せどりアプリおすすめの前に|月商いくらから成立するか計算しました

せどり

「せどりアプリ おすすめ」で検索すると、15個並べた記事がずらりと出てきます。

この記事は、その前に置くべき計算をします。

店舗せどりで推奨されるツール一式は、月額約21,474円。年間約257,688円です。
そして利益率20%なら、月商10.7万円を下回った時点で、ツール代が粗利を超えます。

働くほど赤字になるということです。そして売上がゼロの月も、同じ金額が出ていきます。

だから最初に決めるべきは「どのアプリが良いか」ではありません。「自分の月商で、そのツール構成は成立するか」です。

先に立場を書いておくと、私はこのツール構成で月利50万円まで到達し、そして降りました。理由は6章と7章に書きます。

※料金は2026年8月時点で確認したものです。変動しますので、契約前に必ず公式でご確認ください。

1. ツールは固定費です

1-1. 月額の内訳

店舗せどりでよく推奨される構成の月額は、おおむね以下です。

項目 月額(目安)
Keepa(リサーチ) 約5,300円
プライスター(価格改定・出品) 約5,280円
Amazon大口出品 約5,390円
せどりすとプレミアム(店舗リサーチ) 約5,500円
合計 約21,474円
年間 約257,688円

これに加えて、店舗せどりなら交通費とガソリン代、電脳せどりなら通信費がかかります。

1-2. 月商別に、ツール代が粗利の何%を食うか

利益率を仮に20%として計算します。

月商 粗利(20%) ツール代 手残り 粗利に占める比率
10万円 20,000円 21,474円 −1,474円 107%
20万円 40,000円 21,474円 18,526円 54%
30万円 60,000円 21,474円 38,526円 36%
50万円 100,000円 21,474円 78,526円 21%
100万円 200,000円 21,474円 178,526円 11%
300万円 600,000円 21,474円 578,526円 4%

月商10万円では、ツール代が粗利を超えます。働くほど赤字です。

1-3. 損益分岐月商

利益率 ツール代と粗利が同額になる月商
15% 143,160円
20% 107,370円
25% 85,896円
30% 71,580円

これは「ツール代を払って手残りゼロ」の地点です。ここを超えて初めて、あなたの労働に対価がつき始めます。

1-4. そして、稼げなかった月も出ていきます

不調期間 出ていく金額
1ヶ月 21,474円
3ヶ月 64,422円
6ヶ月 128,844円
12ヶ月 257,688円

ここが最も重要な点です。

Amazonせどりは、稼げなくても維持費が発生するビジネスです。

仕入れをやめれば仕入れ費用はゼロになります。しかしツール代は、契約している限り毎月引き落とされます。売上に連動しない費用があるビジネスは、動きが止まった瞬間に赤字が始まります。

2. 2026年に、この構造がさらに厳しくなりました

ツール代が上がっている背景には、Amazon側の制度変更があります。

2026年1月31日より、Amazonはサードパーティー開発者に対して新料金が発生することを発表しました。サードパーティー開発者とは、他出品者のセラーアカウントのためにツールを提供している業者を指します。Keepaやプライスター、マカドなどの運営会社が該当します。どのプランでも年会費1,400ドルがかかり、プランに応じて月額料金が上乗せされる体系です。

結果として、値上げが実際に起きています。Keepaはこれまで月額19ユーロでしたが、2026年3月以降は29ユーロに改定されました。

これはツール運営側がコストを利用者へ転嫁している構造です。そして、この方向は今後も続く可能性があります。

つまりあなたのビジネスの固定費が、あなたの意思とは無関係に上がっていくということです。1-4の表の数字は、来年もこのままとは限りません。

3. ツールが効く「変数」は、プロセスごとに違います

ここから、どのツールをいつ入れるべきかの話をします。

多くの記事が「初心者はKeepaから、次にプライスター」と書いていますが、根拠は書かれていません。根拠は計算できます。

3-1. ツールごとに、スケールする変数が違う

ツール種別 効果が比例する変数 導入が成立する時期
リサーチ リサーチ点数(仕入れ点数の10倍前後) 最も早い
出品 仕入れ点数 中間
価格改定 在庫点数 × 日数 遅い
在庫管理 在庫点数 最も遅い

リサーチツールが最初に必要な理由は、これです。仕入れ率が10%なら、10点仕入れるのに100点スキャンしています。リサーチツールは仕入れ点数の10倍の頻度で効くので、最も早く元が取れます。

3-2. 価格改定ツールは、在庫点数で決まります

「価格改定を自動化すれば月30時間浮く」という説明をよく見ますが、これは在庫が300点を超えている人の話です。

1点あたり1日10秒の価格確認をすると仮定して計算します。

在庫点数 1日あたり 月間
10点 1.7分 0.8時間
50点 8.3分 4.2時間
100点 16.7分 8.3時間
200点 33.3分 16.7時間
300点 50.0分 25.0時間

