「psp 修理」「psp 液晶 交換」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
ソニーのPSPの修理は、PSP-1000・2000が2014年3月31日、PSP-3000が2019年9月30日、PSP go(PSP-N1000)が2016年7月31日で受付を終えています。いま直す手は、修理店に出すか、自分で直すか、動く中古を買い直すかです。液晶の交換は、修理店の料金表で9,680〜10,648円(税込)、部品はAmazon.co.jpでPSP-1000用2,559円〜、PSP-3000用5,174円〜でした。私は1000を含めて全部の型の液晶を自分の手で替えてきましたが、いちばん苦労したのは「再組み立て」でした。手元の本体を使い続けたいなら、電池とスティックは部品が安く(スティックは490〜890円)、液晶は型によって買い直しと比べる価値があります。お金だけで比べると、調べた落札価格を前提にした試算では、壊れた本体を売って動く中古を買い直すのがいちばん安い例が多くなりました(売る手間は入れていません)。私自身は「いうて互換機で動くので今やる価値があるかはかなり疑問」と考えていますが、互換機でPSPのソフトを遊ぶには、ソフトのデータの用意という壁があります(9章)。直す・出す・買い直すを比べる計算機を10章に付けました。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| ソニーで直せるか | 直せない。PSP-1000・2000は2014年3月31日、PSP-3000は2019年9月30日、PSP goは2016年7月31日で受付終了 | 2章 |
| どこに出すか・いくらか | ゲオの修理の対象外。修理店で、液晶9,680〜10,648円、スティック8,580〜9,460円、ボタン7,480〜9,680円(大手2社の料金表、税込)。目安の安い店は液晶9,900円〜、スティック3,800円〜 | 4章 |
| 自分で直せるか | iFixitでは、液晶の交換はPSP-3000が「かんたん」・10分、1000と2000が「ふつう」。goは「難しい」・1時間。私は全部の型で替えてきたが、再組み立てでほこり・ボタンの効き・ネジの取り違えに苦労した | 5章・7章 |
| 液晶は何を買うか | 純正の中古(ジャンクから部品取り)、互換品の新品、IPS液晶の3つ。PSP-3000用のIPSは、対応する基板の本体なら「入れ替えるだけで簡単だった」(私の経験) | 6章 |
| 買い直すといくらか | ヤフオクの真ん中の値で、タイトルに故障の表記がない物はPSP-1000が5,200円、2000が6,999円、3000が10,325円、goが20,405円(動作の保証ではない) | 8章 |
| そもそも直す価値はあるか | 私は互換機があるので疑問。ただ、互換機で遊ぶにはUMDのデータの用意が要り、手軽ではない。公式にはPlayStation Plusで遊べるPSPのタイトルもある | 9章 |
1. 先に、立場を書きます
私は中古品の売買を20年近く続けている古物商です。ゲーム機は、ゲームボーイアドバンスからPSP、DS、3DS、据え置き機まで、自分の手で直してきました(ゲーム機修理を自分でやる範囲と勉強法)。PSPの電池が膨らんだときの話はPSPのバッテリーの記事に書きました。この記事を作るにあたって、次の問いに答えました。
| PSPで自分の手でやった修理 | 「液晶の交換」「電池・外装」「アナログスティック・ボタン」 |
| 液晶を替えた型 | 「1000も含めて全部」 |
| 交換用の液晶 | 「ジャンクから部品取り」「IPS液晶キット」「互換品の新品」 |
| 何のために直したか | 「自分用が中心」 |
| 3DSより簡単だと思う理由 | 「分解の手順が少ない」 |
| いちばん苦労したところ | 分解して部品を外し、交換したあとの「再組み立て」 |
| 再組み立てで起きたこと | 「画面にほこりが入った」「ボタンやスティックの効きが悪くなった」「ネジや部品がどこの物か分からなくなった」。効きが悪くなったときは「再度分解して組み直した」 |
| あとからやるようにしたこと | 「閉じる前に電源を入れて確かめる」「ブロワーでほこりを飛ばす」 |
| IPS液晶キットを入れたとき | 「入れ替えるだけで簡単だった」 |
