個人も企業も、ほとんどが不満を抱えながらECプラットフォームを利用しています。
このような悩みをかかえていたり、これからECサイトを始める場合は「どのECプラットフォームを使ったらいいのか」と迷っている方も多いはずです。
Woocommerceは、ブログにインストールして使う「ワードプレス」のプラグインです。ドメインとサーバーさえあれば無料でECサイトを構築することができます。
この記事では、「なぜWoocommerceじゃないとダメなのか」というお話をしていきます。
なぜWooCommerceが最適なのか
ECサイトを構築するには、様々な選択肢があります。
日本ではWix storesやShopify、BASEがベスト3にランクインしており、WooCommerceのシェアはたったの7%です。(2023年8月時点)
しかし、世界で最も利用されているのは「WooCommerce」で24%のシェアを誇っています。(2023年8月時点)
Woocommerceは海外で開発されたプラグインなので、「言語が英語」であることも日本で普及していない大きな原因です。(現在は日本語に対応しています)
ShopifyなどたくさんのECプラットフォームがある中で、なぜ世界でWoocommerceが人気なのか。
それは、次のような理由があるからです。
- 費用対効果が高い
- 出品制限などプラットフォームの規約に縛られない
- すぐに販売を開始できる
- 世界各国への出店も自由自在
- カスタマイズ性が高い
- SEOに強いネットショップが初心者でも作れる
- 新規ユーザーやリピーターを増やす機能が備わっている
- 在庫管理が楽々!在庫切れ通知も受け取ることができる
- ECサイトの分析が初心者でもわかりやすい
費用対効果が高い
新しくネットショップを始める方にとって、お店の維持費は軽視できるものではありません。
経費を軽視して足りなくなってしまった分は、商品の品質や顧客サポートなどが犠牲になってしまうことにつながります。
投資すべきところにお金をかけるためにも、無駄な経費は削減する必要があります。
ネットショップの維持費がダントツで安い
国内のサービスはネットショップの月額利用料金にプラスして、決済手数料やサービス利用料、売り上げの振込手数料が別々にかかる事が多いです。
「決済手数料」の中に、サービス利用料が上乗せされて割高になっている場合もあるため、月額負担として1万円近くの費用がかかります。
例)
- カラーミーショップ
月額費用4,950円~39,600円+初期費用3,300円+決済手数料 - クラウドEC
月額費用6,800円~143,300円
一方、ShopifyやWoocommerceの料金を見てみましょう。
Shopifyの料金 | Woocommerceの料金 |
||
ベーシックプラン | 月額33ドル(日本円で約4,800円) | エックスサーバーのベーシックプラン(3ヶ月契約)+エックスサーバードメイン(.com)を利用した場合 | 月額約1,428円 (ドメイン年額1,298円) |
スタンダードプラン | 月額92ドル(日本円で約9,200円) | ||
プレミアムプラン | 月額399ドル(日本円で約3万5,000円) |
販売する商品や売り上げが増えれば増えるほど、プラットフォームに取られる手数料は増えていきます。長く続けるほど利益が目減りしてしまうのはもったいないですよね。
一見低価格なサービスは「データ容量」が少ない
さらに、ショップの規模が大きくなったり運営期間が長くなると、データ容量も気になってくるはずです。
商品の写真などは気にしていないとすぐに容量が大きくなります。商品数が多くなるとどんどん容量が無くなっていきます。
この先何年か運営して、お店が大きくなったころにデータ容量が足りなくなり、慌ててショップを引っ越すようなことになればとても大変ですよね。
例えば、日本で1番人気のサービス「WixStores」の料金プランを見てみましょう。
プラン名 | 価格 | データ容量 |
---|---|---|
ビジネス VIP | ¥ 3,800 / 月 | 50GB |
ビジネスプラスプラン | ¥ 2,700 / 月 | 35GB |
ビジネス | ¥ 1,800 / 月 | 20GB |
WixStoresのデータ容量は一番高いプランでも「50GB」です。
しかし、自分でエックスサーバーを契約してWoocommerceを導入すれば1番安い「スタンダードプラン」でも「300GB」です。
スタンダード | プレミアム | ビジネス | |
---|---|---|---|
データ容量 | 300GB | 400GB | 500GB |
3ヶ月 |
1,320円
|
2,640円
|
5,280円
|
36ヶ月 |
990円
|
1,980円
|
3,960円
|
WixStoresは初心者さんでも導入が簡単にできるのが魅力で、最初の参入障壁はWixStoresの方が低いかもしれません。
しかし、その維持費は1年間で27,000円、10年間で27万円。
月額1万円を支払って容量は少ない、サーバーは共有、システムも古い…となると、長い目で見れば自分でWoocommerceを導入した方が、料金も安くデータ容量に余裕があるので、安心してショップ運営ができます。
しかし、手数料にサービス料が上乗せされることもなく、その他の運営に関する費用は「レンタルサーバーとドメイン代のみ」という最低限のコストでOKです。
