現金 | 毎年かかるお金 |
|---|---|---|
| 東京 | 63万円(出資金10万円+加入金50万円+共済会基金3万円。公式ページの表記は「2023年9月現在」) | 5万1,600円(組合費月4,000円+共済会費月300円) |
| 千葉 | 15万円(加盟金。加入時のみ) | 1万5,000円 |
| 神奈川 | 30万円(入会金10万円+出資金20万円)と、賦課金(組合費)の月割り分 | 賦課金(金額は公式ページに書かれていない) |
| 埼玉 | 25万円(入会金) | 1万8,000円 |
| 茨城 | 20万円(入会金) | 1万5,000円 |
| 静岡 | 20万円(新規加入金)と、組合費の月割り分 | 1万2,000円 |
| 名古屋 | 53万4,000円(出資金30万8,000円+加入金20万円+組合費2万6,000円。公式ページの表記は「平成20年9月現在」) | 書かれていない |
| 京都 | 34万6,000円(出資金4万6,000円+加入金30万円) | 4万2,000円(賦課金月3,500円) |
| 大阪 | 30万7,600円(出資金200円+加盟金30万円+賦課金3,500円と共済会費200円の各2か月分) | 書かれていない(加入時に2か月分を払う) |
| 兵庫 | 34万1,000円(入会金30万円+出資金4万1,000円) | 4万2,000円(組合費月3,500円) |
| 福岡 | 28万円(入会金) | 2万4,000円(組合費月2,000円) |
| 札幌 | 15万円(入会金。返還なし) | 2万4,000円 |
表の数字は、各組合の公式ページの表記のままです。東京は「2023年9月現在」、名古屋は「平成20年9月現在」と書かれていて、ほかの組合は基準日が書かれていません。申し込む前に、今の金額を組合に確かめてください。大阪の出資金200円も公式ページの表記どおりです。神奈川の金額は、公式ページの画像の中に書かれているものです。
加入時に払う現金には、出資金が含まれている組合があります(東京10万円、神奈川20万円、名古屋30万8,000円、京都4万6,000円、大阪200円、兵庫4万1,000円)。出資金と加入金は性格が違います。京都は、出資金は脱退後に返金(除名の場合は半額)、加入金は脱退後も返金しないと書いています。名古屋も、出資金は脱退時にほぼ返却としています。元を取れるかを考えるときは、戻ってこないお金(加入金など)と、毎年の会費を分けて見ます。
2-2. 入るための条件と、他の都道府県の市
| 組合 | 条件で目立つ点 | 他の都道府県の市 |
|---|---|---|
| 東京 | 他業からの給与所得で生計を維持する場合は承認できない。都内の事業場、古書籍の販売を主な仕事とし、そのための店舗か事務所(インターネットなどの通信販売も可)。保証人1名。加入の動機と事業計画を書いた書類 | (東京古書会館で週4日、市が開かれている) |
| 千葉 | 県内に主たる事務所(自宅でも可)。小規模(個人)経営者 | 東京をはじめ他の都道府県の組合の市会にも参加できる |
| 神奈川 | 当組合に5年以上在籍している組合員の推薦状。店舗(営業地)の地図と、支部長による事業所確認書 | 全古書連加盟の全国の組合の交換会に参加できる(一定期間経過後) |
| 埼玉 | 県内に店舗・事業所。大規模店舗の経営者や従業者でない。事前予約で交換会を見学 | 全古書連に加盟する他県の交換会にも参加できる |
| 茨城 | 役員の面接と推薦。ネット販売専業の組合員もいる | 日本各地の古書組合の市場で売り買いできる |
| 静岡 | 店舗を構える書籍商か、行商などで古書の売買を主な仕事とする古書籍商。役員会の決定か総会の賛成で加入。半年間は準組合員として研修 | 準組合員の間は浜松の市会だけ。その後は書かれていない |
| 名古屋 | 以前の基準にあった「名義人の兼業は認めない」は、今の公式ページでは取り消し線で消されている。店舗か事務所。古物商許可は「行商をする」で取る。保証人1名。加入後に5回の研修(市の運営スタッフ) | 全国各地の古書組合の市にも参加できる |
| 京都 | 他業からの給与所得で生計を維持していない。主として古書籍の販売に従事し、地区内に営業所 | 全国の古書組合の市会に参加できる |
| 大阪 | 大阪府内か和歌山県に事業場。資本金5,000万円以下かつ従業員50人以下 | 書かれていない |
| 兵庫 | 県内に店舗・事務所。店舗のない通販の会員も特例で認める(商業活動の証明が要る) | 全古書連加盟の全国の組合の交換会に参加できる(一定期間経過後) |
| 福岡 | 県内に店舗・事務所。店舗がなくても、インターネットなどで通販をしている会員を認めている | 書かれていない |
