この記事は全面的に書き直しました。前の版は「ハイリスク・ハイリターン投資おすすめ7選」という記事でした。7選も、ポートフォリオの配分例も、失敗談も、全部削除しました。
理由を先に書きます。
金融商品の一般的な解説は、いま検索する必要がありません。AIが答えます。
そして、前の版にはもっと大きな問題がありました。「アドレナリンを感じながらガツンと稼ぎたい人はFXへ」という診断チャートが置いてあったことです。
この検索語で来る人の一部は、余裕資金では来ていません。
先に、書けることと書けないことを分けます
| 書けること | 書けないこと |
|---|---|
| 公的機関が公表している、勧誘の手口と注意喚起 | どの商品を買うべきか |
| 労働で返す場合に、企業が公表している条件 | 年利、期待リターン、いくら増えるか |
| 借金の側に用意されている、法律上の手続き | あなたの場合にどれが最適か |
| 当サイトの判断基準を当てはめると、どう並ぶか | 依存症の治療法、診断 |
当サイトは投資助言・代理業の登録をしていません。弁護士でも医師でもありません。だから右の列は書けませんし、書きません。
この記事に出てくるのは、公表されている数字と条文、そして私自身の判断基準だけです。
1. 探しているのは「倍率」ではなく「早さ」です
「ハイリスク・ハイリターン」という言葉で検索する人には、まったく違う2種類がいます。
| 状態 | 探しているもの | |
|---|---|---|
| A | 生活は成り立っている。余ったお金の置き場所を考えている | 倍率 |
| B | 期日が決まっている支払いがある。間に合わない | 早さ |
前の版は、AだけがいるつもりでBに向かって書かれていました。これがいちばんまずい形です。
この記事は、Bに向けて書きます。
1-1. なぜ、この区別が決定的なのか
Aの人にとって、ハイリスク商品は選択肢の1つです。外れても、生活は続きます。
Bの人にとっては、違います。
| Aの場合 | Bの場合 | |
|---|---|---|
| 外れたとき | 資産が減ります | 期日が来ます |
| 次に取る行動 | 休みます | 取り返そうとします |
| 取り返すための資金 | 入れません | 借ります |
| 降りるタイミング | 自分で決めます | 決められません |
同じ商品でも、Bの人が持つと、まったく別のものになります。
商品の性質は変わっていません。変わったのは、降りる自由があるかどうかです。
1-2. そして、早さを求めていることが外から見えます
ここが、この記事でいちばん先に伝えたいことです。
「早く、大きく」と検索している人は、検索履歴にも、広告の配信面にも、SNSのタイムラインにも、その状態が出ます。
そして、その状態の人だけに向けて設計された勧誘が、実在します。
これは私の推測ではありません。国が公表しています。次の章で、そのまま引用します。
2. 早さを求める人に向けて、設計された勧誘があります
ここは意見を書きません。公的機関の文章をそのまま引きます。
2-1. 消費者庁が「詐欺です」と断定している条件
消費者庁は、SNSを通じた投資・副業の勧誘について注意喚起を出しています。その中に、条件つきで断定している一文があります。
「投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合、それは詐欺です」
行政の文章で「それは詐欺です」と言い切っている箇所は、多くありません。裏を返せば、判定に迷う必要がない、という意味です。
| その場で判定できること | 判定 |
|---|---|
| 振込先が個人名義になっている | 詐欺です(消費者庁) |
| SNS経由で勧誘を受けた | 「まず疑ってみるようにしましょう」(同) |
消費者庁は、あわせて二次被害にも触れています。一度だまされた人に、「取り返してあげる」と持ちかける勧誘です。
取り返そうとしている状態が、次の入口になります。
2-2. 国民生活センターが名指ししている手口
国民生活センターは、20歳代を対象にした勧誘についてこう出しています。手口の中心は、商品ではありません。
| 手口の構造 | |
|---|---|
| 1. | 副業・投資の「サポート」を持ちかけます |
| 2. | 支払うお金がない、と言うと—— |
| 3. | 借りる方法を教えてくれます |
センターのアドバイスは、こうです。
「安易に借金をしないようにしましょう」