| PSPが壊れた人に勧めること | 「いうて互換機で動くので今やる価値があるかはかなり疑問。アップスケールに対応していたり、液晶も当然IPS品質なわけで」 |
| 互換機で遊ぶときのソフトの用意 | 「CFWを導入して実機から吸い出す」(9章で、この前提の問題を書きます) |
この記事は、PSPが壊れた(画面が映らない・割れた・スティックが効かないなど)持ち主が、直すか、出すか、買い直すかを決めるための記事です。私の修理は自分用が中心で、売るために何台も直した数字はありません。
2. ソニーの修理は終わっている
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、アフターサービスの受付を終えた機種を公開しています。PSPは次のとおりで、専用の周辺機器も同じく受付を終えています。PS3のような例外の案内は、PSPにはありません。
| 型番 | 受付終了日 |
|---|---|
| PSP-1000シリーズ | 2014年3月31日 |
| PSP-2000シリーズ | 2014年3月31日 |
| PSP-3000シリーズ | 2019年9月30日 |
| PSP-N1000シリーズ(PSP go) | 2016年7月31日 |
自分で開ける前に、説明書の注意も知っておいてください。PSP-3000の説明書は、分解や改造をしないよう求め、液晶画面の内部には電圧の高い部分があると書いています(6ページ)。また、電波法に基づく認証の説明の中で、本機を分解・改造することは法的に罰せられることがある、としています(2ページ)。修理の受付自体はもう終わっていますが、自分で開けるのは、こうした注意を承知したうえでの話です。
3. まず症状で分ける
私の考えでは、PSPは3DSと比べて「分解の手順が少ない」ので、自分で直しやすい機種です。ただ、症状によって向く手が違います。
| 症状 | 自分で直す | 修理店 | 買い直す |
|---|---|---|---|
| 電池が膨らんだ・持たない | 電池の交換は、iFixitで「とてもかんたん」・5分(PSP-3000)。膨らんでいたら充電も使用もやめ、押したり穴を開けたりしない。外せないときや捨て方はバッテリーの記事へ | 3,850〜6,380円 | 互換の電池は998〜1,939円(バッテリーの記事)で、電池だけなら買い直すほどではない |
| スティックが効かない・勝手に動く | 部品は490〜890円。PSP-3000は液晶を外してから替える | 8,580〜9,460円(目安の安い店で3,800円〜) | 計算機で比べる |
| 画面が割れた・映らない・黄ばんだ | 部品は2,559〜7,477円(型で違う)。IPS液晶にもできる | 9,680〜10,648円 | PSP-1000・2000は、動く中古のほうが店より安いことが多い |
| UMDを読まない | この記事では扱っていない | ソフト挿入口10,800円、目安の安い店で8,650円〜 | 計算機で比べる |
| 電源が入らない・基板 | この記事では扱っていない | 要問い合わせの店が多い | 買い直しを先に考える |
画面が「割れただけ」に見えても、ゲーム修理工房は、単純なひび割れやガラス割れに見える場合でも液晶に不具合があることが多く、その場合は液晶破損として扱う、と書いています。PSP-2000と3000には前面のガラス(レンズ)だけの部品もあり(Amazon.co.jpで1,199〜1,380円)、液晶が無事ならガラスだけで済むこともありますが、どちらが割れているかは開けてみないと分からないことがあります。
4. どこに出すか:修理店の料金
ゲオの修理サービス(ゲオ デジタルベース)は、対象がiPhoneシリーズとNintendo Switchシリーズだけで、PSPは入っていません(2026年10月12日)。PSPを出すなら、ゲーム機を直す修理店を探すことになります。PSPの修理料金を公開している店の例です。どれも店の料金表の額で、実際は見積もりで変わります。
| 修理 | ゲーム修理工房(池袋P’パルコ本店の料金例、税込) | ゲームホスピタル(新宿店の料金、税込) | BunnyCraft(税込の目安) |
|---|---|---|---|
| 液晶 | PSP-3000・2000が9,680円〜、1000は要確認 | PSP-1000が9,800円、2000が9,680円、3000が10,648円 | 9,900円〜 |
