「ヤフオク 吊り上げ ID 一覧」——この記事に最も多く来ているのが、この検索です。
先に答えます。Yahoo! JAPAN IDの一覧は、もう作れません。ただし、同じIDを追うことはできます。
吊り上げ犯のIDをまとめた一覧が、どこかにあるはずだ。そう思って探されたのだと思います。ですが2023年から2024年にかけて、ヤフオクはYahoo! JAPAN IDの表示をやめました。いま入札履歴に出るのは「abc********」のような、先頭3文字だけの表示名です。ID検索の機能そのものも廃止されています。
Yahoo! JAPAN IDが読めない以上、そのIDの一覧は作りようがありません。もし「吊り上げIDリスト」を掲げているページがあれば、それは2023年より前の情報か、根拠のないものです。
その代わり、出品リストのURLには、IDごとに決まった英数字の文字列が入っています。この文字列を控えれば、怪しいと思った入札者や出品者を自分で一覧にできます。さらに、その文字列を無料の相場サイト「オークフリー」の出品者ID検索に入れると、その人が出品者として何をいくらで売ってきたかが読めます(2025年3月以降の落札。私が13人の出品者で試した範囲)。私は無在庫転売とせどりをやっていたころ、この方法でライバルの出品者を追っていました。
この記事は以前、「吊り上げを99%見破る7つのチェックリスト」を載せていました。今回、その7項目を公式仕様で1つずつ検証しました。
3つが、完全に機能しなくなっていました。そして生き残った4つも、前提が変わっていました。
この記事は、その検証結果です。使えなくなった手法を1つずつ供養して、いま実際に効く方法だけを残します。あわせて、以前この記事に書いていた事実誤認を訂正します。規約の条項番号、通報フォームの選択肢、申告制度の対象者、キャンセル時の評価——いずれも、いま読むと誤りでした。
1. 結論:7つのうち3つは、もう使えません
| # | 従来の手法 | 2026年8月 |
|---|---|---|
| ① | 入札者の評価が「新規」「一桁」かを見る | 使える(ただし入札履歴はログインが必要になりました) |
| ② | 不審なIDをクリックして、他に何に入札しているかを見る | 不可能。公式にそんな機能が存在しません |
| ③ | そのIDの落札履歴の一貫性を見る | 不可能(落札の側)。落札商品名は非公開です。出品の側はオークフリーで読めます |
| ④ | 出品者の「その他のオークション」を見る | 使える |
| ⑤ | 出品者の評価コメントを読む | 使える(悪い評価だけの絞り込みも可能) |
| ⑥ | 質問欄で「〇〇というIDの方は」とカマをかける | 実質不可能。名指しすべきIDが取れません |
| ⑦ | 終了直前の入札取り消しを監視する | 使える(しかも通知が届きます) |
そして、もっと重要なことがあります。吊り上げの利得が最大になるのは「繰り上げ落札」の場面ですが、そこには公式の拒否ボタンが用意されています。拒否しても評価は付きません。第5章で扱います。
見分けることに労力を使うより、そもそも取られない設計にするほうが、はるかに確実です。
2. なぜ「ID一覧」が作れなくなったのか
2-1. IDが「表示名」に置き換わりました
公式のお知らせから引きます。
※表示名が未設定の場合は、Yahoo! JAPAN IDの先頭3文字が表示されます。例)abc********
そして、1つのIDにつき表示名は1つとされています。表示名は任意の文字列なので、同じ人が別のIDで別の表示名を名乗っていても、外からは判別できません。
2-2. ID検索が廃止されました
同じお知らせに、決定的な一文があります。
検索機能/条件指定検索とストア名検索でYahoo! JAPAN ID検索を廃止
そして別のお知らせでは、こう書かれています。
Yahoo! JAPAN IDからの確認はできませんのでご了承ください。
2-3. URLからはYahoo! JAPAN IDが読めない。ただし、IDごとの文字列が入っている
実際にページを取得して確認しました。ユーザーページのURLは、次のような不可逆な内部トークンに変わっています。
出品リスト:https://auctions.yahoo.co.jp/seller/(英数字29文字)
評価一覧 :https://auctions.yahoo.co.jp/jp/show/rating?auc_user_id=(同じ文字列)
かつて auc_user_id= の後ろには、Yahoo! JAPAN IDがそのまま入っていました。いまはURLを見てもIDが分かりません。
ただし、この文字列はIDごとに決まっていて、同じ人の出品リストと評価一覧で同じです。オークファンのヘルプは、2025年6月末にヤフオク側でYahoo! JAPAN IDが廃止されて「お客様ID」に移ったと説明し、この形の文字列(21〜29文字)をそう呼んでいます。私の出品者の文字列では、オークフリーの落札の記録が2025年3月から今まで1本につながっていました。