| 札幌 | 特定の事業所。古書の販売を主な事業とする。理事2名の推薦 | 全国で開かれる交換会に参加できる |
この12組合のほかにも古書組合はありますが、公式ページで金額と条件を確かめられた組合に絞っています。
3. 東京は入れない人が多い
私は、東京古書組合は入れない人が多いと見ています。理由は加入の基準です。東京古書組合の基準には、こう書かれています。
名義人もしくは主として営業に従事しようとする者が、引き続き他業からの給与所得によって生計を維持する場合は承認できない。
給料で生活している会社員は、副業として古本を始めたくても、この時点で入れません。さらに、都内に事業場があり、古書籍の販売を主な仕事として、そのための店舗か事務所を構えていることも求められます。お金は加入時に63万円、その後も毎年5万1,600円です。
同じ型の基準は東京だけではありません。京都は「他業からの給与所得によって生計を維持していないこと」、札幌は古書の販売を主な事業とすることを条件にしています。東京と京都では、会社員が副業で入ろうとしても、基準の時点で門が閉じています。名古屋の公式ページにも以前は「名義人の兼業は認めない」という項目がありましたが、今は取り消し線で消されています。
東京古書組合は加入説明会も開いていて、2026年は6月27日に、参加費1,000円・定員50名で開かれました(申し込みは定員に達して締め切り)。
4. 地方で入って、全国の市に遠征する
私は、古書組合は地方の組合で加入して、全国の組合の市に遠征するのが一番期待値が高いと見ています。加入にかかるお金は東京より小さく、加盟した後は、他の都道府県の市でも仕入れられるからです。
公式ページで確かめると、千葉は「東京をはじめとした他都道府県組合の市会などにも参加が可能」と書いています。埼玉、茨城、名古屋、京都、札幌も、他県や全国の市に参加できるとしています。千葉なら、加入時15万円と年会費1万5,000円で、東京の市にも行けることになります。
ただし、多くの組合は、その組合の地区内に事務所や事業場を持つことを条件にしています。埼玉は「埼玉県内に店舗・事業所のない方は、埼玉県古書籍同業組合へ加入できません」と答えていますし、千葉、兵庫、福岡、大阪、京都、名古屋も、県内や地区内の事務所・事業場を条件にしています。住んでいる県とは別の県の組合に入りたい場合は、そこに事務所を構えられるかが先に問われます。
入ってすぐ他県の市に行けるとも限りません。神奈川と兵庫は「一定期間経過後」、静岡は最初の半年間は準組合員として浜松の市会だけです。
もう一つ、組合に入れても、仕入れた本を置く場所と、出品や発送を回す人がいなければ、数はこなせません。古本屋として1冊あたりにいくら残り、月に何冊売れば生活できるかは古本屋の年収の記事で分解しています。
5. 副業から始めて、組合に入るまでの順番
いきなり独立したい人より、まず副業で試したい人のほうが多い、と私は見ています。そこで、副業から古書組合に入るまでを、私なら次の順番で組みます。
- 副業で、低単価の古本をAmazonの自己発送で売る。低単価の本はFBAに入れると逆ざやになるので、FBAは使えません(FBAを使えるのは、絶版や希少で高単価の本です)。売った利益を貯めて、手元に100万円ほど作ります。この段階で、自分が得意な本の分野を決めます
- その100万円を原資に、加入の条件を満たせる地方の組合に入る。加入金、会費、遠征費をここから出します(金額は2章、元を取る冊数は6章)
- 買取のホームページは、最初から作っておく。独立したときには、検索で見つけてもらえる状態(SEOが上がった状態)にしておくためです。私も、買取のホームページを作って運営したことがあります
この順番でいちばん大事なのは、低単価の段階で、自分が得意な本の分野を決めておくことです。分野が決まらないまま組合に移っても稼げませんし、買取でもほかの店と差がつきません。この順番を最後まで進められる人は多くなく、挫折率はかなり高いと見ておくべきです。得意な分野が買取の場面でどう効くかは、古本屋の年収の記事に書いています。
低単価の本を自己発送で売るときと、FBAで売るときの損益分岐、自己発送の梱包と発送にかかる時間は、本せどりの記事で計算しています。100万円を貯めるのに何冊要るかは、次の式で出ます。
貯めるのに要る冊数 = 貯めたい金額 ÷ 1冊あたりの手残り
初期値では、1冊150円の手残りで100万円を貯めるには約6,667冊、月に300冊売るなら約23か月かかります。初期値はすべて仮の数字なので、自分の手残りと冊数に変えてください。
買取のホームページを作るときは、法律の手続きも先に済ませておきます。警視庁の案内では、次のようになっています。