| アナログスティック | 3000・2000が8,580円〜 | 1000が8,800円、2000が8,580円、3000が9,460円 | 3,800円〜 |
| ボタン | 3000が7,480円〜、2000が9,680円〜 | 2000が9,680円、3000が7,480円、1000は要問い合わせ | 3,300円〜 |
| 電池 | 6,380円〜 | 1000・2000が3,850円、3000が4,235円 | 記載なし |
| 充電 | ACソケット7,480円〜 | ACソケットは要問い合わせ | 3,300円〜 |
| UMD | 要確認 | ソフト挿入口10,800円 | 8,650円〜 |
ゲーム修理工房は、修理できなくても作業点検費などがかかる場合がある(3,300円〜)と書いています。ゲームホスピタルの料金は新宿店のもので、店やエリアで違います。BunnyCraft(BunnyCharge株式会社)の料金は、過去の修理事例をもとにした最安値の目安です。3社の数字は公表されている料金で、同じ条件で見積もりを取った比較ではありません。PSP goの料金は3社とも表に載っていなかったので、goを出すなら店に直接問い合わせることになります。
店に出す前に、次のことを確かめておくと、あとで揉めにくくなります。
- 型番(PSP-1000・2000・3000・go)と、症状(いつから、落とした・濡らしたなどのきっかけ)
- 液晶は純正の中古か互換品か、IPS液晶にもできるか
- 直らなかったときに費用がかかるか(点検費)
- 修理後の保証の期間と、送料(郵送で出すなら往復)
- 作業中にほかの部品が壊れたときや、追加の費用がかかるときの連絡の仕方
- 自分で一度開けた本体を受け付けるか(IPS液晶の取付代行には、改造や修理の跡がある本体を断る場合があると書く店もある)
5. 自分で直す:型ごとの難しさと部品の値段
修理の手順を公開しているiFixitの、PSPのガイドの数字です。時間と手順の数は各ガイドの本体の分で、前提の作業(電池と前面ケースを外すなど)は別に数えられています。投稿された手順の目安で、初めての人の作業時間やうまくいくことを約束するものではありません。細いリボンケーブルと小さなネジを扱う、精密な作業です。
| 型 | 液晶の交換 | スティックなど |
|---|---|---|
| PSP-1000 | ふつう(Moderate)・20分・11手順。前提は電池→前面ケース。道具は1.5mmのマイナスと#00のプラスのドライバー | このガイドは見つからなかった |
| PSP-2000 | ふつう・5〜15分・7手順。前提は電池→前面ケース | スティック・十字キー・ボタンをまとめて、ふつう・5〜25分・8手順 |
| PSP-3000 | かんたん(Easy)・10分・10手順。前提は電池→前面ケース。液晶などのリボンケーブルが4本つながっている | スティックは、ふつう・15分・22手順。前提に液晶とトリガーボタンの取り外しが入る |
| PSP-3000(2010年の改訂版) | ふつう・12手順。ZIFコネクタ4本の留め具を起こして外す | ― |
| PSP go | 難しい(Difficult)・1時間・21手順 | ― |
部品の値段は、2026年10月12日のAmazon.co.jpの検索結果の表示の一例です(広告を除く)。
| 部品 | 値段 |
|---|---|
| 液晶(PSP-1000用) | 2,559〜4,562円 |
| 液晶(PSP-2000用) | 3,228〜4,090円 |
| 液晶(PSP-3000用) | 5,174〜7,477円 |
| IPS液晶(PSP-3000用、はんだ不要とうたう物) | 10,900〜13,000円 |
| IPS液晶(PSP-1000用) | Hyperkin RepairBox 7,700円、「玄人/ハンダ付け改造経験者専用」とうたう物5,480円 |
| 前面のガラス(PSP-2000・3000用) | 1,199〜1,380円 |
| アナログスティック | PSP-1000用490〜790円、PSP-3000用850〜890円 |
そろえる道具は、iFixitのガイドに出てくる#00のプラスドライバーと、樹脂のヘラ(スパッジャー、オープニングツール)、PSP-1000なら1.5mmのマイナスドライバーです。私はこれに、ほこりを飛ばすブロワーを使っていました。
