新高値ブレイク投資法は勝てるが、指数に負けた|AIで半年やった私の結論と、無料のスクリーニング方法

新高値ブレイク投資法は勝てるのか?指数のレバレッジ(日経225の4.3倍で+120%、ナスダック100の2〜3倍で+30%)に対し、新高値ブレイクの個別株はプラスでも指数に負けた。結論は勝てるけれど効率が悪い 資産運用・ポイ活

「新高値ブレイク投資法は勝てるのか」「スクリーニングはどうするのか」を調べて来られた方に、先に結論を書きます。

私は、AIを使って新高値ブレイクの個別株を半年売買しました。プラスにはなりました。ただ、指数には勝てませんでした。毎日銘柄を選ぶ手間をかけて、何もしない指数に負けるなら、やる理由がありません。だから私の結論は「勝てるけれど、効率が悪い」です。選ぶ手間を運用会社に任せるモメンタムファンドも試しましたが、こちらは指数に大きく負けました。いま持っているのは投資信託とETFだけで、同じ時期に大きく増えたのは、指数にレバレッジをかけた商品のほうでした。

ただし、レバレッジは逆にも同じ倍率で効きます。同じ口座には、大きく減っている商品もあります(2章)。この記事は、手法の中身、私がやった結果、無料で新高値の銘柄を探す方法、指数との比べ方を順に書きます。特定の銘柄や商品をすすめる記事ではありません。

知りたいこと この記事の答え
新高値ブレイク投資法とは 高値を更新した銘柄を買い、さらに高値で売る順張り。DUKE。氏の本(2016年)で広まった。勝率は低くても、大きく勝つ1回で取り返す設計(1章)
実際に勝てるか 私はAIを使って半年やり、プラスにはなったが指数に負けた(2章)
なぜ指数に負けるのか 勝率の低い手法で、半年では大勝ちを引けるとは限らない。指数が強い時期は、選ばなくても全体が上がる(3章)
選ぶ手間を運用会社に任せたら モメンタムファンドの米国版と日本株版を約4か月持ち、−12.6%と−24.3%。同じ日に同じ金額を指数に入れた場合は−2.8%と−0.9%で、指数に大きく負けた(4章)
スクリーニング方法 株探・Yahoo!ファイナンス・日経・四季報オンライン・TradingViewの新高値の一覧は無料で見られる。そこに業績や地合いの条件を重ねる(5章)
それでもやるなら 同じ期間・同じ元本で、1倍の指数とレバレッジ型の指数と並べて記録する(6章)

1. 新高値ブレイク投資法とは|「高く買って、さらに高く売る」

新高値ブレイク投資法は、株価が過去の高値を上に抜けた(ブレイクした)銘柄を買い、さらに上がったところで売る手法です。安くなった株を買う逆張りとは反対の、順張りの手法です。

日本で広めたのは、個人投資家のDUKE。氏の本『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社、2016年7月)です。出版社の紹介では、中心にあるのは「株は新高値で買え」という考え方で、米国の投資家ウィリアム・オニールの投資法がもとになっています。毎日30分ほどの作業でできる、勝率が低くても利益が出る仕組み、チャートと企業の大きな変化(ビッグチェンジ)に目を向ける、といった特徴が挙げられています。

本の題名にある「1勝4敗」が、この手法の考え方を表しています。5回買って4回は小さく損切りしても、1回の大きな上昇で4回分の損を上回れば利益が残る。勝率ではなく、勝ったときと負けたときの幅の差で稼ぐ設計です。いつも1勝4敗になる、という意味ではありません。

新高値にも種類があります。どの高値を抜けたかで、上に残っている「売りたい人」の量が変わります。

新高値の種類 いつからの高値か
上場来高値 上場してから一度もつけたことのない高値。上で買って含み損を抱えている人がいない
年初来高値 その年の初めからの高値。日本の株価欄では、1〜3月は前の年の初めからの高値を「昨年来高値」と呼ぶ
52週高値 過去52週(約1年)の高値。暦の区切りに左右されない。米国株でよく使われる
10年来高値など 一定の年数の中での高値。会社四季報オンラインなどで一覧になっている

高値を抜けたものを買う順張りは、個人投資家のcis氏の「上がっているものを買い、下がったら売る」と同じ向きの考え方です。日経平均26年で「高値の更新で買い、下がったら売る」ルールを確かめると、下げ相場には強く、上げ相場では持ち続けた場合に負けました。その検証はcis氏の手法に書いています。

2. 私がやったこと|AIで半年、プラスにはなったが指数に負けた

私は、日本株と米国株について、AIに銘柄を選ばせるための指示(プロンプト)を何度も作り直しながら、半年ほど個別株を売買しました。AIに組み込んだのは、次のような条件です。