- ホームページで買取の申し込みを受けるなど、ホームページを使って古物の取引をするときは、公安委員会にURLを届け出ます(許可を取った後なら変更届出。URLを使う権限があることを示す資料が要ります)
- ホームページには、許可を受けた公安委員会名、許可証番号、氏名か名称を表示します。個人で許可を受けたなら氏名で、営業所の名称だけでは認められません。ネットで売るなら、特定商取引法の表示も要ります
- 買い取るときは、相手の住所、氏名、職業、年齢を確かめます。ネットや宅配など相手と会わずに買い取るときは、それが本物かを法律で決められた方法で確かめなければならず、免許証のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは違反です
- 本は、1万円未満の買取でもこの確認の対象です
- 買い取ったら、帳簿などへの記録も要ります(帳簿の様式は施行規則で決まっています)
副業の段階でも、中古の本を仕入れて売るなら古物商の許可が要ります。
6. 加入の元を取るのに何冊要るか(計算機)
組合に入ったあとに毎年かかるお金を、売った本の手残りで回収するには何冊要るかを出します。
1年あたりのコスト = 戻ってこない加入金 ÷ 年数 + 毎年の会費 + 遠征1回の費用 × 1年の遠征回数
元を取るのに要る冊数 = 1年あたりのコスト ÷ 1冊あたりの手残り
あわせて、東京古書組合に入った場合(遠征なし)と比べて、遠征が年に何回までなら地方で入るほうが安いかも出します。比べているのはお金の出ていく側だけで、市でどれだけ仕入れられるか、いくらで売れるかは入っていません。初期値は千葉の金額で、遠征費、回数、1冊の手残りは仮の数字です。自分の数字に変えてください。
初期値で計算すると、1年あたりのコストは15万円÷3年+1万5,000円+1万円×12回=18万5,000円で、1冊200円の手残りなら年に925冊(月に約78冊)売って、やっと加入と遠征の元が取れます。東京古書組合に入って遠征しない場合は、加入金50万円だけが戻らないとすると50万円÷3年+5万1,600円=約21万8,267円で、地方で入るほうが安いのは遠征が年15回まで。加入時の63万円が全部戻らないとすると約26万1,600円で、年19回までです。
この比べ方は、東京の基準を満たせる人にしか意味がありません。給料で生活している人や、都内に事業場を持たない人は、そもそも東京には入れないからです。また、倉庫代や人件費、「日本の古本屋」や即売会にかかる費用など、冊数に比例しないお金は入っていないので、実際に要る冊数はこれより多くなります。1冊の手残りは、売値と手数料、送料で大きく変わります(本の手数料と1冊あたりの手残りは本せどりの記事)。
7. 加入までの流れ
細かい手順は組合ごとに違いますが、公式ページに書かれている流れをまとめると、次のようになります。
- 古物商の許可を取る。埼玉は、審査の時点で許可のない人の加入は認めないと答えています。名古屋は、許可の申請で「行商をする」に丸をつけるよう求めています
- 組合に連絡する。埼玉は事前予約で交換会を見学し、札幌も加入の意思が確認されてから見学できます
- 書類を出す。履歴書、古物商許可証のコピー、住民票など(大阪、神奈川、名古屋、兵庫)
- 面接や推薦を受ける。大阪と兵庫は面接、茨城は役員の面接と推薦、神奈川は5年以上在籍している組合員の推薦状、札幌は理事2名の推薦、東京と名古屋は保証人1名
- 理事会で承認されたら、加入金などを払う
東京は、加入の動機、今の営業状況、今後の事業計画を書いた書類も求めています。正式に加入するまでの期間について、埼玉は「数カ月かかる場合が多い」と答えています。
8. 古書組合のデメリットと注意点
- 加入金は戻ってこない。京都は「脱退後も返金致しません」、札幌は「入会金は返還されません」と書いています
- 会費が毎年かかる。市に行かない年も払います
- 会費のほかにもお金がかかる。埼玉は、「日本の古本屋」の利用や即売会への参加には年会費などのほかに別途費用がかかると答えていて、札幌も「日本の古本屋」は有料と書いています
- 申し込んでも断られることがある。京都と大阪は、加入が認められない場合があると書いています
- 入ってすぐ全国の市に行けるとは限らない。神奈川と兵庫は一定期間後、静岡は最初の半年は浜松の市だけです
- 組合の運営に関わることを求められる。京都、兵庫、福岡は運営や事業に参画する意思を条件にし、名古屋は役職を頼まれたら引き受けることと、市の運営スタッフとして5回の研修を求めています
- その県に事務所や店舗が要る。地方で入るなら、そこに拠点を持つ必要があります
- 置き場所と人がないと、仕入れの量をさばけない(私の見方。4章)
9. よくある質問
古書組合には個人でも入れますか?