2-4. Yahoo! JAPAN IDの一覧は作れないが、文字列で同じIDは追える
整理します。Yahoo! JAPAN IDは先頭3文字しか出ない。Yahoo! JAPAN IDでの検索は廃止された。URLからも読めない。この3つが揃った時点で、ネットで配られるような「吊り上げ犯のYahoo! JAPAN IDリスト」は成立しなくなりました。
一方で、URLの文字列はIDごとに決まっています。怪しいと思った相手の文字列を自分で控えておけば、自分用の一覧は作れます。次に同じ出品者の商品や同じ入札者を見かけたとき、出品リストのURLと照らし合わせれば、同じIDかどうかが分かります。その文字列で出品リストや評価を開く方法と、オークフリーでの調べ方はヤフオクのID検索にまとめています。
もう1つ、あまり知られていない変化もあります。2025年3月4日以降、入札には携帯電話番号設定(または本人確認手続き)とSMS認証などが必須になりました。公式のお知らせによれば、携帯電話番号1つにつき登録できるYahoo! JAPAN IDは1つのみです。
捨てアカウントを量産して吊り上げるコストは、以前よりはっきり上がっています。
[LP]
3. 死んだ手法3つ
1つずつ、なぜ使えなくなったのかを書きます。以前この記事に書いていた内容の訂正でもあります。
3-1. ②「不審なIDの入札一覧を見る」──そもそも存在しない機能でした
これは訂正の中でもいちばん大きいものです。以前この記事には、こう書いていました。
入札履歴ページで、疑わしいIDをクリックすると、そのIDが「現在、何のオークションに入札しているか」の一覧(入札履歴)を確認できます。
確認できません。公式のお知らせが明記している、表示名をクリックしたときの遷移先は、入札一覧ではなく出品リストです。
オークションの一覧や、商品ぺージなどで見たいユーザーのYahoo! JAPAN ID(表示名)をクリックすると、出品リストのページ上部に表示される「ブラックリストに追加する」から登録できるようになります。
実際に出品リストのページを取得して確認しましたが、入札に関する導線は1つもありません(あるのはフォロー、評価、本人確認済の表示、ブラックリスト登録、出品中の商品一覧だけです)。
そして公式ヘルプの「入札中のオークションを確認する」は、こう書かれています。
入札したYahoo! JAPAN IDでログインして、マイ・オークションの[入札中]を表示します
本人しか見られません。つまりこの手法は「仕様変更で使えなくなった」のではなく、他人の入札一覧を見る機能が、公式にはそもそも用意されていないということです。探し方を工夫しても出てきません。
3-2. ③「落札履歴の一貫性を見る」──画面に「公開されません」と書かれています
以前の記述はこうでした。
もし落札履歴がある場合、その商品カテゴリに一貫性があるかを見ます。自動車部品、女性用化粧品、アニメのフィギュアなど、全く関連性のない商品を無差別に落札している場合……
実際に他人の評価ページを開いて確認しました。「落札での評価」タブでは、商品名の欄が全件こう表示されます。
(落札した商品名は公開されません)
ページ内の注記も明確です。
あなたが落札した商品名はあなたと出品者にだけ表示されます。ほかの利用者には表示されません。
UIレベルで完全に封じられています。なお出品側の評価では商品名が見えるので、出品者の傾向は今も読めます。読めなくなったのは落札側だけです。
出品側は、外からも読めます。その人が出品もしているなら、URLの文字列をオークフリーの出品者ID検索に入れると、出品者として落札された商品と価格が並びます(2025年3月以降)。何を落札したかは今も見えませんが、何を売っているかは見えます。
3-3. ③のもう一方「キャンセル歴を読む」も、同じく不可能です
以前の記述です。
評価の中に「落札者都合によるキャンセル」で「非常に悪い」評価が多数含まれていないかを確認します。
公式ヘルプ「落札者を削除するには」に、こう書かれています。
「出品者都合」または「落札者都合」を選択します。どちらを選択したかは、落札者にも通知されます。理由は正しく選択してください。また、どちらを選択しても、評価には反映されません。
引用は落札者を削除したときの評価についての記述ですが、「どちらを選択しても」とあるとおり、出品者都合を選んだ場合も評価には出ません。したがってキャンセルの履歴は、落札者側も出品者側も第三者からは一切見えません。
チェック③は「評価と落札履歴を深掘りする」という項目でしたが、落札履歴(3-2)もキャンセル歴(3-3)も、両方とも読めなくなっています。③は完全に死にました。
3-4. ⑥「質問欄でIDを名指しする」──名指しできません
以前は、こういう質問文の例まで載せていました。
失礼します。現在〇〇様と競り合っているのですが、評価が新規の△△というIDの方は、ご友人か何かでしょうか?
