ケーコジ(携帯乞食)は転売だと思われています。端末を安く手に入れて売る行為が目立つからです。私はそう捉えていません。これは継続ありきの資産運用です。回し続けている限り、スマホの通信料金がずっと0円になる。それだけの話で、それだけの話が、インフレの時代に家計へどれだけ効くかを、この記事は数字で示します。
先に私の現状を出します。2023年から自分で案件を管理して回していて、再開当初はドコモ5回線・au5回線・ワイモバイル5回線を半年運用し、1名義で年間15万円に迫る規模でした。規制が進み、ドコモは私の名義では2回線目の審査が通らなくなって撤退。いまはUQ mobile 2回線とワイモバイル1回線、単身なので名義は1つだけ。年間の期待値はおそらく10万円を割っています。それでも続けている理由は、契約が半年に1回で大変ではないことと、それで通信費が0円になっていることに、私自身がメリットを感じているからです。
案件の探し方は、手配師より先に「週末の出張店舗で家族まとめて交渉する」を書きました(第7章)。手配師なしで、自宅の近くで完結する方法です。
この記事は、サイト内に散らばっていたMNP弾・寝かせ期間・手配師・案件の探し方・ブラックリスト・用語・利益計算の記事を1本にまとめたものです。法令と総務省資料の部分は原文で引きます。私の実測の部分は、私の管理シートからそのまま出します。管理シートの配布版は第14章に置きました。
- 1. 私の履歴:2015年からの3期
- 2. なぜ「資産運用」なのか:通信費0円 × 生涯 × インフレ
- 3. 1回線の計算式と、私のCB相場
- 4. 弾と寝かせ期間:私の設計図
- 5. ブラックリストについて:総務省が書いていることと、私の実測
- 6. 契約解除料:全社「1年」で揃った
- 7. 案件の探し方:一番簡単なのは週末の「出張店舗」
- 8. 受け取れる額には、省令で天井がある
- 9. 名義:ここだけは判断を間違えてはいけない
- 10. SIM単体か、端末付きか
- 11. 税金:20万円の壁の正体
- 12. 手続きの現在地
- 13. 経済圏:光・電気・カードをぶら下げる
- 14. 管理シートと計算機
- 15. やらないことと、今後の見立て
- 16. よくある質問
- この記事で参照した一次情報
1. 私の履歴:2015年からの3期
| 期間 | 体制 | 規模 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2015〜2017年 | 運用を全部やってくれる人に任せていた | — | 規制で収益が悪化したのを境に一度撤退 |
| 2023年〜 | 自分で仕組みを理解し、案件を自分で管理。手配師を常に利用 | ドコモ5回線・au5回線・ワイモバイル5回線を半年運用 | 1名義で年間15万円に迫る |
| 現在(2026年) | 同上。SIM単体契約のみ、端末は買わない | UQ mobile 2回線・ワイモバイル1回線。名義は1つ | 年間期待値はおそらく10万円未満。通信費は0円 |
再開当初から現在までに減ったのは、規制と、私の名義のブラック(第5章)と、各社が1名義で契約できる回線数を絞ったことの3つが理由です。単身で名義が1つしかないのは、この運用ではかなり不利な条件です。夫婦なら2倍、親と同居なら4倍になる(第9章)。それでも1名義で年10万円弱、通信費0円は維持できています。
2. なぜ「資産運用」なのか:通信費0円 × 生涯 × インフレ
ケーコジの1回の手残りは、上限が省令で決まっています(第8章)。1回線あたり最大4万円(税抜)。これは「上限が上がらない」という意味で、努力の量を増やしても手取りは増えません。だから「稼ぐ手段」として見ると、すぐ天井に当たります。
私が見ているのは別の数字です。受け取るCBが年間の通信費を上回っている限り、通信費は0円です。私の現在の構成(UQ 2回線+ワイモバ1回線、すべて最安プラン)なら、通信費は年7万円前後。手残りが10万円を割っても、通信費を上回っているので、実質の通信費はマイナスです。この状態を10年、20年、30年と続けると、どうなるか。
2-1. 動かない人が生涯に払う通信費
| 1人あたりの月額 | 10年 | 20年 | 30年(値上げなし) | 30年(年2%値上げ) | 30年(年3%値上げ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,500円(格安SIM最安級) | 18万円 | 36万円 | 54万円 | 73万円 | 86万円 |