入れます。組合が求めているのは、古物商の許可を受けた小規模事業者であることで、千葉は「小規模(個人)経営者」と書いています。法人でなくても構いませんが、事務所や店舗の条件は組合ごとに違います。
会社員の副業でも古書組合に入れますか?
東京と京都は、給与所得で生計を維持している人は入れないと基準に書いています。札幌は古書の販売を主な事業とすることを求めています。名古屋は、以前の基準にあった兼業禁止の項目が今は取り消し線で消されています。千葉、埼玉、茨城、兵庫、福岡などは、公式ページの条件に給与所得の制限が書かれていませんが、審査で何を見るかは組合に確かめてください。
古物商の許可がなくても入れますか?
入れません。中古品を仕入れて売る商売には古物営業法の許可が要り(第3条)、組合の多くは許可を加入の条件にしています。先に許可を取ってから申し込みます。
自宅やネット販売だけでも入れますか?
組合によります。千葉は主たる事務所を自宅にでき、兵庫は店舗のない通販の会員を特例で、福岡も店舗がなくてもインターネットなどで通販をしている会員を認めています。茨城にはネット販売専業の組合員もいます。東京は店舗か事務所が要りますが、販売はインターネットなどの通信販売でもよいとしています。
副業から古書組合に入るには、どうすればいいですか?
私なら、副業で低単価の古本をAmazonの自己発送で売り(低単価の本はFBAに入れると逆ざやになるので使えません)、利益を貯めて手元に100万円ほど作ってから、それを原資に、加入の条件を満たせる地方の組合に入ります。買取のホームページは最初から作っておき、独立するころには検索で見つけてもらえる状態にしておきます。低単価の段階で自分が得意な本の分野を決めておかないと、組合に移っても稼げず、買取でも差別化できません。挫折率はかなり高いと見ています。何冊売れば貯まるかは5章の計算機で出せます。
東京の市で仕入れるには、東京の組合に入らないといけませんか?
千葉は、新しく加盟した組合員は東京をはじめ他の都道府県の組合の市会にも参加できると書いています。他の組合で入って東京の市に行く道があるということです。いつから参加できるかは組合によって違うので(神奈川と兵庫は一定期間後)、入る組合に確かめてください。
10. まとめ
- 古書組合に入るとき払うお金は、比べた12組合で15万〜63万円。東京が63万円でいちばん高く、千葉と札幌が15万円
- 東京は入れない人が多い。給与所得で生活している人は承認されず、都内の事業場と、店舗か事務所も要る。京都にも同じ型の基準がある
- 私は、地方の組合で加入して、全国の組合の市に遠征するのが一番期待値が高いと見ている。千葉は東京をはじめ他県の市会にも参加できると書いている
- ただし、多くの組合は地区内に拠点を持つことを条件にしていて、他県の市に行けるのが一定期間後の組合もある
- 副業から始めるなら、低単価の古本はFBAだと逆ざやになるので自己発送で売って利益を貯め、手元に100万円ほど作ってから組合に入る。FBAを使えるのは絶版や希少で高単価の本。低単価の段階で得意な本の分野を決めないと、組合に移っても稼げず、買取でも差別化できない。挫折率はかなり高い。買取のホームページは最初から作っておく。ネットで買い取るならURLの届出、ホームページの表示、相手の確認(本は1万円未満でも対象)が要る
- 加入金は戻らず、会費は毎年かかる。6章の計算機で、遠征費まで入れて元を取るのに何冊要るかを出してから決める
11. 出典
| 資料 | 使ったところ |
|---|---|
| 東京都古書籍商業協同組合「組合に加入するには」 | 2章、3章、7章、FAQ。加入基準と費用(2023年9月現在の表記)、提出書類 |
| 東京都古書籍商業協同組合(トップページ)、「市会の紹介・交換会について」、「東京古書組合加入説明会」 | 1章、3章。組合員数(2026年5月末現在)、東京古書会館の市、2026年の加入説明会 |