AIに見させた条件 中身
新高値 52週高値を更新しているか
形 値動きの幅が段階的に縮んでいく保ち合い(VCP)から抜けたか
地合い 相場全体が上向きか。悪いときは新しく買わない
業種 いま資金が入っている業種か(業種別のETFで見る)
保有中の監視 証券会社の保有一覧のCSVをAIに読ませて、売る条件に触れていないかを見る

結果は、プラスでした。勝てる手法ではあります。ただ、同じ期間の指数には勝てませんでした。毎日の銘柄選びと、保有中の監視に手間をかけて、何もしない指数に負けるなら、やる理由がありません。私は個別株をやめて、いまは投資信託とETFだけを持っています。

その投資信託とETFには、指数にレバレッジをかけた商品が入っています。日経225は4.3倍、ナスダック100は2〜3倍の商品です。2026年9月時点の管理画面では、入れた元本に対して、日経225の商品が+120%、ナスダック100の商品が+30%と表示されています。

これだけを見ると「指数にレバレッジをかけたほうが儲かる」になりますが、同じ口座で、KOSPI(韓国の株価指数)の2倍は−40%、SOXL(米国の半導体株の3倍)は−36%でした。指数が強かった時期にレバレッジをかけていたから大きく増えたのであって、逆の時期には同じ倍率で減ります。私が「指数にレバレッジのほうが儲かる」と言うのは、この両方を見たうえでの話です。ただ、レバレッジ型と個別株ではリスクの大きさがまったく違うので、この数字を並べて手法の優劣は言えません。私の判断は、手法の良し悪しではなく、半年で手間に対して何が残ったかです。レバレッジ型の持ち方は、レバレッジETFの長期保有は悪かとレバナスで含み損に書いています。

3. なぜ指数に負けるのか|考えられる3つの理由

私の半年の結果から、手法そのものが悪いとは言えません。指数に負けた理由として考えられるのは、次の3つです。

理由 中身
半年は短い 「1勝4敗」の手法は、大きく勝つ1回を引くまで損切りが続く。半年で、その1回を十分な大きさで引けるとは限らない
指数が強い時期は、選ばなくても上がる 相場全体が上がる時期は、指数をそのまま持つだけで増える。選ぶ手間をかけても、指数との差が付きにくい
損切りのたびに差が開く 小さな損切りをくり返すあいだも、指数は持ったまま増えていく。途中で降りない指数と比べると、出入りのたびに差がつく

2つ目と3つ目は、上がる相場での話です。下げる相場では逆に、損切りで早めに降りられることが、指数を持ち続けるより有利に働く場面もありえます。1つ目は、期間を延ばせば変わる可能性があります。どちらにしても、個別株の成績は「プラスかどうか」ではなく、「同じ期間の指数より多いかどうか」で見ないと、効率の良し悪しは分かりません。

4. 運用会社のモメンタムファンドでも試した|選ぶ手間はなくなったが、指数に大きく負けた

新高値ブレイクに近いことは、投資信託でもできます。株価の勢い(モメンタム)で銘柄を選ぶファンドなら、スクリーニングは運用会社が機械的にやってくれるので、私の手間はかかりません。そう考えて、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「SMT 米国株式モメンタムファンド」と「SMT 日本株式モメンタムファンド」(愛称はトレンドランキング・米国株/日本株)を買いました。モメンタムは新高値ブレイクと同じ手法ではありませんが、上がっている銘柄を買うという順張りの考え方は共通です。

公式ページの説明では、仕組みは次のとおりです。

項目 中身
銘柄の選び方 過去6か月・12か月・36か月の株価の勢いで、それぞれ上位7銘柄を選ぶ。銘柄が重なったときは、短い期間のほうに入れ、長い期間のほうは次点の銘柄を入れる
持つ銘柄の数 合計21銘柄を、同じ金額ずつ持つ
入れ替え 年4回(2月・5月・8月・11月)

証券会社の約定履歴から、私の結果を並べます。

米国版 日本株版
買った期間 2026年5月13日〜6月18日 2026年5月12日〜6月17日
買い方 1日1,000円ずつ27回、合計27,000円 1日1,000円ずつ27回、合計27,000円
売った日 2026年9月18日 2026年9月17日
受け取った金額 23,587円 20,435円
損益 −3,413円(−12.6%) −6,565円(−24.3%)
同じ日に同じ金額を指数に入れていたら(概算) ナスダック100(円換算)で−2.8% 日経225で−0.9%
選ぶ元の銘柄に近い指数だと(概算) S&P 500(円換算)で+0.1% TOPIX(TOPIX連動のETF「1306」の値段で代用)で+3.2%