この「△△というID」が、もう取得できません。先頭3文字だけの表示名を書いても、意味が通りません。
加えて、公式ヘルプによれば質問の公開はこうなっています。
質問は書き込んだ時点では非公開で、質問者と出品者にしか見えませんが、出品者が回答すると、質問・回答の両方がほかの利用者にも見えるようになります。
そして回答するかどうかは出品者の判断です。吊り上げをしている出品者なら、当然回答しません。質問は非公開のまま埋もれ、他の入札者への警告にもなりません。この手法には、もともと効果がありませんでした。
4. いま生きている手法4つ
4-1. ① 入札者の評価を見る(ただし条件が変わりました)
入札履歴には、いまもこれだけの情報が出ます。公式ヘルプの記述です。
[入札履歴]ボタンを押すと、入札者と評価、入札額、入札した個数、最後に手動で入札した時間が表示されます。
「新規」の表示も残っています。評価が「新規」または一桁のIDが競り合ってきたら、警戒する価値はあります。
ただし、変わった点があります。入札履歴ページは、現在ログインしないと見られません。
複数のブラウザとオークションIDで確認したところ、入札履歴のURLは一律でログイン画面に転送されました。同じ条件でも、評価ページと出品リストはログインなしで表示されます。入札履歴だけが認証の内側に移動しています。
確認方法も書いておきます。実在するオークションの入札履歴URL(auctions.yahoo.co.jp/jp/show/bid_hist?aID= にオークションIDを付けたもの)を、ログアウト状態で開いてください。ログイン画面に転送されます。同じ状態で商品ページ・評価ページ・出品リストを開くと、こちらは普通に表示されます。
この変更についての公式のお知らせは見つけられませんでした。実測での確認であると正直に書いておきます。
4-2. ④ 出品者の他の出品を見る
これは今も有効です。公式ヘルプにこうあります。
出品者の表示名(またはストア名)が表示されます。表示名をクリックすると出品リストが表示され、出品中のオークションを一覧で確認できます
買い手側の情報は見えなくなりましたが、出品者側の情報は生きています。ここが今回の検証で見えた線引きです。
ついでに、実務的に効く見方を1つ。その出品者に特定商取引法上の義務が及ぶかどうかは、自分で見当がつけられます。消費者庁のガイドラインが、次のような数値を「通常、販売業者に該当すると考えられる場合」として例示しています。
- 全カテゴリー共通:過去1か月に200点以上、または一時点で100点以上の新規出品
ただし、トレーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等を、趣味の収集物の処分・交換目的で出品する場合は除かれます - 全カテゴリー共通:落札額の合計が過去1か月に100万円以上、または過去1年間に1,000万円以上
- 家電製品等:同一商品を一時点で5点以上
- 自動車・二輪車部品、CD・DVD・パソコン用ソフト:同一商品を一時点で3点以上
- ブランド品、チケット等、インクカートリッジ、健康食品:一時点で20点以上
該当する場合、その出品者は通常「販売業者」に当たると考えられます。ただしこれは例示で、原文には「特別の事情がある場合を除き」「これらを下回っていれば販売業者でないとは限らない」という留保が両側に付いています。件数だけで断定はできません。
そのうえで、「特定商取引法に基づく表示」が出品ページにあるかどうかは、確認する価値があります。該当しそうな規模なのに表示が無ければ、それ自体が一つの情報です。
出品者の過去の落札は、オークフリーで読める
出品リストに出るのは出品中の商品だけです。過去に何がいくらで落札されたかは、出品リストのURLの文字列をオークフリーの出品者ID検索に入れると読めます。無料で、登録もいりません(2026年9月28日に確認)。私が13人の出品者で試したところ、出てくるのは2025年3月以降の落札でした。
吊り上げを疑うときに見るのは、同じ商品が短い間隔で何度も「落札」され、出し直されていないかです。吊り上げ役が高値のまま落としてしまい、出品者が出し直すと、この形になります。ただし、落札者が払わずに出品者が削除して出し直しても、同じ形になります。私は落札から24時間たっても払われなければ削除して出し直すので、私の記録にも同じ商品が2回並んでいます。この形だけで吊り上げとは言えません。競ってくる入札者の評価が「新規」や一桁か、評価をつけた相手がその出品者に偏っていないか(4-3)と重ねて判断します。
競ってきた入札者が出品もしている人なら、その人の文字列も同じように調べられます。対象の出品者と同じジャンルを売っているかどうかは、1つの材料になります。
4-3. ⑤ 出品者の悪い評価だけを絞り込む
評価ページには、絞り込み機能があります。「すべて/非常に良い・良い/どちらでもない/非常に悪い・悪い」の切り替えです。
URLを直接叩けば一発で表示できます。
https://auctions.yahoo.co.jp/jp/show/rating?auc_user_id={トークン}&role=seller&filter=-1#comment_list
role=seller が「出品者としてついた評価だけ」、filter=-1 が「非常に悪い・悪いだけ」です。UIから辿るより速く、出品者としての悪評だけを抽出できます。
もう1つ、見落とされがちな仕様があります。総合評価は「出品時」と「落札時」に分離して表示されます。「落札時の評価は多いのに、出品時が極端に少ない」といった非対称は、そのまま読み取れます。
そして公式が、評価の読み方について注意書きを出しています。
自分の評価が悪い人がつけたほかの人への評価は、信用のできる評価とは限りません。
同じことを、警察庁も注意喚起しています。
評価の高い取引相手でも注意が必要です。決まった人からの評価しかない場合には、オークション参加者や購入者をだますために、自分が出品した品物を自分で落札又は購入して評価を上げている場合もあります。