手元にお金がないことは、断られる理由になっていません。むしろ、次の手順が用意されています。
これが、1章のBの人に効く理由です。Bの人は、すでに「借りる」という手段を1回使っている場合が多いからです。2回目の抵抗は、1回目より小さくなります。
2-3. 迷ったときの窓口は、番号が決まっています
| 窓口 | |
|---|---|
| 消費者ホットライン「188」 | 消費者庁が案内している、全国共通の番号です。最寄りの消費生活センター等につながります |
この番号は、記事の後半でもう一度出てきます。理由は6章で書きます。
3. 労働で返す場合、公表されている数字はここまでです
ここからは、比較対象を1つ置きます。
借金を労働で返す道として、よく名前が挙がるのが期間工(自動車メーカーの期間従業員)です。
先に立場を書きます。私自身は期間工をやったことがありません。
実際にやった人を身近に見ている、というだけです。だから、この章に出てくる数字は私の体験ではなく、全部メーカーが公式サイトで公表しているものです。ここではトヨタ自動車の期間従業員募集サイトを使います。
なぜこれを置くのか。金額の大きさを見せるためではありません。
「条件が全部書いてある求人」と「条件が書いていない儲け話」を、同じページで見比べるためです。
3-1. 月給の例には、前提が全部書いてあります
公式サイトが出している月給例は、次のとおりです。
| 公表されている内容 | |
|---|---|
| 月給例(1年目) | 316,580円 〜 353,500円 |
| その前提 | 連続2交替勤務、稼働日数21日、残業20時間、深夜手当35時間、時間帯手当78.25時間を含む |
| 基本日給 | 11,150円〜12,450円(1年目/同社での就労回数による) |
2行目を見てください。
残業20時間、深夜手当35時間。この数字が、金額と同じ大きさで書いてあります。
当サイトはどの記事でも、前提条件のない数字を出さないと決めています。この募集要項は、その基準を満たしています。何をどれだけやると、いくらになるのかが、先に書いてあるからです。
比べてみてください。2章で見た勧誘に、この行はありません。
3-2. 満了金は、途中で辞めると出ません
期間工の収入で大きいのが、契約期間を満了したときに出る手当です。公式サイトが表で出しています。
| 満了時点 | 満了慰労金・満了報奨金の合計 |
|---|---|
| 6ヵ月満了 | 390,400円 |
| 12ヵ月満了 | 488,000円 |
| 18ヵ月満了 | 512,400円 |
| 24ヵ月満了 | 536,800円 |
| 30ヵ月満了 | 561,200円 |
| 35ヵ月満了 | 576,000円 |
| 総額 | 3,064,800円 |
この総額にも、前提が書いてあります。「6〜30ヵ月の稼働日数は122日、35ヵ月目のみ稼働日数が120日の場合」。稼働日数は入社日によって変動する、とも書かれています。
そして、次の一文があります。
「契約期間途中に退社した場合、支給はありません。」
ここが、この働き方のいちばん重要な性質です。
満了金は、労働の対価であると同時に、途中で降りないことへの対価です。だから、合わないと分かった時点で降りると、その期間分は出ません。
3-3. 実際に効いているのは、金額ではなく住居費です
公式サイトの福利厚生には、こう書かれています。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 寮 | 独身寮完備(1人部屋、冷暖房・TV・冷蔵庫完備) |
| 寮費 | 無料(光熱費含む)、寝具無料貸与 |
| 食費 | 工場・寮食堂の毎月の喫食額の合計から半額を補助(補助上限:2万円/月) |
| 作業着 | 作業上着・帽子・安全靴を無償貸与 |
返済を考えるとき、効いているのは日給より、ここです。
家賃と光熱費が出ていかない状態で働ける仕事は、多くありません。当サイトの住まいの記事で書いたとおり、生活費の中でいちばん動かしにくいのが住居費だからです。
収入を上げる話より、固定費がゼロになる話のほうが、返済には直接効きます。
3-4. ただし「3年」という契約は、存在しません
ここは、私自身の見立てを訂正した部分です。
私はこれまで、負債の規模によっては「期間工を3年」という道が効く、と考えていました。公式の募集要項を読み直したら、3年という契約はありませんでした。
| 契約 | 期間 |
|---|---|
| 初回契約 | 3ヵ月 |