| 3,000円(格安SIM・サブブランド) | 36万円 | 72万円 | 108万円 | 146万円 | 171万円 |
| 5,000円(大手の中位プラン) | 60万円 | 120万円 | 180万円 | 243万円 | 285万円 |
| 7,000円(大手の無制限級) | 84万円 | 168万円 | 252万円 | 341万円 | 400万円 |
4人家族で大手の中位プランなら、30年で720万円、年2%の値上げを見込めば約970万円です。これが「通信費」という名前で家計から出ていく金額の桁です。ケーコジは、この支出を0円にした上で、年に数万円〜十数万円の手残りを積む運用です。
2-2. インフレの時代に「0円の固定費」が意味すること
インフレ局面では、固定費は毎年少しずつ重くなります。通信費も例外ではなく、各社のプラン改定は上がる方向に動いてきました。ここで効くのが、0円は値上げされないという単純な事実です。上の表で「値上げなし」と「年2%」の差が30年で60万円以上開くのは、動かない人の側だけが値上げを受けるからです。
資産運用としての性質を整理すると、こうなります。元手はゼロ。上限は省令で公開されているので期待値が事前に計算できる。継続している限り、生涯にわたって通信費という支出が発生しない。年2回の契約という手間が、参入障壁になっている。株や不動産と違って値下がりリスクがなく、代わりに「規制で条件が変わる」というリスクを負う。私と私の顧客は、この構造を理解した上で取りに行っています。
3. 1回線の計算式と、私のCB相場
1回線の手残り = CB −(事務手数料 + 月額 × 維持月数 + オプション料 × 指定月数 + 契約解除料 + 弾の維持費)
端末付きで契約する場合は「+ 端末売却額 − 端末代金」を足す。私は現在SIM単体なので端末の項はゼロ。
3-1. 私の相場:UQは1回4万円〜、ワイモバイルは2万5,000円〜
いずれもSIM単体・最安プランで、これが私の実測の相場です。時期と案件で動くので、下限として読んでください。
CBが跳ね上がる仕組みも書いておきます。契約時に「真ん中のプラン」で組まれたり、オプションを付けられたりすることがあります。ゴミオプションを付けるからCBが跳ね上がるのであって、店側の都合とこちらの利益は一致しています。私はプランは契約後に最安へ変更し、オプションは店から言われた維持期間を守ってから解約します。ここを守らないと店側に報酬の返還が発生するので、言われた期間は守る。それが手配師と店を信用できる状態に保つ最低条件です。
3-2. 実例:UQ mobile・SIM単体・半年
| 項目 | 金額 | 前提 |
|---|---|---|
| CB | +40,000円 | 私の相場の下限 |
| 事務手数料 | −3,850円 | 各社の料金表で確認 |
| 月額 × 6ヶ月 | −12,000円 | 最安プランを月2,000円と置く。契約後に変更した前提 |
| オプション × 2ヶ月 | −2,000円 | 店から言われた維持期間を守った場合の仮置き |
| 契約解除料 | −1,100円 | 1年未満の解約。2025年10月以降の新規契約(第6章) |
| 手残り | +21,050円 | 半年間スマホを使った上でこの額 |
半年で21,050円、実質月額は−3,500円です。ワイモバイルはCB25,000円なら同じ前提で約8,000円。ただしワイモバイルにはLYPプレミアムが無料になる特典があり、ヤフオクを使う私にはそれ自体が月500円相当の価値なので、私の評価ではもう少し高くなります。
4. 弾と寝かせ期間:私の設計図
「弾」は、MNPで転入するための番号を持った回線のことです。CBの出る案件は「他社からの乗り換え」が条件なので、乗り換え元になる安い回線を先に作っておきます。ここが、この分野で一番検索されている部分なので、私が実際にやっている形をそのまま書きます。
4-1. 弾の作り方:日本通信・イオンモバイル・povo
弾は主に日本通信とイオンモバイルで作っています。月額が最安級で、開通が速く、転出に制約がないからです。povoは基本料0円で維持できるので弾として優秀ですが、私はpovoも半年は維持したいので、最初の弾は日本通信などで作り、povoは「半年維持したUQから落ちる先」として使っています。
弾の維持費は式に入れます。日本通信の最安プランを月290円と置いて半年寝かせると、290円×6ヶ月+事務手数料3,300円で約5,000円。これが1回線の手残りから引かれます。