液晶は型ごとに分かれて売られています。型をまたいで使えるかは、この記事では確かめていません。買う前に、自分のPSPの型番と、商品の対応型番が合っているかを見てください。
6. 液晶の選び方:純正の中古・互換品・IPS
私は液晶に「ジャンクから部品取り」「IPS液晶キット」「互換品の新品」の3つを使ってきました。
| 液晶 | 手に入れ方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 純正の中古 | 画面以外が壊れたジャンクから外す | 外す液晶そのものの状態(焼け・ドット抜け・黄ばみ)は、そのジャンクの画面で確かめるしかない |
| 互換品の新品 | Amazonなどで型番を合わせて買う | 型番の合わない物がある。届いたら組み込む前に点灯を確かめる |
| IPS液晶 | キットを買う。PSP-3000には取付の代行もある | 使えない基板がある。ケーブルの扱いに注意がある(下に書きます) |
PSP-3000用のIPS液晶を売るヒミツノバは、取付方法の記事(2026年1月24日)で、純正の外装を削る加工もはんだ付けも要らず、入れ替えるだけで付けられる、と書いています。私の経験でも「入れ替えるだけで簡単だった」です。同じ記事は、次の注意も書いています。
- PSP-3000のうち、TA-095(07g)という基板の本体には付けられない
- バックライト用の細いケーブルは純正より厚く、コネクタの留め具を完全に閉めると壊すおそれがある
- 液晶の裏の露出した部分を、絶縁テープで固定・保護する
- 前面を閉じる前に電源を入れて、画面を確かめる
このケーブルの留め具の扱いは、このキットの売り手の案内です。通常の液晶は、iFixitなど各ガイドの手順どおりに留め具を閉じます。
自分で付けたくない人には、ヒミツノバのPSP-3000 IPS液晶の取付代行(11,000円、キットは別に買う。2026年10月31日に本体が届く分まで、月ごとの台数に上限あり)があります。PSP-1000・2000や、他店の液晶・改造や修理の跡がある本体は対象外か、断られる場合があります。IPS化した中古を買う手もあり、ヤフオクでIPS化済みのPSP-3000は真ん中の値で19,800円でした(8章)。
PSP-1000用には、はんだ付けの経験者向けとうたうキットと、Hyperkin RepairBoxのIPSキット(7,700円)がありました。私は1000にIPS液晶を入れたかを答えていないので、1000用のキットの付けやすさは、この記事では確かめていません。
7. 自分で直すと、再組み立てでつまずく
私がPSPの修理でいちばん苦労したのは、分解して部品を外し、交換したあとの「再組み立て」でした。起きたのは次の3つです。
- 「画面にほこりが入った」
- 「ボタンやスティックの効きが悪くなった」。このときは「再度分解して組み直した」
- 「ネジや部品がどこの物か分からなくなった」
あとからやるようにしたのは「閉じる前に電源を入れて確かめる」と「ブロワーでほこりを飛ばす」の2つです。ケーブルの抜き差しや部品の付け外しは、電源を切り、電池とACアダプターを外してから行います。点灯の確認は、前面を閉じる前に短く行い、終わったら電源を切ってから閉じます。前面を閉じてから画面のほこりやボタンの効きに気づくと、もう一度ネジを外して開けることになり、そのたびにリボンケーブルを抜き差しします。iFixitのPSP-3000のガイドも、液晶とホームバーはリボンケーブルでつながっているので完全に外さないこと、コネクタの小さな留め具を起こしてからケーブルを抜くこと、を手順に書いています。
閉じる前に確かめておくとよいのは、次のとおりです。
- 画面が点くか、液晶と前面のガラスの間にほこりがないか(ブロワーで飛ばしてから閉じる)
- 十字キー・ボタン・スティックが、全部押して効くか
- リボンケーブルが奥まで差さって、留め具が閉じているか(6章のIPS液晶のキットは、売り手の案内を優先)
- 外したネジが全部戻っているか(外した順に置いておく)
ブロワーと閉じる前の確認で、ほこりの失敗は減らせますが、なくせるわけではありません。IPS液晶の取付代行をするヒミツノバも、作業時にほこりを除いても、輸送の振動や静電気で本体内部に残ったほこりが画面と液晶の間に入ることがあり、完全には防げないと書いています。同じページは、古い本体では、ビス穴やネジ受けに外から見えない亀裂や欠けがあることや、プラスチックが劣化した本体では通常の分解・再組み立てでそれが表に出ることがある、とも書いています。