| 1回目更新 | 3ヵ月(通算6ヵ月) |
| 2回目更新 | 6ヵ月(通算12ヵ月) |
| 3回目更新 | 6ヵ月(通算18ヵ月) |
| 4回目更新 | 6ヵ月(通算24ヵ月) |
| 5回目更新 | 6ヵ月(通算30ヵ月) |
| 6回目更新 | 5ヵ月(通算35ヵ月/2年11ヵ月) |
上限は「最長2年11ヵ月」です。3年ではありません。
1ヵ月の違いにこだわっているのではありません。「3年働けば」という前提で返済計画を立てると、最後の1回で計算が合わなくなるという話です。
3-5. そして、更新するかどうかを決めるのは会社です
ここが、3-4よりもっと重要です。募集要項には、更新の判断基準がそのまま書かれています。
【会社の判断基準】
「以下①②を会社が総合的に考慮して、更新が必要と判断した場合に限り、契約を更新する場合があります。
①契約期間満了日以降の会社の生産見通し、その他業務量
②本人の勤務成績・態度、能力、健康・体力」
①を読んでください。
本人がどれだけ真面目に働いても、生産計画が変われば更新されません。
| 自分で決められるか | |
|---|---|
| 働き始めるかどうか | 決められます |
| 途中で辞めるかどうか | 決められます(ただし満了金は出ません) |
| 2年11ヵ月まで続けられるかどうか | 決められません |
当サイトは利益 ÷ 拘束日数で判断します。この働き方は、分母を自分で決められません。そこを分かったうえで入るのと、「3年やれば返せる」と思って入るのとでは、途中で起きることが変わります。
3-6. 1週間ごとに、昼と夜が入れ替わります
勤務時間も、公表されています。
| 時間 | |
|---|---|
| 1直(5日) | 6:25〜15:05 |
| 2直(5日) | 16:00〜翌0:40(深夜勤務含む) |
| 交替 | 1直・2直を1週間毎に交替(連続2交替制勤務/実働7時間35分) |
| 休日 | 週休2日制(土・日)。GW・夏季・年末年始に連休あり |
| 応募資格 | 3ヵ月勤務可能な満18歳以上/工場での立作業、ライン作業で連続2交替制勤務に従事できる方 |
1週間おきに、起きる時間が10時間ずれます。
ここは正直に書きます。私は交替勤務をしたことがないので、体がどうなるかは書けません。書けるのは、この条件が募集要項に明記されているという事実だけです。
そして、これも2章との比較で意味を持ちます。きつい条件が先に書いてある求人と、きつい条件がどこにも書いていない儲け話。後者は、きつくないから書いていないのではありません。
3-7. 年収については、公式が出しているのは1年目だけです
公式サイトには「1年目の年収 560万円以上可能」という表示があります。ただし、すぐ横に条件が書かれています。
| 公表されている内容 | |
|---|---|
| 表示 | 1年目の年収 560万円以上可能 |
| その注記 | 「初年度限定の手当・残業代含む」 |
| 初年度限定の手当 | 特別手当 総額100万円(入社時特別手当40万円+6ヵ月満了特別手当60万円)。いずれも2026年9月以降に入社した人に限る、期間は変更になる場合がある、と明記 |
2年目以降の年収は、公式サイトに出ていません。
理由は表のとおりです。初年度限定の手当が100万円あるので、同じ数字が2年目に出ないからです。
だから、返済計画を「560万円 × 3年」で立てると合いません。合わない額は、100万円の手当と、稼げない最後の1ヵ月分と、税金と社会保険料です。
ここから先は、自分の数字でしか出ません。この記事に書けるのは、公表されている前提までです。
4. 同じ物差しに乗せると、順番が変わります
当サイトは、どの記事でも同じ式で判断しています。
利益 ÷ 拘束日数
金額だけを見ません。その金額を得るまでに、何日ぶん自分の時間が押さえられるかで割ります。
この式を、3つの道に当てはめます。
4-1. 分母が「短い」のと「測れない」のは、別のことです
| 分子(返せる額) | 分母(拘束される日数) | |
|---|---|---|
| 一発を狙う | 決まっていません | 決まっていません |
| 労働で返す | 公表された条件から計算できます | 最長2年11ヵ月。ただし更新は会社が決めます |
| 法的な手続きを取る | 制度ごとに決まっています | 手続きの種類で決まります |
一発を狙う道の分母は、短いのではありません。測れないのです。
ここが、この記事でいちばん言いたいことです。