また、評価をつけている人の評価や取引も確認するほか、過去の評価が出品によるものか、落札又は購入によるものかも確認してください。
「出品時と落札時を分けて見る」というのは、官公庁が公式に推奨している見方です。
4-4. ⑦ 入札取り消しの通知をONにする
これがいちばん実用的です。設定しておけば、自分の入札が取り消されたときに通知が届きます。
メッセージの通知のページで「入札の取り消し」を受け取る設定にしている場合は、入札が取り消されると通知が届きます。
ただし、こうも書かれています。
入札が取り消された理由などについて、Yahoo! JAPANでは個別に回答できません。
理由は分かりません。それでも、異常な取り消しに気づく手段は、実質これしかありません。設定していない方は、いま入れておいてください。
[LP]
5. 吊り上げの利得は、どこで確定するのか
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。見分ける話より、こちらのほうが役に立ちます。
5-1. 利得が確定するのは「繰り上げ落札」です
吊り上げで出品者が得をするのは、あなたの最高入札額そのものが落札価格になる瞬間です。それがどこで起きるのかを、正確に押さえます。
手口を整理します。あなたが上限10,000円で自動入札している。出品者側のIDが11,000円で上書きする。この時点で現在価格はあなたの上限まで競り上がり、あなたの限界が10,000円だと判明します。
ここから先は、2つの経路に分かれます。この違いが決定的です。
| 経路A:終了前に入札を取り消す | 経路B:終了後に落札者を削除する | |
|---|---|---|
| 何が起きるか | あなたが最高額入札者に戻り、そのまま通常の落札者になります | サクラが落札 → 出品者が「落札者削除」 → あなたが落札者候補として繰り上がります |
| 落札価格 | 公式に記述を確認できませんでした | あなたが入力した最高入札額(公式に明記) |
| 拒否できるか | できません(通常の落札なので) | できます。評価も付きません |
公式ヘルプ「落札者候補になった場合」に、こう書かれています。
落札価格は自分が入力した最高入札額になります
本来なら5,100円で落札できたかもしれない商品を、上限いっぱいで買わされる。これが被害の中身です。
そして、経路Bにだけ逃げ道があります。次の節で書きます。
なお、支払い後の「取引中止」では繰り上げは起きません。公式のお知らせに「取引中止をした場合、補欠落札者(次点の落札者)の繰り上げは行われません」と明記されています。繰り上げが発生するのは、代金支払い前の「落札者削除」の経路だけです。
5-2. だから、上限額を「相場より高く」置かないという選択があります
逆に言えば、あなたが相場どおりの額しか入れていなければ、吊り上げても取れる利益がありません。繰り上げたところで、落札価格はその額止まりです。
ヤフオクで入札する以上、最高入札額の入力は避けられません(第11章)。変えられるのはその額の置き方です。「多少高くても取りたいから」と余裕を上乗せするのをやめ、終了間際に、払える額ちょうどで1回だけ入れる。この運用にすると、吊り上げの経済的な動機そのものが消えます。
ただし、これは「上限を入れて放置する」のほうが安く買えるという一般則とは逆の話です。通常の競り合いでは、上限を一度だけ入れるのが最も合理的です(別記事で詳しく書いています)。吊り上げが疑われる出品者に限った対処だと考えてください。
5-3. そして、繰り上げは拒否できます
これを知らない方が非常に多い。公式ヘルプの記述です。
落札するか、拒否するかを選択できます。拒否の手続きを行うと、落札者にはなりません。拒否したことに対する評価はつきません
吊り上げ被害は、最終段階でノーペナルティで降りられます。「あなたが落札者候補となりました」という通知が来たとき、拒否ボタンが正規の機能として用意されています。評価も付きません。
見分けることに何時間もかけるより、この1つを知っているほうが確実です。
6. 規約:条項を正確に特定する
6-1. 訂正:「B.出品ルール > 5. 販売を目的としない出品」は実在しません
以前この記事は、吊り上げが違反である根拠としてこの条項を挙げていました。通報文例にも「ガイドライン細則B-5違反」と書いていました。
誤りです。現行の細則の構成は次のとおりで、Bは「出品禁止物」です。
A.出品者の禁止行為/B.出品禁止物/C.出品ルール/D.出品機能/E.入札やご利用についての禁止行為……
ちなみに、細則の全文を検索しても「吊り上げ」という語は一度も出てきません。該当条項は、名前を出さずに行為を定義する形で書かれています。
6-2. 正しい条項は A-20 です
20. 自身の出品したオークションに入札行為を行うこと。なお、入札の成否を問いません。
例:偽名を使用したり第三者を通したりするなどして商品等に入札する
「入札の成否を問いません」とあります。落札に至らなくても違反です。そして例示に「第三者を通したり」が含まれているので、友人に頼んだ場合も同じです。
6-3. 協力者が複数IDを使う場合は E-1-(8)
ほとんど言及されない条項ですが、入札者側にも対になる規定があります。
(8) 入札の成否を問わず、1つの商品に対して複数のYahoo! JAPAN IDを用いて入札を行ったと当社が合理的に判断する行為
出品者本人ではなく協力者が吊り上げているケースは、こちらで捕捉されます。
6-4. ヘルプにも規約としての効力があります
吊り上げを最も直接的に名指ししているのは、実は細則ではなくヘルプです。「トラブルや利用体験の悪化につながる行為」に、この一行があります。
自動入札やその他の方法により、自身の出品商品の価格を吊り上げること
「ヘルプに書いてあるだけでは効力がないのでは」と思われるかもしれません。ガイドライン本体が、それを否定しています。