| 千葉県古書籍商組合「組合員募集」 | 2章、4章、FAQ。条件、加盟金と年会費、他の都道府県の市会への参加 |
| 神奈川県古書籍商業協同組合「組合加盟案内」 | 1章、2章、4章。推薦状などの書類、入会金と出資金(ページ内の画像に記載)、全国の交換会への参加 |
| 埼玉県古書籍同業組合「埼玉県古書籍同業組合への加入について」 | 2章、4章、7章、8章。条件、入会金と年会費、交換会の見学、加入までの期間、別途の費用 |
| 茨城県古書籍商組合「組合員募集」 | 2章、4章、FAQ。入会金と年会費、全国の古書市場 |
| 静岡県古書籍商組合「静岡県古書籍商組合 概要」 | 2章、4章。加入金と年会費、準組合員の期間 |
| 名古屋古書籍商業協同組合「古書組合に加入するには」 | 2章、3章、7章。加入基準(兼業禁止の項目は取り消し線)、費用(平成20年9月現在の表記)、研修 |
| 京都府古書籍商業協同組合「組合加盟案内」 | 2章、3章、8章。加盟基準、出資金と加入金の返金、市会の回数 |
| 大阪府古書籍商業協同組合「組合加盟案内」 | 2章、7章、8章。加盟基準と加盟時の費用 |
| 兵庫県古書籍商業協同組合「古書組合加盟について」 | 1章、2章、4章。条件、入会金と出資金、全国の交換会への参加 |
| 福岡県古書籍商組合連合会「組合に加入するには」 | 2章、8章、FAQ。条件、入会金と組合費 |
| 札幌古書籍商組合「組合加入のご案内」 | 2章、8章。入会金と組合費、全国の交換会 |
| e-Gov法令検索「古物営業法」 | 冒頭、5章、FAQ。古物商の許可(第3条) |
| 警視庁「非対面取引における確認の方法」 | 5章、まとめ。相手と会わずに買い取るときの確認、本は1万円未満でも対象 |
| 警視庁「書換申請・変更届出」 | 5章。ホームページを開いて古物の取引をするときの届出 |
| 警視庁「古物商許可申請をされる方へ」 | 5章。相手方の確認の4項目、ホームページの表示義務、特定商取引法の表示 |
| 警視庁「帳簿の様式」 | 5章。帳簿の様式(古物営業法施行規則第17条) |
12. あわせて読む
| 知りたいこと | 記事 |
|---|---|
| 古本屋の1冊の利益と、生活に要る冊数 | 古本屋の年収はいくら? |
| 兼業の古本せどりは、なぜ厳しいか | せどりはやめたほうがいい?オワコン? |
| 本の手数料と、1冊あたりの手残り | 本せどりは稼げない? |
| バーコードリーダーの元が取れるか | ビームせどりのバーコードリーダー |
| ブランド品の業者向けの市場(古物市場) | ブランド品の仕入れルート |
13. この記事について
加入金、会費、条件、市の情報は、各組合が公式ページで公開している内容を2026年10月1日に閲覧したものです。東京の金額は公式ページで「2023年9月現在」、名古屋の金額は「平成20年9月現在」とされている数字で、神奈川の金額はページ内の画像に書かれている数字です。金額や基準は変わることがあるので、申し込む前に組合に確かめてください。
「東京は入れない人が多い」「地方で入って全国の市に遠征するのが一番期待値が高い」「置き場所と人がないと数をこなせない」「副業で100万円ほど貯めてから組合に入り、買取のホームページは最初から作る」「低単価の段階で得意な分野を決めないと組合でも買取でも稼げない」「挫折率はかなり高い」は、私の見方です。私は古書組合に入っておらず、市で仕入れた経験から書いたものではありません。
6章の計算機は、加入金を決めた年数で割り、毎年同じ回数だけ遠征すると仮定した目安で、比べているのはコストだけです。5章の計算機は、売った分の手残りを全部貯めると仮定した目安です。初期値の遠征費、回数、1冊の手残りは説明のための仮の数字で、特定の収益を保証するものではありません。

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