早さを求めている人は、分母がゼロに近い選択肢を探しています。ところが実際に手に入るのは、分母が「未定」の選択肢です。
| 起きること | |
|---|---|
| 分母が長い | いつ終わるかが分かります。逆算できます |
| 分母が未定 | いつまでやるかを、自分で決められません。だから、終われません |
2章で見た二次被害は、まさにこれです。取り返そうとしている限り、分母は伸び続けます。
4-2. 3年という長さについて
「2年11ヵ月も拘束されるのは長い」と感じたなら、その感覚は正しいです。長いです。
ただし、比較の相手を間違えないでください。
| 比べる相手 | 長さ |
|---|---|
| 2年11ヵ月 | 確定しています |
| 取り返そうとしている期間 | 本人が「もういい」と言うまで、終わりません |
短く見えるほうが、実際には長いことがあります。
5. 借金の側にも、公表されている手続きがあります
ここまで、返す側の話だけをしてきました。もう片方があります。
返す額そのものを、法律の手続きで変える道です。
私は弁護士ではないので、どれを選ぶべきかは書けません。書けるのは、制度が公表している条件だけです。
5-1. 法テラスの無料相談には、条件があります
日本司法支援センター(法テラス)は、条件を満たす人に無料の法律相談を行っています。
| 公表されている内容 | |
|---|---|
| 対象 | 「収入(手取りの平均月収 ※賞与も含む)と資産(お持ちの現金・預貯金)が一定基準以下の方」 |
| 回数 | 「同一の問題につき、3回まで無料で相談できます」 |
| 手取月収の基準(例) | 1人:182,000円〜200,200円/2人:251,000円〜276,100円/3人:272,000円〜299,200円/4人:299,000円〜328,900円(地域によって異なります) |
| 費用の立替 | 弁護士・司法書士費用の立替制度があります |
5-2. だから、順番が問題になります
3-1でみた月給例と、5-1の基準を並べてください。
| 金額 | |
|---|---|
| 期間従業員の月給例(1年目) | 316,580円〜353,500円(前提は3-1のとおり) |
| 法テラスの手取月収基準(1人・例) | 182,000円〜200,200円 |
働き始めてからでは、無料相談の枠から外れる可能性があります。
これは「働くな」という意味ではありません。順番の話です。
| 順番 | 起きること |
|---|---|
| 先に相談する | 基準に当たれば、無料で3回話を聞けます。そのうえで、働いて返すかどうかを決められます |
| 先に働き始める | 収入が基準を超え、無料の枠から外れる可能性があります |
基準は地域によって異なり、扶養家族や住居費で扱いが変わります。該当するかどうかは、法テラスに直接確認してください。この記事で言えるのは、「働き始める前に確認する順番のほうが、選択肢が多い」という一点だけです。
5-3. 「もう借りられない」には、条文上の理由があります
借入が一定の額を超えると、貸金業者から新たに借りられなくなります。これは業者の方針ではなく、法律です。
貸金業法 第13条の2(過剰貸付け等の禁止)第2項
「…当該個人顧客に係る個人顧客合算額…が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額をいう。)を超えることとなるもの…」
いわゆる総量規制です。年収の3分の1が基準です。
ここを、判定に使えます。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 貸金業者から借りられなくなっている | 年収の3分の1という線を、すでに越えている可能性があります |
| それでも借りられる案内が来る | その相手は、この条文の枠内にいない可能性があります |
2行目が重要です。2章で見たとおり、「支払うお金がない」と言ったときに借りる方法を教えてくれる相手がいます。正規の貸金業者が断る状態で、断らない相手が出てくる。それは条件が良いからではありません。
6. 原因がギャンブルの場合、順番が変わります
ここは、扱いを慎重にします。
私は医師でも心理職でもありません。治療の話は書けませんし、書きません。
書けるのは、法律に何と書いてあるかだけです。そして、法律にはかなり具体的に書いてあります。
6-1. 「依存症」は、勝ち負けで定義されていません
ギャンブル等依存症対策基本法に、定義があります。