在庫10点の人が価格改定ツールを入れても、浮くのは月48分です。月額5,280円を払う対象ではありません。

3-3. 導入が成立する在庫点数

浮いた時間の価値は、その時間で稼げる金額が上限です。つまりあなたの仕入れ時給で決まります。

仕入れ時給 価格改定ツールが成立する在庫点数
500円 127点以上
1,000円 63点以上
1,500円 42点以上
2,000円 32点以上
3,000円 21点以上

仕入れ時給とは、1時間あたりの仕入れ点数 × 1点あたり利益です。1時間で1点しか仕入れられず、1点の利益が500円なら、仕入れ時給は500円。この場合、在庫が127点を超えるまで価格改定ツールは元が取れません。

そして時間が浮いても、その時間で回せる商品がなければ価値はゼロです。仕入れ力がない状態でツールを入れると、浮いた時間が空白になるだけです。

4. だから、導入順序はこうなります

段階 状態 入れるもの
月商10万円未満 無料ツールのみ。有料は損益分岐を割ります
月商10〜20万円 リサーチの有料化を検討(Keepa)
在庫が40〜130点を超えた 価格改定ツール(仕入れ時給による)
月商50万円以上 在庫管理・アカウント保護を追加

無料で始める場合の最小構成は、以下です。

  • Keepa無料版:価格推移の把握。詳細データは見えませんが、「まったく売れていない商品」を避けるには足ります
  • Amazon Seller:出品可否の確認と売上管理。公式アプリなので追加費用なし
  • スプレッドシート:仕入れ値と売値と日数の記録

3つ目が最も重要です。記録がないと、1-2の表のどこに自分がいるのか判定できません。そして判定できなければ、ツールを入れるべきかも決められません。

5. どのツールを選ぶかは、その後の問題です

1〜4の判定を通過した人向けに、選択肢を整理します。

5-1. リサーチ

  • Keepa:価格・ランキング・出品者数の推移。有料版が事実上の標準です。2026年3月以降は月額29ユーロ
  • Amacode / せどろいど:スマホでのバーコードリサーチ。無料版あり
  • ERESA / モノトレーサー:推定販売個数を直接表示。ランキング変動から推測するより判断が速い

5-2. 価格改定・出品

プライスター(月額5,280円)とマカド(月額4,980円)が主要な選択肢です。価格差は300円程度なので、料金で選ぶ意味はありません。

3-2の計算に戻れば、判断基準は明確です。在庫点数が分岐点を超えているかどうか。超えていないなら、どちらを選んでも同じく損をします。

5-3. アカウント保護

セラースケットのように、真贋調査や知的財産権のリスクを事前に判定するツールがあります。

これは利益を増やすツールではなく、事業を失わないためのコストです。月商が大きくなるほど、アカウント停止の損失額が跳ね上がります。だから④の段階に置いています。

6. 【一次情報】私はこの構成で月利50万円まで行きました

私が使っていたのは、せどりすとプレミアムとKDC200i(バーコードスキャナー)の組み合わせです。店舗せどりで、月利50万円まで問題なく到達しました。

その後、指導・コンサルにシフトしました。

ただし、正直に書いておきます。これは当時の市況で成立した数字です。

当時は市場にまだ歪みが残っていました。同じことを今からやって同じ数字が出せるかというと、資本があれば出るとは思いますが、時間もかかり、効率も悪いというのが私の見立てです。

「誰でも月利50万」ではありません。歪みが残っていた時期に、その歪みを取りに行ったという話です。

7. 【一次情報】そして、私は降りました

理由は3つあります。

7-1. 移動効率が、住む場所で非対称に変わる

これはあまり語られない論点です。

東京から神奈川や千葉へ向かう朝は、渋滞に巻き込まれません。逆方向は巻き込まれます。つまり神奈川や千葉に住んでいると、朝の店舗巡回で移動効率が大きく落ちます。

私は東京から引っ越したことで、この非対称性を実感しました。家賃を下げるために郊外へ移ると、店舗せどりの移動効率は落ちるという構造です。

同じ時間を使うなら、在庫を持たないビジネスの方が良いと考えるようになりました。

7-2. 出品規制解除という初期コスト

Amazonの規制が厳しくなり、新規で参入すると出品規制解除から始めなければならなくなりました。

これは売上が立つ前の作業です。つまり収益ゼロの期間に、時間と手間だけが先に出ていきます。そしてその間も、1-4の表のツール代は発生し続けます。

7-3. 初期投資に対して、維持費が大きすぎる

これが決定打でした。

1章で計算した通り、ツール代とAPI費用は売上に連動しません。調子が良い月も悪い月も同じ額が出ていきます。

初期投資が大きく、その上で維持費も大きい。この2つが重なる構造に、参入する合理性を見いだせなくなりました。

これは「Amazonせどりが悪い」という話ではありません。私にとって計算が合わなくなったという話です。あなたの計算がどうなるかは、1〜3章の式に自分の数字を入れて出してください。