8. 動く中古を買い直す
ヤフオクの落札済みを、2026年9月11日〜10月12日の約1か月で数えた真ん中の値です(Yahoo!フリマで売れた物を含む検索結果。PSP本体のカテゴリで、まとめ売り・外装だけ・部品だけを除き、タイトルで型と状態を分けた)。表の「故障の表記なし」は、タイトルにジャンク・現状・通電のみ・故障などの言葉がない物で、動作が保証された物という意味ではありません。
| 型 | 故障の表記なし | ジャンク | ジャンクのうち画面の不具合をうたう物 |
|---|---|---|---|
| PSP-1000 | 5,200円(248件、半分が3,138〜6,703円) | 3,005円(258件) | 2,833円(8件) |
| PSP-2000 | 6,999円(215件、5,001〜9,000円) | 4,510円(187件) | 3,850円(9件) |
| PSP-3000 | 10,325円(468件、7,425〜14,025円) | 7,095円(716件) | 6,245円(24件、3,610〜9,968円) |
| PSP go | 20,405円(55件) | 13,900円(19件) | ― |
PSP-3000のジャンクのうちスティックの不具合をうたう物は7,275円(30件)でした。IPS化済みのPSP-3000は19,800円(9月11日以降で11件、7月14日〜10月9日の3か月でも30件で同じ19,800円)です。
表から言えるのは、PSP-1000・2000は、故障の表記がない中古の真ん中の値(5,200円・6,999円)が修理店の液晶交換(9,680〜9,800円)より安いことです。PSP-3000は10,325円で、修理店の液晶交換(9,680〜10,648円)とほぼ同じです。さらに、壊れた本体をジャンクとして売れば、その分が戻ります。ただし、売るには撮影・説明文・梱包・発送・買い手とのやり取りの手間がかかり、割れか映らないかなど故障の中身で値段は変わります。件数は売れた物だけで、売れ残りは入っていません。自分の本体がこの値段で売れる、買う中古がこの値段で手に入る、という予測ではありません。
中古を買うときは、画面の写真(焼け・黄ばみ・ドット抜け)、UMDの読み込み、充電できるか、電池の有無と膨らみ、スティックの効きを、説明と写真で確かめ、書かれていなければ出品者に聞いてください。PSP goはUMDのドライブがない別の作りの機種なので、ほかの型と値段を並べて比べないでください。電池は半分くらいが膨らんでいたというのが私の経験で(バッテリーの記事)、届いたら電池の膨らみも見てください。
壊れた本体を売るときは、メモリースティック デュオを抜き、本体に残る設定やデータの扱いを確かめてください。画面が映らず初期化できないなら、その状態で売るかどうかを考えます。自分で直した本体を売るなら、直した箇所と使った部品を説明に書いてください。
9. そもそも、今PSPを直す価値はあるか
ここは私の考えから書きます。私は「いうて互換機で動くので今やる価値があるかはかなり疑問。アップスケールに対応していたり、液晶も当然IPS品質なわけで」と考えています。実際、ANBERNICの日本公式サイトでは、2026年10月12日に見た92商品のうち11商品が、対応するゲームの一覧にPSPを入れていて、いちばん安いのはRG35XX Pro(8,999円)でした。互換機の選び方はANBERNICの選び方の記事にまとめています。「対応」は動かせる形式の一覧で、どのソフトが快適に動くかまでは書かれていません。互換機が手元のPSPの代わりになるかは、遊びたいソフトがどれだけ快適に動くか次第で、この記事では確かめていません。
ただし、互換機でPSPのソフトを遊ぶには、ソフトのデータが要ります。GBAのカートリッジにはGBxCartのような市販の吸い出し機がありますが、Amazon.co.jpで「UMD 吸い出し」と検索しても、商品は出てきませんでした(2026年10月12日)。私は「CFWを導入して実機から吸い出す」前提で考えています。CFWはPSPに入れる非公式のシステムソフトで、本体の改造にあたります。この前提には、次の3つの話が重なります。
- メーカーが禁じていること:PSP-3000の説明書は、本体の分解・内部解析・改造と、内部プログラムの無断利用や解析を禁じています(13ページ)