ギャンブル等依存症対策基本法 第2条
「この法律において『ギャンブル等依存症』とは、ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう。)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。」
読み直してください。金額も、負けた回数も、書かれていません。
| 条文が基準にしていること | 条文が基準にしていないこと |
|---|---|
| 日常生活・社会生活に支障が出ているか | 勝っているか、負けているか |
| のめり込んでいるか | いくら使ったか |
「今月はプラスだから大丈夫」は、この定義では判定になっていません。
6-2. 破産法は、賭博を名指ししています
自己破産で借金の支払義務がなくなることを「免責」といいます。その免責が許可されない事由が、条文に列挙されています。
破産法 第252条第1項
「裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
…
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」
11項目ある免責不許可事由の、4番目です。
これは重い意味を持ちます。同じ金額の借金でも、できた原因によって、法律上の扱いが違うということだからです。
6-3. ただし、同じ条文に第2項があります
ここを飛ばして「ギャンブルの借金は自己破産できない」と書いている説明がありますが、条文はそう書いていません。
破産法 第252条第2項
「前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」
| よく見る説明 | 条文が書いていること |
|---|---|
| ギャンブルの借金は自己破産できない | 1項4号に当たっても、2項で許可できる、と書いてあります |
| 申し立てれば必ず免責される | 1項に「いずれにも該当しない場合には」と書いてあります |
どちらも違います。2項が見ているのは「至った経緯その他一切の事情」です。個別の判断なので、この記事で結論は書けません。弁護士に確認してください。
6-4. 私の見立てを、ここに書きます
ここから先は条文ではなく、私の判断です。そう分かるように書きます。
稼いで返す道を選んでも、手続きを取る道を選んでも、のめり込みが止まっていなければ、土台が抜けたままだと考えています。
理由は単純です。3章で見たとおり、期間工の満了金は2年11ヵ月かけて積み上がる形になっています。積み上がったものは、一度に動かせます。
そして、5-3で書いたとおり、借りられなくなった状態でも借りられる相手は存在します。
返済の速度より、漏れているかどうかのほうが先に効きます。
これは私の見立てであって、条文でも統計でもありません。ただし、次の6-5を読むと、法律の作りが同じ前提に立っていることが分かります。
6-5. 国は、4つの窓口を1本の条文に並べています
ここが、この記事でいちばん重要な一次情報です。
ギャンブル等依存症対策基本法の第17条は、相談支援の体制について書かれています。そこに並んでいる窓口を見てください。
ギャンブル等依存症対策基本法 第17条(相談支援等)
「国及び地方公共団体は、精神保健福祉センター…、保健所、消費生活センター…及び日本司法支援センター…における相談支援の体制の整備その他のギャンブル等依存症である者等及びその家族に対するギャンブル等依存症問題に関する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとする。」
| 条文に並んでいる窓口 | 扱っているもの |
|---|---|
| 精神保健福祉センター | 依存症そのもの |
| 保健所 | 依存症そのもの |
| 消費生活センター | 2章で見た勧誘・契約のトラブル |
| 日本司法支援センター(法テラス) | 5章で見た借金の法的処理 |
医療と、消費者トラブルと、借金の法的処理が、同じ1つの条文に入っています。
これは偶然ではありません。同じ法律の第3条に、理由が書いてあります。
同法 第3条第2号(基本理念)
「ギャンブル等依存症対策を講ずるに当たっては、ギャンブル等依存症が、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題に密接に関連することに鑑み、ギャンブル等依存症に関連して生ずるこれらの問題の根本的な解決に資するため、これらの問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。」