しかも、Woocommerceの場合は取引や売り上げが増えたとしても維持費は変わらないので、利益を上げれば上げるほど、そのまま自分の利益として残ります。(カードの決済手数料は売上に応じてかかりますが、それはどのECサイトも同じです)
Woocommerceと国内サービスの1番の違いは「資産にならない」ということ。
同じ期間を運用、改善に費やした場合、shopifyとWooCommerceに100%負けます。
売り上げが上がれば上がるほど、引かれる手数料は大きくなりますし、運営のさじ加減一つでアカウントが停止になるリスクがあるのも大きいです。
無料で使えても、長い目で見て資産にならないものを頑張る価値はないです。
このことから、コストを抑えながら高品質なネットショップを運営をしたいなら、Woocommerceが最適解と言えます。
出品制限などプラットフォームの規約に縛られない
BASEやSTORES.jp、Amazonなどのプラットフォームを利用すると、そのプラットフォームの規約に縛られ、自由に出品できないことがあります。
また、知らないうちにこのルールを破ってしまった場合や、何もしていないのに理由もわからずBANされてしまうケースもあります。
「このようなことをするユーザーに好き勝手させてはいけない」という理由から設けられているため、真面目に取り組んでいる側には窮屈なだけの規制です。
しかし、Woocommerceであればそういった窮屈な規約を設ける必要はなく、柔軟な運営ができるので、理不尽な強制解約などの心配もありません。
無在庫転売のような運営方法も可能になりますし、有在庫の商品を販売することはもちろん、デジタルコンテンツやサービスを販売することも可能です。
このように自由度の高いネットショップを運営したい方にとっては、Woocommerceはピッタリです。
すぐに販売を開始できる
Woocommerceは、ワードプレスがあれば初めての方でも1時間で販売を開始できます。
行動が遅いとそれだけ成長するスピードが遅くなるので、素早くビジネスを立ち上げることは、経験値を積むのにも役立ちます。
行動が遅くなるとモチベーションが下がる可能性もあります。
また、新しい市場に参入する場合はのんびりしているとライバルが増えて、本来取れるはずだった利益を取りこぼしかねません。
その点、思い立った時にすぐに商品を販売開始できるWoocommerceは、スピード感を持って仕事をしたい方にとって、とてもいいプラグインだと思います。
世界各国への出店も自由自在
Woocommerceは日本だけではなく、海外発送にも対応しています。
計画や需要のリサーチなどは必要になりますが、販路を日本だけに限定するよりも、人口が多い世界に広げた方がお客様の数は増えますので、収益の向上が見込めます。
また、日本ならではのものを海外に販売したり、海外でのトレンドやニーズを把握することで、日本でまだ開拓されていない市場を発見できる可能性もあります。
カスタマイズ性が高い
Woocommerceはワードプレスに無料でインストールできるプラグインでありながら、無料で利用できるテーマを変更するだけでデザインを変えられます。
そのため、簡単に洗練されたECサイトを作成することができます。
また、無駄な機能を省き、必要な機能だけを自分で選んで後付け(プラグインを追加)できるのも大きな魅力です。
シンプルな作りでいい方はシンプルなまま使うことができ、様々な機能を持たせたい方はとことんこだわって自分だけのオリジナルECサイトを作ることができます。
SEOに強いネットショップが初心者でも作れる
ワードプレスを作っても、SEOに対応した作りになっていなければ、検索結果で上位表示することができないため集客が難しいです。
しかし、WoocommerceはSEOに強いので上位に上がってくるまでが早く、安心してネットショップを運営することができます。
初期の段階でもSEOに適していますが、追加のプラグインやSEOのテクニックを併用することで、さらに改善することが可能です。
新規ユーザーやリピーターを増やす機能が備わっている
Woocommerceの機能を使うと、「送料無料のクーポン」などを配布しキャンペーンを行うことが簡単にできます。
このような取り組みは、訪問者やリピーター獲得につながります。
また、Woocommerceには「レビュー機能」もあり、一度購入していただいたお客様に声をいただくことで、新規のお客様の背中を押すことができます。
レビューをしていただくことで、改善点なども見えてくるので自分にもお客様にも有益な機能だと言えます。
在庫管理が楽々!在庫切れ通知も受け取ることができる
ネットショップを行う上で、「在庫がないのに発注が入ってしまった」というミスは絶対に避けたいトラブルですよね。
そのため、在庫管理をしてくれる人件費に数万円~数十万円のコストをかけている企業もあります。
しかし、Woocommerceを利用すれば在庫切れの商品は自動的に非表示になり、在庫切れの通知を受けることができます。
ECサイトの分析が初心者でもわかりやすい
商売は好きなのに、分析は苦手だという方もいます。たしかに、アクセス解析はわかりにくいところもありますよね。
Woocommerceのアナリティクス(アクセス解析)は、直感的なインターフェイスになっているので、初めてでもなんとなくわかるようになっています。