表の最後の行は、私が買った日と同じ日に同じ金額を指数に入れ、売った日の値で評価した概算です。日経225はその日の終値、ナスダック100は前日の米国の終値にその日のドル円をかけて円に直しました(データはYahoo! Financeの日々の終値)。配当と信託報酬は入れていません。

ナスダック100と日経225は、私が代わりに持つつもりだった指数で、比べたいのは「代わりに指数を持っていたらどうだったか」です。モメンタムという要素の効果だけを測るなら、ファンドが銘柄を選ぶ元に近い指数と比べる必要があります。米国版の公式の参考指数はS&P 500です。そちらと比べても、米国版は約13ポイント、日本株版はTOPIXより約28ポイント下でした。

同じ期間、ナスダック100と日経225もわずかにマイナスでしたが、モメンタムファンドは米国版で約10ポイント、日本株版で約23ポイント、指数を下回りました。選ぶ手間は消えましたが、結果は、自分で個別株を選んだときより、はっきり指数に負けました。

私の見立ては、思想は良くても、指数全体の調子が悪いときは、モメンタムは調子を崩すことがある、です。この期間の日経225は、6月22日の72,353円から7月29日の61,434円まで15.1%下げ、9月17日は64,136円でした。私が買い終えた6月17日(69,902円)から売った日までで見ると、8.3%の下げです。研究でも、モメンタム戦略の大きな負けは、相場が下げたあと、値動きが荒い「パニック」の局面で、相場が戻るときに起きやすいと報告されています(ダニエルとモスコウィッツの論文「Momentum Crashes」)。ただし、この論文が扱うのは、上がった銘柄を買い、下がった銘柄を売る(空売りする)戦略です。このファンドのように買うだけの運用と、同じ形で当てはまるとはかぎりません。この期間も、7月末に下げたあと、8月に大きく戻す動きがありました(日経225は7月29日の61,434円から8月14日の68,713円まで)。

ただし、これは約4か月、1回だけの結果です。同じ論文は、モメンタム戦略は多くの資産で平均としては強いプラスを出す一方、まれに負けが続く時期があるとしています。私の結果から言えるのは「この期間は指数に大きく負けた」までで、モメンタムという考え方そのものが悪いとまでは言えません。

それでも、私には効率が悪く見えたので、この2本を損切りしました。これなら、新しく設定されるナスダック100の3倍の投資信託に入れたほうがよいと考えたからです。これはモメンタムの良し悪しとは別の判断で、負い方の違うリスクに乗りかえただけです。レバレッジは逆にも同じ倍率で効きます(2章)。しかも、毎日3倍を目指す商品は、上げ下げをくり返す相場では、指数が元の値に戻っても目減りします(逓減)。値動きが荒い相場に弱いのは、3倍の商品も同じです。こちらも、うまくいく保証はありません。レバレッジ型の商品を私がどう持つか(下がった位置を確かめてから分割で入る、数年単位で持つ、なくなっても困らないお金だけで入る)は、レバレッジETFの長期保有は悪かに書いています。

5. スクリーニングの方法|新高値の銘柄を無料で探す

新高値の銘柄の一覧は、次のページで無料で見られます(2026年9月27日確認)。

ページ 見られるもの
株探「本日、年初来高値を更新した銘柄」 日本株の年初来高値の更新銘柄
株探「本日、52週高値を更新した銘柄」 日本株の52週高値の更新銘柄
株探(米国株)「本日52週高値を更新した銘柄」 米国株の52週高値の更新銘柄
Yahoo!ファイナンス「日本株ランキング(年初来高値更新)」 市場別の年初来高値の更新銘柄
日本経済新聞「日本株 年初来高値更新銘柄一覧」 年初来高値の更新銘柄
会社四季報オンライン「[高値]新値更新銘柄(10年来)」 10年来の高値を更新した銘柄
TradingView「上場来高値の日本株」 上場来高値の日本株

一覧に出てくる銘柄は、毎日たくさんあります。ここから絞る条件として、DUKE。氏の本は、チャートに加えて企業の大きな変化に目を向けることを挙げています。私がAIに組み込んだのは、2章の表の、形(VCP)、地合い、業種の3つでした。

一覧を見るだけならAIは要りません。私がAIを使ったのは、毎日の絞り込みと保有中の監視の手間を減らすためです。ただ、その手間を減らしても、結果は指数に届きませんでした。