「密接に関連する」と書いてあります。同時に起きる前提で、法律が作られています。
この記事が、儲け話の章と、働いて返す章と、法律の手続きの章を続けて並べているのは、そのためです。別々の話ではありません。
6-6. 相談先は、公表されています
ここは、私が説明する部分ではありません。厚生労働省が一覧を出しています。
| 窓口 | |
|---|---|
| 都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター、保健所 | 公的な相談窓口です。本人からも、家族からも相談できます |
| 依存症専門医療機関 | 都道府県が選定しています |
| 消費者ホットライン「188」 | 契約や勧誘のトラブルはこちらです(2-3で書いた番号です) |
| 法テラス | 借金の法的な整理はこちらです(5-1の条件があります) |
| 民間の団体 | ギャンブル依存症問題を考える会、全国ギャンブル依存症家族の会、GA(当事者)、ギャマノン(家族・友人)などが、厚生労働省の資料に掲載されています |
連絡先は改定されることがあるので、この記事には書きません。出典の欄に、厚生労働省の一覧をそのまま置いておきます。
家族からも相談できる、と書かれています。本人が動けない段階でも、窓口は閉じていません。
7. 判定表|いま、どちらの状態か
1章のAとBのどちらにいるかを、6つで確認します。
| 確認すること | 該当したら | 対応する章 |
|---|---|---|
| 期日が決まっている支払いがあって、間に合っていない | Bです。この記事は、ここから先を前提に書いています | 1 |
| いま探しているのは「倍率」ではなく「間に合う早さ」だ | 分母が測れない選択肢に向かっています | 4-1 |
| 「支払うお金がない」と言ったら、借りる方法を教えられた | 国民生活センターが名指ししている手口の形です | 2-2 |
| 振込先が個人名義になっている | 消費者庁が「それは詐欺です」と断定している条件です | 2-1 |
| 貸金業者からは借りられないのに、借りられる案内が来ている | その相手は、総量規制の枠内にいない可能性があります | 5-3 |
| 勝ち負けとは別に、生活のほうに支障が出ている | 法律の定義は、金額ではなくここを見ています | 6-1 |
6つとも、儲かるかどうかの話ではありません。全部、いま自分がどこに立っているかの話です。
8. 明日からの1手
1つだけ挙げます。
働いて返す道を選ぶ前に、法テラスの基準に自分が当たるかどうかだけ、確認してください。
順番だけの話です。5-2で書いたとおり、働き始めて収入が上がると、無料相談の枠から外れる可能性があります。
| 確認すること | どこで |
|---|---|
| 手取月収と資産が、基準以下に当たるか | 法テラスの公式サイト、または直接の問い合わせ |
| 同一の問題で3回まで無料、という枠が使えるか | 同上 |
| 契約や勧誘のトラブルが混ざっていないか | 消費者ホットライン「188」 |
相談した結果、働いて返すのがいちばん良いという結論になっても構いません。順番を変えるだけで、選択肢が減らずに済む、という話です。
選べる状態のうちに聞いておく。それだけです。
9. まとめ
| この記事で書いたこと | |
|---|---|
| 1章 | この検索語で来る人には2種類いて、後者が探しているのは倍率ではなく早さです |
| 2章 | 早さを求める人に向けた勧誘は実在し、公的機関が手口を公表しています |
| 3章 | 労働で返す場合、条件は全部公表されています。ただし上限は2年11ヵ月で、更新を決めるのは会社です |
| 4章 | 一発を狙う道の分母は、短いのではなく測れません |
| 5章 | 法的な手続きの側にも条件があり、働き始めると枠から外れる可能性があります |
| 6章 | 依存症の定義は金額ではなく生活への支障。国は4つの窓口を1本の条文に並べています |
全体を1行にすると、こうなります。
追い詰められているときに必要なのは、倍率の高い商品ではありません。分母が測れる選択肢を、選べるうちに確保しておくことです。
前の版に書いてあった「1万円でもいいので口座を開設して何か一つ買ってみてください」という行動指示は、削除しました。この記事が読者に勧める行動は、8章の1つだけです。