本サービスのご利用に際しての順守事項および利用条件は、Yahoo!オークションガイドライン細則やヘルプページにも詳しく記載されていますので、こちらも必ずご確認ください。これら当社所定のルールについても当ガイドラインの一部を構成し、当該ルールに違反した場合には、当ガイドラインに違反したものとみなします。
6-5. 措置は「複数アカウント一括」があります
LINEヤフー共通利用規約17.1に、注目すべき記述があります。
お客様が複数のアカウントを登録されている場合には、それらすべてのアカウントに対して措置がとられる場合があります
同項の(2)は、こうです。
風説の流布、偽計、威力その他の不正な手段を用いて当社の信用を毀損する場合
「偽計」という語が使われています。刑法233条とほぼ同じ文言構成です。
ただし正確に書くと、吊り上げが直接あたるのは同項(1)の「利用規約に違反した場合」です。(2)を挙げたのは、規約の側でも「偽計」という刑法と同じ語が使われている、という事実を示すためです。
なお「IDの永久停止」という表現は、公式には確認できませんでした。「アカウント削除」までは明記されています。
利用停止の措置を受けたときにできなくなることと、解除の方法は、ヤフオクの利用停止の記事にまとめました。
[LP]
7. 通報の正しい手順
7-1. 訂正:申告フォームに「価格操作」の選択肢は存在しません
以前、通報の手順としてこう書いていました。
申告理由の選択肢の中から、「5. オークションの価格を操作している」を選択します。
この選択肢は実在しません。公式ヘルプに掲載されている申告フォームの実画面を確認したところ、選択肢は次のとおりでした。
ラジオボタン(1つ選択)
- 出品物と直接関係のない画像や単語を商品タイトルや商品説明に掲載すること
- 商品等と関係のないカテゴリーに出品すること
- 同じような商品等を1日に2オークションID以上で出品すること
- オークションシステム利用料分の負担を落札者に求めること
- 偽ブランド品など第三者の権利侵害が疑われるもの
- 医薬品
- 無修正ビデオや児童ポルノなど、法律で販売が禁止されているもの
- 使用済みの下着
- 改造エアガンやボウガンなど主として武器として使用される目的を持つ商品
- その他(プルダウン)
「その他」プルダウンの中身
- 商品説明のなかで、表示価格より高い金額で取引を行う旨を記載すること
- メールアドレスやURLなどを表記して、Yahoo!オークションの外での取引を誘引すること
- アダルト関連商品をアダルトカテゴリー以外に出品している
- 特定商品に関する規定を順守していない
- その他、利用約款やガイドラインに違反するもの
価格操作・吊り上げに相当する選択肢は、どこにもありません。正しい通報方法は第7章に書きます。
7-2. 正しい手順
選択肢が無い以上、手順はこうなります。
- 商品ページの[違反商品の申告]を押す
- ラジオボタンで「その他」を選ぶ
- プルダウンで「その他、利用約款やガイドラインに違反するもの」を選ぶ
- 自由記述欄に、該当条項を自分で特定して書く
4番が重要です。専用の選択肢がない以上、条項の特定は申告者がやるしかありません。書くべきは次の3つです。
- ガイドライン細則 A-20(自身の出品したオークションへの入札)
- ガイドライン細則 E-1-(8)(1商品に複数IDでの入札)
- ヘルプ「トラブルや利用体験の悪化につながる行為」の「自動入札やその他の方法により、自身の出品商品の価格を吊り上げること」
そして、感情ではなく事実を書いてください。オークションID、疑わしい入札の時刻、入札額の推移。判断材料を渡すのが目的です。
7-3. 申告者のIDは通知されません
※申告者のYahoo! JAPAN IDは通知されません
報復を心配する必要はありません。逆方向も同じで、申告された側も理由を知ることができません。
違反商品の申告の理由や根拠をYahoo! JAPANにお問い合わせいただいても、回答できません。
7-4. 公式が明記している限界
期待値は正しく持っておいてください。
審査の結果、すべての申告内容に対し削除などの措置を必ず行うわけではありません
結果の通知もありません。投げて終わりです。それでも、判断材料が蓄積されることには意味があります。
7-5. 訂正:「いたずら入札トラブル申告制度」は使えません
以前この記事は、報復を受けた場合の対処として「いたずら入札トラブル申告制度」を使うよう書いていました。誤りです。
制度の規定を読むと、対象がはっきり書かれています。
本制度の適用を希望する出品者が、いたずら入札によりトラブルに遭った場合に申告を行い……出品者に対する救済措置を実施する制度です。
出品者専用です。内容も、落札逃げされた出品者のシステム利用料を返金し、いたずら入札者からの評価を削除するというもの。買い手が高値を掴まされた場合の救済制度は、存在しません。
7-6. 証拠を残すなら120日以内です
これも知られていません。商品ページには保存期限があります。
- 落札者がいる場合:2年
- 落札者がいない場合:120日
そして公式のお知らせによれば、終了後120日以降は、商品ページの出品者IDが伏字になります(例:*******)。
証拠化するつもりなら、ページの保存は120日以内に済ませてください。
8. 特定の出品者を疑って検索してきた方へ
この記事には、特定の業者名やストア名と「吊り上げ」を組み合わせた検索から来る方が一定数いらっしゃいます。「あの店の商品はいつも終了間際に競り上がる」という体感があるのだと思います。
先に立場を書きます。この記事では、特定の事業者名を挙げて疑いを書くことはしません。証拠がないからです。第3章で見たとおり、買い手が入札者の素性を確認する手段は、いま存在しません。確認できないことを名指しで書くのは、それ自体が別の問題を生みます。
そのうえで、役に立つことを2つ書きます。
8-1. 大手の出品が「怪しく見える」構造的な理由