6. それでもやるなら|指数と並べて記録する

新高値ブレイクを試すなら、最初から指数と並べて記録してください。私が指数に負けたと分かったのは、比べる相手を決めていたからです。

記録すること 中身
始めた日と元本 個別株に入れた元本と、始めた日
比べる相手 同じ日に同じ元本で、1倍の指数(日本株なら日経225やTOPIX、米国株ならS&P500など)を買っていたらどうなったか
もう一つの比べる相手 レバレッジをかけた指数ならどうなったか。ただし、増えた分だけでなく、途中で一番減った時の幅も並べる
かけた時間 銘柄選びと監視に使った時間。指数を持つだけなら、ほぼゼロ
判定 決めた期間が終わった時点で、指数より多いか。多くなければ、手間の分だけ損をしている

自分で売買のルールを作って検証したい人は、株の自動売買をPythonで自作するに、検証の手順を書いています。

株主優待を目当てに個別株を買うときも、優待がなくなったときと株価が下がったときを先に数字で確かめます。その確かめ方は、買ってはいけない株主優待の記事にまとめました。

7. よくある質問

新高値ブレイク投資法は、失敗しましたか?

失敗ではありません。私の半年はプラスでした。ただ、同じ期間の指数に負けたので、手間に見合わないと判断してやめました。

新高値ブレイク投資のデメリットは何ですか?

高値で買うので、買った直後に戻されること(だまし)があり、決算などで個別の銘柄が急に下げることもあります。勝率が低い前提の手法なので、損切りが続く時期に耐える必要があります。とくに、上にも下にも抜けない相場では、高値を抜けては戻されて、小さな損切りが続きやすくなります。毎日の銘柄選びと監視の手間もかかります。そして、手間をかけても指数に負けることがあります。私はそうでした。

新高値ブレイク投資の勝率は?

DUKE。氏の本の題名は「1勝4敗でもしっかり儲ける」です。勝率が低くても利益が残る設計を表した題名で、いつもその勝敗になるという意味ではありません。この手法の良し悪しは勝率だけでは決まらず、勝ったときの平均の利益と、負けたときの平均の損の比で決まります(考え方はリスクリワードとはに書いています)。私の半年の勝率は、この記事では出していません。

米国株でも使えますか?

使えます。私も日本株と米国株の両方でAIに条件を組ませました。米国株は52週高値の一覧が株探の米国株のページなどで見られます。

モメンタムファンドなら、手間なく勝てますか?

私の約4か月では勝てませんでした。米国版は−12.6%、日本株版は−24.3%で、同じ日に同じ金額を指数に入れた場合(−2.8%、−0.9%)を大きく下回りました(4章)。

AIに任せれば勝てますか?

私の半年では、AIを使ってもプラスどまりで、指数には勝てませんでした。AIが減らしてくれるのは手間で、相場全体の上昇に勝つことまでは約束しません。

8. まとめ

  • 新高値ブレイク投資法は、高値を抜けた銘柄を買ってさらに高値で売る順張り。DUKE。氏の本(2016年)は「1勝4敗でも儲ける」設計
  • 私はAIに52週高値・VCP・地合い・業種の条件を組ませ、日本株と米国株で半年やった。プラスにはなったが、指数に負けた
  • 手間をかけて指数に負けるなら、効率が悪い。いまは投資信託とETFだけ
  • 選ぶ手間を運用会社に任せるモメンタムファンドも、約4か月で米国版−12.6%、日本株版−24.3%。同じ日に指数に入れた場合(−2.8%、−0.9%)に大きく負けて、損切りした
  • 同じ時期に増えたのは、指数にレバレッジをかけた商品(日経225の4.3倍が元本比+120%、ナスダック100の2〜3倍が+30%)。ただし同じ口座でKOSPIの2倍は−40%、SOXLは−36%。レバレッジは逆にも効く
  • 新高値の一覧は、株探・Yahoo!ファイナンス・日経・四季報オンライン・TradingViewで無料で見られる
  • やるなら、最初から同じ期間・同じ元本の指数と並べて記録する

9. 出典

いずれも2026年9月27日に確認しました。

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11. この記事について

項目 中身
書いた人 中古品の売買を20年近く続けています(古物商許可あり)。株はサブプライムショックの直後から積立を続け、FXの自動売買やAIでの個別株も試してきました
私がやったこと AIに新高値・VCP・地合い・業種の条件を組ませ、日本株と米国株の個別株を半年売買しました。プラスにはなりましたが、指数に負けたのでやめ、いまは投資信託とETFだけです。2026年5〜6月にSMTの米国株式・日本株式モメンタムファンドを1日1,000円ずつ買い、9月に損切りしました(約定履歴で確認)
書いていないこと 半年間の個別株の損益額と勝率は、この記事では出していません。レバレッジ型の数字は、2026年9月時点の管理画面に表示された、元本に対する評価額の増減です
注意 私は投資助言者ではありません。この記事は私の経験の説明で、特定の銘柄や商品の売買をすすめるものではありません。レバレッジ型の商品は、指数が下がると同じ倍率で減ります

 

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