4-2. 現在の回し方(UQ 2回線・ワイモバ1回線)
日本通信・イオンで弾を作る ↓ MNP ワイモバイル(半年維持・CB2.5万〜) ↓ MNP UQ mobile(半年維持・CB4万〜) ↓ 番号移行 povo(半年維持・基本料0円) ↓ MNP ワイモバイル … に戻る。足りない分は弾を1つ追加
ワイモバイルからUQへ飛ばし、UQは半年維持したらpovoへ落とし、povoを半年維持してからワイモバイルへMNP。回線が3つしかないので、途中で弾を1つ足して穴を埋めます。これで各社の「半年」を守りながら、年に2回の契約で回っています。
4-3. 私が守っている維持日数(管理シートの数字)
ここは各社が公表している数字ではありません。私の管理シートに書いてある、私のルールです。根拠は自分の実測(第5章のドコモ部分ブラック)と、界隈で共有されている経験則で、外れることもあります。
| キャリア | 私の維持日数 | メモ |
|---|---|---|
| au | 契約日を含めて183日 | |
| UQ mobile | 210日以上 | 半年維持したらpovoへ |
| ソフトバンク・ワイモバイル | 契約日を含めて196日以上 | ワイモバは1名義1回線に絞られた |
| ドコモ | 210日維持。再契約は365日経過後に試す | 私は部分ブラック。現時点で撤退 |
| 全キャリア共通 | 月5分以上の通話と500MB以上の通信 | 一部の案件では必須。「寝かせ」は通話も通信もせず放置することで、私はやらない |
公表されている数字のほうも書いておきます。各社が2024年以降に新設した契約解除料は、全社「1年以内の解約」が条件で、金額は1,100円前後です(第6章)。だから「半年で回す」と「1年持つ」の差は、解除料1,100円と、半年分の維持費の差だけで、数万円のCBに対して小さい。私が半年で回しているのはそういう計算で、1年持って解除料をゼロにするより、半年で次のCBを取るほうが期待値が高いからです。
4-4. 「180日ルール」「210日」について
検索でよく来る「ドコモ 180日ルール」「210日」は、各社が公表した数字ではなく、界隈の経験則です。私も上の表のとおり自分の日数を持っていますが、それが正しいと保証はできません。私の実測で言えるのは、ドコモを半年運用で回した結果、端末付きの契約が2回線目で審査に落ちるようになったということだけです。SIM単体なら通ります。
5. ブラックリストについて:総務省が書いていることと、私の実測
5-1. 4社は「短期解約のブラックリストは運用していない」と答えている
総務省の「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」第43回会合(令和5年4月25日)資料1に、大手4社の発言が載っています。
サービス利用意思を伴う手続きにおいて、短期解約のみを理由とした役務提供拒否は行っていない。(NTTドコモ)
当社では、短期解約のブラックリストの運用は全く行っていない。(ソフトバンク)
短期解約があったことのみを理由にお断りはしていない。(楽天モバイル)
総務省の整理は、電気通信事業法第121条第1項(正当な理由がなければ役務提供を拒んではならない)により、「短期解約を行ったことがある」という事実のみでは役務提供を拒否できる正当な理由に該当しない、というものです。さらに、消費者保護ルールに関するガイドライン(令和8年5月最終改正)第6章は、販売代理店が「短期解約を行うとブラックリストに入る」と案内することを、不実告知にあたりうる例として挙げています。店頭でそう言われたら、その説明を根拠に判断する必要はありません。
5-2. ただし「1人1回」の特典設計は認められている
同じ資料の末尾に、「利益の提供を1人1回に限ること等により転売ヤー対策を行うことを妨げるものではない」と書かれています。つまり短期解約を理由に契約を断ることはできないが、特典を1人1回に絞ることはできる。auとUQ mobileの約款には、同一名義の通話可能契約が5以上のとき申込みを承諾しないことがある、という条項もあります。実務で「同じ会社の同じ特典を短期間に何度も取れない」のは、こちらの理屈です。
5-3. 私の実測:ドコモは部分ブラック、au/UQは端末ブラック(推定)
公的資料が言っていることと、私の身に起きたことを分けて書きます。
| キャリア | 私に起きたこと | 私の解釈 |
|---|---|---|