出品数の多い事業者ほど、疑われやすい条件が自然に揃います。
- 同じ入札者が何度も現れる。出品数が多ければ、常連の入札者と何度も鉢合わせます。「同じIDが複数の商品に入札している」という違和感は、大手ほど偶然に発生します
- 開始価格が低い。1円や99円スタートの出品は、競り上がることを前提にした売り方です。結果として終了間際に価格が跳ねますが、これは吊り上げではなく、そういう出品戦略です
- 終了時刻が集中している。大量出品では終了時刻をまとめるため、同じ時間帯に複数のオークションが競り合います
この3つは、吊り上げがなくても起きます。「怪しい」と感じたときは、まずこの構造で説明がつかないかを考えてください。
8-2. 事業者かどうかは、自分で判定できます
疑うより先に、確認できることがあります。その出品者に特定商取引法上の義務が及ぶかどうかです。第4章の4-2で挙げた消費者庁の例示に、出品リストの件数を当ててみてください。
該当する場合、その出品者は通常「販売業者」に当たると考えられます。「特定商取引法に基づく表示」が出品ページにあるかを確認してください。ただし、趣味の収集物の処分は除外されますし、件数を下回っていても該当することがあります。あくまで見当をつけるための材料です。
そして、事業者相手の取引なら消費者契約法が使えます。個人出品者相手では原則使えません。この違いは、後で争うことになったときに効いてきます。
8-3. 評価が1万件を超えている出品者は安全か
これも検索されている問いなので、答えておきます。評価数の多さは、吊り上げをしない保証にはなりません。
ただし、判断材料にはなります。見るべきは総数ではなく、次の3つです。
- 出品時と落札時の内訳。評価ページは両者を分けて表示します。「落札時の評価ばかりで出品時が少ない」出品者は、出品者としての実績が浅いということです
- 悪い評価の中身。第4章の4-3の絞り込みURLで、出品者としての悪評だけを抽出できます。件数ではなくコメントを読んでください
- 直近の傾向。評価ページには「1週間以内/1か月以内/6か月以内/100件以内/1000件以内」の5区分で内訳が出ます。累計は良いのに直近が荒れているというパターンは、ここでしか見えません
評価が1万件あっても、直近1か月の悪評が急増しているなら、それは新しい情報です。総数は過去、内訳は現在です。
8-4. 「嫌がらせの高額入札」は吊り上げではありません
混同されがちなので分けておきます。
吊り上げは、出品者が価格を上げるために自分の商品へ入札する行為です。目的は売上を増やすこと。
一方、買う気がないのに極端な高額で入札して、他の入札者を排除し、そのまま支払わないという行為があります。ヤフオクはこれを「いたずら入札」と呼び、購入意思がないと合理的に推認される入札と定義しています。目的は嫌がらせで、被害者は出品者です。
この2つは、被害者が逆です。いたずら入札の救済制度(前章で触れた出品者専用の制度)が買い手に使えないのは、そういう理由です。
8-5. 違反が認定されたら、どうなるのか
「通報しても何も起きないのでは」という疑問に、公式の記述で答えます。
ヘルプ「トラブルや利用体験の悪化につながる行為」の冒頭に、こうあります。
日々パトロールを実施しており、以下に記載したような行為を確認した場合は警告や一部の機能制限、サービスの利用を停止する利用制限を行う場合があります。
そしてガイドライン本体には、より強い規定があります。
利用者に通知することなく、直ちに該当する商品等の出品の拒絶、編集、移動、削除等を当社自身の判断により実施する権利を保有するものとします。
第6章で引いた「複数アカウント一括措置」と合わせて読むと、吊り上げが認定された場合の措置は、メインIDと捨てIDの両方に及びうるということになります。
ただし、認定されるかどうかは分かりませんし、結果も通知されません。ここは期待値を正しく持ってください。
[LP]
9. 違法なのか
筆者は法律の専門家ではありません。条文と、確認できた事実だけを並べます。個別の判断は弁護士にご相談ください。
9-1. 刑法233条の条文
以前この記事は、偽計業務妨害罪を「人を欺き、錯誤や不知を利用して、他人の業務を妨害する」犯罪だと説明していました。条文そのものを引きます。
(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑名が「拘禁刑」なのは、2025年6月1日施行の改正刑法で懲役と禁錮が一本化されたためです。他サイトで「懲役」と書かれている記述は、改正前のものです。
9-2. 買い手は、この罪の被害者になりません
これは重要な点なので、はっきり書きます。
233条が守っているのは「人の業務」です。吊り上げで妨害されている業務は、プラットフォーム運営者の業務、あるいは他の出品者の業務です。高値を掴まされた買い手個人は、この罪の被害者という位置づけにはなりません。
「警察に被害届を出せば動いてくれるはず」という期待は、ここで一度立ち止まる必要があります。
ただし、これは業務妨害罪の被害者にならないという話です。欺かれて財産を交付させられたのであれば、詐欺罪(刑法246条)の問題になりえます。ここでは買い手自身が被害者です。
もっとも、詐欺罪が成立するには「サクラ入札があった」ことの立証が要ります。第3章で見たとおり、その証拠は買い手の手元に残りません。次節の民事の話と、同じ壁にぶつかります。
9-3. 摘発事例は、確認できませんでした
ヤフオクの吊り上げで摘発・起訴・有罪となった日本国内の事例を探しましたが、報道・裁判例・官公庁発表のいずれからも確認できませんでした。
参考として、警察庁のオークション詐欺対策ページが挙げている手口は、次の4類型です。
- 商品を発送しない
- 偽物を送付する
- 次点落札者を狙う
- 購入代金を支払わない
価格の吊り上げ・サクラ入札は、この4類型に入っていません。