新たにアクセス解析を入れたりしなくても、総売上高や日付別の売上高、平均注文数、サイト訪問者のアクションなどを分析してくれるため、人を雇うコストも削減できます。
WooCommerceのデメリット・注意点
これだけメリットばかりを並べると「怪しい」「導入してみたら思ってたのと違う」と感じる方もいると思います。
そのような認識の違いが起きないように、ここからはWoocommerceのデメリットについてもお話しておきます。
カスタマーサポートがない
WooCommerceは公式の「カスタマーサポート」がありません。
そのため、何かトラブルが起きた時には、詳しい人やコミュニティを頼ったり、自分で調べて問題を解決する必要があります。
しかし、自分で情報を取りに行くことができれば、Woocommerceを運営していてなにかわからないことがあっても、問題ありません。
Woocommerce公式のQ&Aやトラブルシューティングが用意されていたり、世界で利用者数が多いことから個人の解説コンテンツなども多く、情報が豊富だからです。
ただし、日本ではWoocommerceを利用している人が少ないため、ほとんどの情報は英語です。
英語に自信がない方はマウスの「右クリック」>「日本語に翻訳」を利用すれば、言語の違いで困ることは少なくなるはずです。
セキュリティへの注意が必要
WooCommerceはオープンソースなので、誰でも見れるようにコードが公開されています。
これは修正や改善のためなのですが、誰かがそのコードを分析して情弱性を見つけ出し、攻撃が行われる可能性も否定できません。
また、Woocommerceでは機能を追加するために他のプラグインをインストールすることもあります。もし、そのプラグインが不正なものであった場合、セキュリティリスクが高まります。
Woocommerceのセキュリティを高めるためには、次のようなことを心がけて運営しましょう。
- こまめにアップデート(更新)する
- セキュリティプラグインを導入する
- 信頼性のあるプラグインを選ぶ
サイトを自分で管理する必要がある
WooCommerceは、ワードプレスへの導入やバックアップ、アップデートなどを自分で行う必要があります。
スキルを身に着けながらの運営になるため時間と労力がかかります。
また、先ほども書いたようにオープンソースであるWoocommerceのセキュリティを高めるためには、定期的なアップデートやバックアップが欠かせません。
しかし、努力してここを乗り越えることで、自分のビジネスの運営により多くの利益や自由をもたらすことに繋がります。
機能を追加すると維持費が値上がりする
Woocommerceのデメリットでもあり、メリットでもあるのが「機能を追加できる」という点です。
Woocommerceではワードプレスのプラグインを利用できるため、様々なものがありますが、高額な有料プラグインを利用すると維持費が高くなってしまいます。
有料プラグインの例 | ||
プラグイン名 | 用途 | 料金 |
rankie | 検索順位測定ツール | 買い切り$27 (約4,000円弱) |
wp rocket | サイトの高速化 | 年額$59~299 (約8,600円~約43,800円) |
smush pro | 画像の圧縮 | 月額$7.5~ (約1,000円) |
Yeast WooCommerce SEO plugin | SEOプラグイン (テーマがSEOに対応してない場合) |
年額$79 (約11,500円) |
↑全て利用すると、月額6,600円以上にもなります。 |
Woocommerceの機能を充実させるのは当然悪いことではないのですが、手数料や利用料金で利益が大きく圧迫されるようであれば問題です。
また、始めたばかりのショップで利用する方が少なければ、なおさらもったいないですよね。
最初はWoocommerceの強みを生かし、プラグインに高額な費用をかけなくても十分に運営できますので覚えておきましょう。
日本のEC化は世界に比べて低い!?→まだまだ伸びる市場
コロナ禍の影響を受け、日本のEC市場もここ数年で大きく成長しています。
EC化率(店舗販売、対面販売、電話やECなど全てを含めた商取引に対し、EC市場が占める割合)はこのようになっています。
2021年の段階で、EC化率は8.78%。
2013年と比べると2倍になっており、順調にEC化が進んでいることがわかります。しかし、この数値は世界と比べると低いです。
ちなみに、こちらが世界のEC化率です。
このように「世界の水準」を引き上げているのは中国であり、それ以外の国のEC化は「世界の水準よりも低い」となっているだけとも言えます。
スマホの普及やコロナ渦でのキャッシュレス決済の推進などが後押しして、ECの分野はこれからも成長を続けていきます。
ニッセイ基礎研究所の予測では、このように右肩上がりで増えていくとのことです。
Woocommerceは初期費用や月額料金もかかりませんので、まずは初めてみることをおすすめします。
もし、自社で導入が難しいという方は、弊社の「設定を一括インポートするサービス」も提供しておりますので、コンサルの際にお問い合わせください。
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