10. あわせて読む
| 記事 | 共通している考え方 |
|---|---|
| 利益 ÷ 拘束日数 | 当サイトの判断基準です。この記事の4章は、これを3つの道に当てはめたものです |
| レバレッジ型の商品を、どう扱っているか | 当てにいかない持ち方の話です。私が実際に売買している範囲で書いています |
| 住まいと、やり直しコストの話 | 固定費のうち、いちばん動かしにくいのが住居費だという話です(3-3の背景) |
11. 出典
| 出典 | この記事で使った箇所 |
|---|---|
| 消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」 | 「投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合、それは詐欺です」、SNS勧誘への注意、二次被害、消費者ホットライン188(2-1・2-3) |
| 国民生活センター「20歳代が狙われている!? 遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意」 | 支払えないと言った相手に借入を勧める手口、「安易に借金をしないようにしましょう」(2-2) |
| トヨタ自動車 期間従業員募集サイト「給与・各種手当」 | 月給例とその前提、基本日給、満了慰労金・満了報奨金の表と総額3,064,800円、途中退社時は支給なし、特別手当100万円、寮費・食費補助、1年目の年収表示と注記(3-1〜3-3・3-7) |
| 同「募集要項」 | 契約期間(初回3ヵ月・最長2年11ヵ月)、更新の会社判断基準、勤務時間と連続2交替、休日、応募資格、福利厚生(3-4〜3-6) |
| 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」 | 収入・資産要件、同一の問題につき3回まで無料、手取月収額の例(5-1・5-2・8) |
| e-Gov法令検索「貸金業法」第13条の2 | 過剰貸付け等の禁止、基準額(年間の収入に三分の一を乗じて得た額)(5-3) |
| e-Gov法令検索「破産法」第252条 | 免責許可の決定の要件等、第1項第4号(賭博その他の射幸行為)、第2項(一切の事情を考慮した免責許可)(6-2・6-3) |
| e-Gov法令検索「ギャンブル等依存症対策基本法」 | 第2条(定義)、第3条第2号(基本理念)、第17条(相談支援等)(6-1・6-5) |
| 厚生労働省「ギャンブル等依存症 具体的な相談先はこちら」 | 精神保健福祉センター・保健所・専門医療機関・民間団体の一覧、本人と家族の双方が相談できること(6-6) |
| 厚生労働省「依存症対策」 | 相談窓口・支援体制の全体(6-6)。連絡先は改定されるため、この記事には転記していません |
金額・条件・条文は、すべて上の一次情報から取っています。期間従業員の条件は募集の時期によって変わり、法テラスの基準は地域や家族構成で変わります。必ず原典を開いて、いまの条件を確認してください。
12. この記事について
| 期間工について | 私はやったことがありません。実際にやった人を身近に見ている、というだけです。数字は全部、メーカーの公表資料から取りました |
| 依存症について | 私は医師でも心理職でもありません。治療の内容は書いていません。書いたのは条文と、公表されている窓口だけです |
| 借金の手続きについて | 私は弁護士でも司法書士でもありません。どの手続きを選ぶべきかは書けません。制度が公表している条件までです |
| 投資について | 当サイトは投資助言・代理業の登録をしていません。商品の推奨、年利、期待リターンは書いていません |
| 6-4について | あの節だけは、条文でも統計でもなく私の見立てです。そう分かるように書いています |
| 前の版との違い | 「おすすめ7選」、ポートフォリオ配分の例、診断チャート、出典のない年利、創作の失敗談3件、記事末の「口座を開設して何か一つ買ってみてください」——全部削除しました |
| 本文中の宣伝 | 0本です |
いま困っている方へ。お金の問題と、契約の問題と、のめり込みの問題は、6-5のとおり同時に起きる前提で制度が作られています。どれか1つの窓口に連絡すれば、他につないでもらえます。順番を気にして止まる必要はありません。

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