これは「事例がない」という断定ではありません。報道されていないだけかもしれません。ただ、探して見つからなかったというのが今回の結果です。「吊り上げは偽計業務妨害で逮捕されます」と書いている記事を見かけたら、その根拠を確認してください。
9-4. 民事で争えるのか
条文だけ並べます。
| 構成 | 条文 | ハードル |
|---|---|---|
| 不法行為 | 民法709条 | 損害=「吊り上げがなければ成立したであろう価格との差額」。その差額の立証がほぼ不可能です。対抗入札が架空だった証拠が、買い手の手元に残らないからです |
| 詐欺取消 | 民法96条 | 出品者本人なら1項。協力者(第三者)が吊り上げた場合は2項が働き、出品者が知っていた・知りえたことの立証が追加で必要になります |
| 錯誤取消 | 民法95条 | 「他に真正な競合入札者がいると思っていた」は基礎事情の錯誤。ただし2項の「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」という要件が高い壁です |
| 消費者契約法 | 同法2条・4条 | 個人出品者相手には原則適用されません。出品者が「事業として」出品している場合に限られます(4-2の特商法の数値基準が判定材料になります) |
9-5. 訂正:「AIによる不正検知」の公式発表は確認できませんでした
以前この記事には「AIによる自動検知の進化」という見出しがありました。オークションの不正「入札」を検知するAIについて、LINEヤフーの公式発表・技術ブログは見つけられませんでした。
公式に確認できたAI・機械学習の活用は、次のとおりです。
- 偽物出品検知AI(2018年11月、ディープラーニング)——対象は出品物
- 不正決済検知AI(2019年〜、2年間でクレジットカードの不正決済額を約60%削減と公表)——対象は決済
- 不審なメッセージの機械学習検知(2021年)——対象はメッセージ
ヤフオクがパトロールを行い、機械学習を使っていること自体は公式に書かれています。ただ、対象は出品物・決済・メッセージであり、「入札」を対象とした記述はどこにも見当たりませんでした。
10. 落札してしまったら
10-1. 訂正:自動で「非常に悪い」は付きません
以前この記事は、こう書いていました。
これを行うと、あなたの評価にシステムから自動的に「非常に悪い」が付きます。評価を一つ犠牲にして不当な支払いを拒否するかどうかの、苦しい選択となります。
2022年3月22日正午に廃止されています。公式のお知らせから引きます。
<2022年3月22日以降> 落札者削除の際に、自動で「悪い」評価がつきません。また、出品者に対してauction_masterから自動で「悪い」評価もつきません。
10-2. ただし「ノーリスク」ではありません
ここを書いている記事がありません。評価には残りませんが、利用制限のカウンタには乗ります。
「落札者都合」が選択された場合、「落札者削除(取引中止)の自動通知メール」に利用制限の対象となる旨がメールに記載されていますが、一度のお取引のみで対象となるわけではありません。
「一度だけなら大丈夫」という意味ですが、裏を返せば累積すれば対象になります。
そして、出品者が手動で「非常に悪い」を付けることは可能です。自動付与がなくなっただけで、相手が評価する権利は残っています。
10-3. 落札者側から取引をキャンセルする正規の手順は、ありません
細則「取引のキャンセル」を読むと、権限の所在がはっきりします。
出品者は以下の場合、取引をキャンセルできます。
・取引のキャンセルについて落札者の同意がある場合
・取引のキャンセルについて落札者に連絡をしたが、返答がないなど連絡が取れない場合
キャンセルの操作権限は出品者にしかありません。落札者にできるのは依頼だけで、応じるかは相手次第です。
ただし、繰り返します。「落札者候補」の段階なら、拒否できます。評価も付きません。落札が確定する前に通知が来たら、そこが唯一のノーリスクな降り場です。
11. 自動入札との関係
この記事に来る方の多くが、「ヤフオク 自動入札 見破る」でも検索されています。混同されやすいので、線を引いておきます。
ヤフオクの自動入札は、不正でも何でもありません。公式のご利用ガイド「入札する」が「入札はすべて自動入札と呼ばれるしくみで行われ」と書いているとおり、入札する人は全員が使っています。
そして公式ヘルプには、こう明記されています。
自動入札機能の取り消し(オフにする)はできません。Yahoo!オークションで行う入札にはすべて「自動入札」機能がはたらきます。
第6章6-4で引いたヘルプの一文をもう一度見てください。禁止されているのは「自身の出品商品の」価格を吊り上げることです。自動入札は、その手段として例示されているだけです。
公式の線引きは「自動入札という機能の是非」ではなく、「自分の出品に自分が入札したかどうか」です。
そして、相手の最高入札額そのものは原理的に見破れません。現在価格は負けている側の上限から計算されるので、勝っている側の上限は画面のどこにも現れないからです。この点は別記事で詳しく書きました。
ヤフオクの自動入札に勝てない理由|相手の上限は見破れない。うざいと感じる仕組みと、売値から逆算した上限で10件中6件以上落とす私の入れ方
[LP]
12. よくある質問
Q1. 吊り上げ犯のID一覧はどこかにありませんか
Yahoo! JAPAN IDの一覧はありません。IDは表示名に置き換わって先頭3文字しか出ず、ID検索も廃止され、URLからも読めなくなりました。掲げているページがあれば、2023年より前の情報です。ただし、出品リストのURLに入っているIDごとの文字列を控えれば、自分用の一覧は作れます(2-4)。
Q2. 怪しいIDが他に何に入札しているか調べられますか
調べられません。表示名をクリックした先は出品リストで、入札に関する導線はありません。他人の入札一覧を見る機能は、公式に用意されていません。
Q3. その人が過去に何を落札したか見られますか