8. 今から新規参入を検討している方へ

判断材料を整理します。

8-1. 参入する前に確認すること

  • 月商10.7万円(利益率20%の場合)に、何ヶ月で到達できる見込みがあるか
  • そこに到達するまでのツール代を、何ヶ月ぶん払えるか
  • 出品規制解除にかかる時間を、収益ゼロ期間として許容できるか
  • 店舗せどりなら、自分の住所からの移動効率(7-1)

8-2. 段階を踏む

いきなり月額21,474円の構成を組まないでください。

4章の順序で、無料構成で月商10万円を超えてから有料ツールを検討する。これなら、最悪でも損失は時間だけで済みます。

8-3. 記録を取る

最も重要なのはこれです。

仕入れ日、仕入れ値、売れた日、売値。この4つを記録してください。ここから仕入れ時給と在庫回転日数が出ます。そして3-3の判定ができるようになります。

記録がなければ、ツールを入れるべきかどうかを永久に判定できません。感覚で入れて、感覚で払い続けることになります。

9. まとめ

  • 店舗せどりのツール一式は月額約21,474円、年間約257,688円
  • 利益率20%なら月商10.7万円が損益分岐。それ以下では、ツール代が粗利を超えます。
  • そして稼げなくても出ていきます。1年不調なら257,688円。
  • 2026年のSP-API有料化により、この固定費は自分の意思と無関係に上がります。
  • ツールが効く変数はプロセスごとに違います。リサーチは早く、価格改定は在庫42〜127点から。
  • 浮いた時間の価値は仕入れ時給が上限です。仕入れ力がなければ、時間が浮いても空白になるだけ。
  • だから最初にやるのは、アプリを選ぶことではなく記録を取ることです。

「せどりアプリ おすすめ」で検索している方の多くは、まだ①か②の段階にいると思います。その段階で必要なのは、有料ツールではありません。

【そのあとの話】

もうひとつ書いておきたいことがあります。

私は長い間、会社を辞めたいという人に向けてせどりを教えてきました。実際に成果は出ました。ただ、ずっと引っかかっていたことがあります。

その先の行き先がない。

せどりで月30万、50万と稼げるようになったとして、その次に何になるのか。仕入れをやめれば収入は止まり、ツール代だけが残ります。積み上がっているのは在庫であって、資産ではありません。

私自身は在庫を持たないビジネスへ移りましたが、それを真似できるとは思っていません。実際、真似をした人はたくさん出ましたが、多くは消えていきました。発信力や戦略が要るからです。

だから私が今やっているのは、発信力がなくても勝ちやすい形を探すことです。技術が参入障壁になり、単価が高く、在庫を持たなくても成立する。修理と買取が、私にとってその答えでした。

これが正解だと言うつもりはありません。ただ、「稼げるようになった、その次」を先に考えておくことは、参入する前にやっておいて損はないと思います。

よくある質問

せどりアプリは月額いくらかかりますか?

店舗せどりで推奨される構成では、Keepa約5,300円、プライスター約5,280円、Amazon大口出品約5,390円、せどりすとプレミアム約5,500円で、合計約21,474円です。年間では約257,688円になります。2026年8月時点の金額であり、変動しますので契約前に公式でご確認ください。

月商いくらからツールを入れるべきですか?

利益率20%の場合、月商10.7万円が損益分岐です。これを下回るとツール代が粗利を超えます。月商10万円なら粗利20,000円に対してツール代21,474円で、手残りはマイナス1,474円です。まず無料構成で月商10万円を超えてから、有料ツールを検討してください。

価格改定ツールはいつ入れるべきですか?

在庫点数で決まります。1点あたり1日10秒の価格確認と仮定すると、在庫10点なら削減できるのは月48分にすぎません。浮いた時間の価値は仕入れ時給が上限なので、仕入れ時給1,000円なら在庫63点以上、500円なら127点以上で初めて元が取れます。

なぜツール代が上がっているのですか?

2026年1月31日より、Amazonがサードパーティー開発者に対して新料金を発表したためです。Keepaやプライスターなどの運営会社が対象で、年会費に加えプランに応じた月額が発生します。実際にKeepaは月額19ユーロから2026年3月以降29ユーロに改定されました。ツール運営側がコストを利用者へ転嫁している構造です。

無料で始められますか?

始められます。Keepa無料版、Amazon Seller(公式アプリ)、スプレッドシートの3つで最小構成が組めます。特に重要なのは3つ目で、仕入れ日・仕入れ値・売れた日・売値を記録してください。この記録がないと、有料ツールを入れるべきかどうかを判定できません。

今からAmazonせどりに参入する価値はありますか?

ご自身の数字で計算してください。確認すべきは、月商10.7万円に何ヶ月で到達できるか、そこまでのツール代を何ヶ月ぶん払えるか、出品規制解除の期間を収益ゼロ期間として許容できるか、の3点です。筆者は月利50万円まで到達した後に降りましたが、それは初期投資に対して維持費が大きすぎると判断したためです。

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