- 著作権法の決まり:文化庁は、技術的保護手段の回避で可能になった複製を、それと知りながら行う場合を私的使用の例外から除くと説明しています。また2018年12月30日からは、アクセスコントロール機能を持つ保護技術(技術的利用制限手段)を権原なく回避する行為を、著作権者等の利益を不当に害しない場合を除いて著作権等を侵害する行為とみなす、と説明しています
- この記事で判断しないこと:UMDの吸い出しやCFWの導入が、上の決まりのどれに当たるか。手順やツールも書きません(ゲーム機修理の記事の7章と同じ線引きです)
ネットに上がっているゲームのデータを落として使うのは、吸い出しとは別の問題です。違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードすることは、2021年1月1日から違法になりました。対象や、知っているかどうか、例外の条件があるので、詳しくは文化庁の説明を見てください。
公式に遊ぶ手もあります。SIEは、PlayStation Plusのプレミアムの「クラシックスカタログ」で、PS5とPS4で過去の作品が遊べ、PSPのオリジナル版も一部ある(アップレンダリングや早戻し、クイックセーブが加わったタイトルもある)と案内しています(2025年12月19日の記事では『パタポン3』『ソウルキャリバー Broken Destiny』『リッジレーサーズ2』)。記事の時点のタイトルで、いまも提供中とは限らないので、遊びたいタイトルがあるかはカタログで確かめてください。
まとめると、次のように分かれます。
| あなたの目的 | 向く手 |
|---|---|
| 手元のPSPそのものを使い続けたい | 電池・スティックは自分で、液晶は型で分ける(1000・2000は買い直しと比べる、3000はIPS液晶も候補)。計算機で比べる |
| PSPのソフトを遊べればいい | 遊びたいタイトルが公式(PlayStation Plusなど)にあるかを先に見る。互換機はソフトの用意の壁を承知のうえで |
| 手間をかけたくない | 動く中古を買う(PSP-1000・2000は修理店より安いことが多い)か、修理店に出す |
10. 計算機
部品代・道具代・時間と、自分で直せる見込みを入れると、修理店に出す・動く中古を買い直すと比べます。動く中古を買い直す費用は、壊れた本体を売った手取りを引いた額で出します。
PSPを自分で直すか、修理店に出すか、動く中古を買い直すかを比べる計算機
例を選んで「例を入れる」を押すと、この記事の例の数字が入ります。自分の機種と症状で考えるときは、数字を書き換えてから「計算する」を押してください。比べない手は、その欄を空欄にします。
自分で直す
修理店に出す
動く中古を買い直す
例の3つ(PSP-3000の液晶、PSP-1000の液晶、PSP-3000のスティック)では、この前提のもとで、壊れた本体を売って動く中古を買い直すのが、いちばん安い計算になりました。PSP-3000の液晶なら、買い直しが4,705円、自分で直す(見込み70%、失敗したら修理店)が9,078円、修理店が9,680円です。壊れた本体を売らない(空欄にする)と、PSP-3000の液晶は、自分で直すほうが見込み63.8%より高ければ修理店より安い計算に変わります。スティックは部品が安いので、見込みが78%より高ければ、売って買い直すより自分で直すほうが安い計算です。
例の見込み70%は根拠のある数字ではなく、例の値です。自分の見込みが分からなければ、50%や90%も入れて、結論がどれだけ変わるかを見てください。「失敗したら修理店に出す」は、失敗しても修理店の料金だけで直る前提の簡易な計算で、分解で別の部品を壊して直らない場合や、店が一度開けた本体を断る場合は入っていません。例では、壊れた本体を売るときの送料を0円(買い手が送料を払う出品)にしています。
これは金額だけの比較で、最安を約束する計算ではありません。売る手間、買った中古の当たり外れ、手元の本体への思い入れは入っていません。自分で使う本体で、直す手間を苦にしない人なら、計算どおりでなくても自分で直す理由はあります。
11. よくある質問
PSPの修理は、まだソニーでできますか?
できません。PSP-1000・2000は2014年3月31日、PSP-3000は2019年9月30日、PSP go(PSP-N1000)は2016年7月31日で、アフターサービスの受付が終わっています(2章)。
PSPの液晶交換は、いくらかかりますか?