見られません。評価ページの落札側は、全件「(落札した商品名は公開されません)」と表示されます。出品側の商品名は見えます。その人が出品もしているなら、URLの文字列をオークフリーに入れると、出品者として売ったものが2025年3月以降の分まで見られます。
Q4. 通報するとき、どの理由を選べばいいですか
「その他」→「その他、利用約款やガイドラインに違反するもの」です。価格操作の選択肢は存在しません。自由記述欄に、細則A-20、細則E-1-(8)、ヘルプの吊り上げ禁止の一文を自分で引用してください。
Q5. 通報したら報復されませんか
申告者のYahoo! JAPAN IDは通知されません。なお、疑わしい出品者はブラックリストに登録しておくと、以後は双方向で入札ができなくなります。うっかり再び入札してしまう事故を、システム的に防げます。
Q6. 高値で落札してしまいました。キャンセルできますか
落札者側からキャンセルする正規の手順はありません。出品者に依頼はできますが、応じるかは相手次第です。支払わずに放置すれば「落札者都合」で削除されますが、評価には残らないものの利用制限のカウンタには乗ります。出品者が手動で悪い評価を付けることも可能です。
Q7. 「あなたが落札者候補となりました」という通知が来ました
拒否できます。公式に「拒否の手続きを行うと、落札者にはなりません。拒否したことに対する評価はつきません」と書かれています。吊り上げ被害から、ノーペナルティで降りられる唯一の場面です。落札価格は自分が入れた最高入札額になるので、納得できないなら拒否してください。
Q8. 吊り上げで逮捕された人はいますか
今回の調査では、確認できませんでした。警察庁のオークション詐欺対策ページが挙げる手口4類型にも、価格の吊り上げは入っていません。「事例がない」という断定ではなく、探して見つからなかったということです。
Q9. 自動入札を使っている相手は、吊り上げ犯ですか
違います。ヤフオクで入札する人は全員、自動入札を使っています。オフにもできません。禁止されているのは「自分の出品に自分が入札すること」です。
Q10. どうすれば被害に遭わずに済みますか
3つです。①怪しい出品者では上限額に余裕を上乗せしない(終了間際に、払える額ちょうどで1回)、②入札取り消しの通知をONにしておく、③繰り上げ通知が来たら拒否を検討する。見分けることより、この3つのほうが確実に効きます。
まとめ
- 「吊り上げ犯のYahoo! JAPAN ID一覧」は作れません。IDは表示名化で先頭3文字のみ、ID検索は廃止、URLからも読めません。ただし、出品リストのURLにあるIDごとの文字列で、同じIDを追うことはできます。
- 従来の見分け方7つのうち、3つが完全に機能しなくなっていました。特に「不審IDの入札一覧を見る」は、仕様変更で消えたのではなく公式にそもそも存在しない機能でした。
- 落札商品名は「(落札した商品名は公開されません)」と画面に印字されます。落札傾向を洗う手法は、UIレベルで封じられています。
- キャンセル歴は評価に反映されません(2022年3月22日以降)。「キャンセルの多さで見抜く」は不可能です。
- 違反申告フォームに「価格操作」の選択肢は存在しません。「その他、利用約款やガイドラインに違反するもの」を選び、条項は自分で書いてください。
- 「いたずら入札トラブル申告制度」は出品者専用です。買い手の救済制度は存在しません。
- 生きているのは、入札者の評価/出品者の他の出品/出品者の悪い評価の絞り込み/入札取り消しの通知の4つです。これに、オークフリーで出品者の過去の落札を読む方法が加わります。買い手側の情報は見えなくなり、出品者側の情報は生きている、という線引きです。
- 吊り上げの利得は「繰り上げ落札」で確定します。落札価格は自分が入力した最高入札額になるからです。
- そして、繰り上げは拒否できます。拒否しても評価は付きません。見分けることに時間を使うより、これを知っているほうが確実です。
最後に、このブログが繰り返し書いていることを、ここでも書きます。
代替されるものは安くなり、代替されないものだけが残ります。
「相手を見破る」という技術は、プラットフォーム側の仕様変更ひとつで消えました。7つのうち3つが、たった2年で使えなくなった。相手の情報に依存した技術は、相手が情報を閉じた瞬間に無価値になります。今は読めるオークフリーの出品者ID検索も、同じ理由でいつ閉じるか分かりません。
残るのは、自分の側で完結する判断です。この商品にいくらまで出すのか。相場はいくらか。上限を超えたら降りる。その基準を持っている人は、そもそも吊り上げの利得の対象になりません。上限まで追いかけないからです。
吊り上げが成立するのは、上限を決めていない人に対してだけです。
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この記事で参照した情報源
すべてヤフオク!・LINEヤフーの公式ヘルプ、ガイドライン細則、公式お知らせ、およびe-Gov法令・官公庁の公表資料で確認しました。まとめサイト、個人ブログ、ツール販売者のアフィリエイト記事は使用していません。
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| 規約 | Yahoo!オークションガイドライン細則(A-20、E-1-(8)、H、K)/Yahoo!オークションガイドライン/LINEヤフー共通利用規約(17.1) |
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本記事は法律の専門家によるものではありません。条文と公表資料に基づく整理であり、個別の事案については弁護士にご相談ください。ヤフオク!の仕様および規約は変更される可能性があります。実際の取引の前には、必ず公式ヘルプで最新の内容をご確認ください。
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