修理店の料金表では9,680〜10,648円(税込)、目安の安い店で9,900円〜でした。自分で替えるなら、部品はAmazon.co.jpでPSP-1000用2,559円〜、2000用3,228円〜、3000用5,174円〜、3000用のIPS液晶10,900円〜です(4章・5章)。
PSPはゲオで修理できますか?
できません。ゲオの修理サービス(ゲオ デジタルベース)の対象は、iPhoneシリーズとNintendo Switchシリーズだけです(4章)。
PSPは自分で修理できますか?
iFixitでは、液晶の交換はPSP-3000が「かんたん」・10分、1000と2000が「ふつう」です。私は全部の型で液晶を替えてきましたが、再組み立てで、ほこり・ボタンの効き・ネジの取り違えに苦労しました。閉じる前に電源を入れて確かめ、ほこりをブロワーで飛ばしてから閉じてください(5章・7章)。
PSPの液晶をIPSにするには、どうすればいいですか?
PSP-3000には、加工やはんだ付けの要らない、入れ替えるだけのIPS液晶があります(Amazon.co.jpで10,900〜13,000円)。TA-095(07g)基板の本体には付けられないものがあるので、買う前に確かめてください。自分で付けない手として、取付の代行(11,000円、キット別)や、IPS化済みの中古(ヤフオクの真ん中の値で19,800円)もあります(6章)。
修理するより買い直したほうが安いですか?
PSP-1000・2000は、タイトルに故障の表記がない中古の真ん中の値(5,200円・6,999円)が、修理店の液晶交換より安いです。PSP-3000は10,325円で、修理店とほぼ同じです。壊れた本体を売れば差はさらに開きますが、売る手間がかかり、中古は動作の保証がありません。自分の数字は10章の計算機で比べてください。
自分で一度開けたPSPを、修理店に出せますか?
店によります。PSP-3000のIPS液晶の取付代行をするヒミツノバは、他店の液晶や、改造・修理の跡がある本体は対象外か断る場合があると書いています。自分で開けて直らなかったときに店に出すつもりなら、開ける前に店に聞いておいてください。
PSP goも直せますか?
iFixitでは、PSP goの画面の交換は「難しい」・1時間・21手順です。4章の修理店3社の料金表には、PSP goの料金が載っていませんでした。動く中古は真ん中の値で20,405円です(5章・8章)。
12. まとめ
- ソニーのPSPの修理は、全部の型で受付が終わっている(PSP-3000は2019年9月30日)
- 修理店の液晶交換は9,680〜10,648円。部品はPSP-1000用2,559円〜、3000用5,174円〜
- 自分で直すなら、iFixitで液晶交換はPSP-3000が「かんたん」。私がつまずいたのは再組み立てで、閉じる前の確認とブロワーで失敗を減らせる
- PSP-3000のIPS液晶は、対応する基板なら「入れ替えるだけで簡単だった」(私の経験)。使えない基板とケーブルの扱いに注意
- 調べた落札価格を前提にした試算では、壊れた本体を売って動く中古を買い直すのが安い例が多い(PSP-1000で故障の表記がない物は5,200円)。売る手間と中古の当たり外れは別
- 私は「互換機で動くので今やる価値があるかはかなり疑問」と考えているが、互換機で遊ぶにはUMDのデータの用意の壁があり、公式にはPlayStation Plusで遊べるタイトルもある
13. 参考資料
- ソニー・インタラクティブエンタテインメント「アフターサービス受付を終了した製品」https://www.playstation.com/ja-jp/support/hardware/repairs-no-longer-available/
- ソニー・インタラクティブエンタテインメント「PSP-3000 使用上のご注意/故障かな?と思ったら」(PDF。2・6・13・26ページ)https://www.playstation.com/content/dam/global_pdc/en/corporate/support/manuals/psp-docs/JA_PSP-3000-5.0_1_WEB.pdf
- PlayStation.Blog「PlayStation Plus『クラシックスカタログ』」(2025年12月19日)https://blog.ja.playstation.com/2025/12/19/20251219-psplus-classics/
- iFixit「PSP」のガイド(PSP 1000 LCD Screen Replacement、PSP 2000 Display Replacement、PSP 300x LCD Screen Replacement、PSP 300xc LCD Replacement、PSP Go Display Replacement、PSP 300x Analog Stick Replacement、PSP 2000 Analog Stick, D-pad and Action Keys Replacement、PSP 300x Battery Replacement)https://www.ifixit.com/Device/PSP
- ゲオ「『ゲオ デジタルベース』サービス詳細:修理サービス」https://geo-online.co.jp/campaign/special/store/geo-digitalbase-service-repair
- ゲーム修理工房「修理料金」https://game-repair-factory.com/price/
- ゲームホスピタル「PSP修理料金(一覧)」https://gamehospital.jp/price_psp.html
- BunnyCraft「PSP 修理料金表」https://bunnycraft.net/psp-repair-price/
- ヒミツノバ「PSP3000用IPS液晶 取付方法」(2026年1月24日)https://note.com/himitsunova/n/na1251ed2b32e、「PSP-3000 IPS液晶 取付代行サービス」https://www.himitsunova.com/items/152379728
- 文化庁「著作物が自由に使える場合」https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html
- 文化庁「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備」(技術的利用制限手段、2018年12月30日施行)https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/kantaiheiyo_hokaisei/
- ANBERNIC日本公式サイト(対応するゲームの一覧、値段)https://jp.anbernic.com/
- Yahoo!オークション「ご利用料金」(落札システム利用料 落札金額の10%)https://auctions.yahoo.co.jp/guide/guide/fee.html
- 値段:Yahoo!オークションの落札済みの検索結果、Amazon.co.jpの検索結果の表示(2026年10月12日)
14. あわせて読む
- PSPのバッテリーが膨らんだら?交換用の選び方と、膨張した電池の捨て方(電池の交換と出し先チェッカー)
- ゲーム機修理を自分でやる範囲と勉強法(メーカーが直さない機種をどう直すか)
- 3DSの修理はどこに出す?任天堂の受付終了後の修理店の料金・データの残し方
- ANBERNICはどれを買う?中華互換機の選び方と、3DSを遊びたいときの選択肢
- GBAのIPS液晶化は自分でできる?キットの選び方・代行の料金と、売るために作って赤字だった話
- ジョイコンの修理はどれが安い?任天堂・修理店・自分で直す・買い直すを比べる
- ジャンク修理の始め方と勉強法
15. この記事について
| 書いた人 | 中古品の売買を20年近く続けている古物商。ゲームボーイアドバンスからPSP、DS、3DS、据え置き機まで自分の手で直してきた。PSPは液晶(1000を含む全部の型)、電池・外装、スティック・ボタン。自分用が中心 |
| この記事の読み手 | PSPが壊れて、直すか、修理店に出すか、動く中古を買い直すかを決めたい人 |
| 一次情報 | 1章の答え(直した型と部品、苦労したところ、再組み立てで起きたことと対策、IPS液晶、直す価値についての考え、互換機で遊ぶときの前提) |
| 確かめた日 | 2026年10月12日(SIE、PSP-3000の説明書、PlayStation.Blog、iFixit、修理店3社、ゲオ、ヒミツノバ、文化庁、ANBERNIC日本公式サイト、Yahoo!オークション、Amazon.co.jpの表示) |
| 相場 | ヤフオクの落札済み(Yahoo!フリマを含む検索結果)を、PSP本体のカテゴリで、タイトルで型と状態に分けた真ん中の値(9月11日〜10月12日)。「故障の表記なし」は「タイトルにジャンク・現状・通電のみ等がない物」で、動作の保証ではない。画面・スティックの不具合をうたうジャンクは件数が少ない |
| 計算機 | 10章:金額だけの単純な計算。道具代・作業時間・見込み・売るときの送料0円は例の値。失敗しても修理店の料金で直る前提 |
| 確かめられなかったこと | 型をまたいだ液晶の互換。PSP-1000用IPSキットの付けやすさ。PSP goの修理料金。自分で一度開けた本体を修理店が受けるか(店ごとに違う)。互換機でPSPのソフトがどれだけ快適に動くか。UMDの吸い出しの法的な扱い |

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