| ドコモ | 半年運用を続けた結果、1回線は契約できるが、2回線目で端末付きの審査に落ちる。1回線しか持てない | 「部分ブラック」。実利用をドコモでしないので、ブラックになってもダメージはなかった。現時点で撤退 |
| au/UQ mobile | 端末付きの契約は審査が通らない。SIM単体は通る | おそらく端末ブラック。SIM単体で回している理由の一つ |
| ソフトバンク/ワイモバイル | 端末付きでも契約できる | ただしSIM単体のほうが条件が良いので端末は付けていない |
「ブラックリストはない」という公的な整理と、「2回線目で審査に落ちる」という私の実測は、矛盾していません。短期解約を理由に断ってはいけないが、審査の理由は開示されないし、特典を絞る設計は認められている。外から見えるのは結果だけです。だから私はブラックになっても困らない会社から回すことにしています。ドコモは実利用していないので、ブラックになっても何も失いませんでした。
6. 契約解除料:全社「1年」で揃った
「ブラックリスト」の代わりに置かれたのが契約解除料です。4社とも2024年以降に新設し、条件は「1年以内の解約」で揃っています。
| 事業者 | 条件 | 金額(税込) | 対象 |
|---|---|---|---|
| NTTドコモ | 1年以内の解約(MNP含む) | 1,100円 | 2025年7月1日以降の個人新規契約 |
| au/UQ mobile | 契約から1年以内の解約 | 1,100円 | 2025年10月1日以降の新規契約(au/UQ/povo間の番号移行は対象外) |
| ソフトバンク | 提供開始月から12か月以内の解約 | 1,100円(プランにより748円・528円) | 2026年7月1日以降の新規・のりかえ(ワイモバイル・LINEMOへの番号移行は対象外) |
| ワイモバイル | 12か月以内の解約 | 858円〜1,100円 | 2026年7月1日以降 |
| 楽天モバイル | 利用開始から1年以内 | 最大1,078円(1,100円のプランあり) | 2025年4月1日以降 |
各社の公表資料より作成。基準日2026年8月26日。改定されるので実行前に各社の告知で確認してください。
金額が1,100円で横並びなのは、電気通信事業法施行規則第22条の2の17第4号が「違約金等の額と特定経済的利益の額との合計額が千円を超えるもの」を禁じているからです。税抜1,000円が上限で、4社は上限いっぱいを取っている。解除料を払って解約すること自体は、規約違反でも法律違反でもありません。契約に書かれた条件どおりに解約しているだけです。
7. 案件の探し方:一番簡単なのは週末の「出張店舗」
7-1. 週末に家電量販店・モール・ホームセンターへ行く
手配師の話を先に書くと、ハードルが高く見えて実行に移せる人がいなくなるので、順番を変えます。一番簡単で、一番再現性が高いのは、週末や祝日に家電量販店・ショッピングモール(地方ならイオンなど)・ホームセンターへ行くことです。
行けば分かりますが、通路に陣取って出店している携帯の「出張店舗」が高い確率で見つかります。出張店舗はその日のために予算を確保し、顧客を獲得するために大々的にキャンペーンを打っています。だから条件がもともと良く、しかも交渉の余地がある。ここで「家族でまとめて乗り換えるから、条件を良くしてほしい」と交渉する。これだけです。
| 項目 | 出張店舗 | 手配師 |
|---|---|---|
| 探す場所 | 自宅の近くの量販店・モール・ホームセンターの通路(週末・祝日) | DiscordとX |
| 必要なもの | 本人確認書類、家族の同意(各自が自分の名義で契約する) | 案件を見抜く目、詐欺を避ける経験、紹介料 |
| 交渉 | 「家族でまとめて乗り換える」を材料に条件を上げる | 手配師が店と条件を決めている |
| 成立する場所 | 一定規模の人口がいる街なら全国どこでも。私は実際に多く成立しているのを見てきた | 都市部の案件に偏る |
| リスク | ほぼなし。契約は店頭で本人が行う | 詐欺(7-3) |
出張店舗が家族まとめての乗り換えに強いのは、店側の評価が「その日に何回線取れたか」で決まるからです。1人で1回線より、家族で3回線のほうが、店にとって価値が高い。だから条件が動く。こちらは各自が自分の名義で契約するだけなので、名義の問題(第9章)も生じません。手配師も要らず、自宅の近くで完結します。まずここから始めてください。番号を1本だけ実質0円で持ちたい人(仕事用の連絡先や開業用)向けには、この出張店舗の方法だけを切り出した電話番号を無料で取得する方法はいまはないを別に置きました。
7-2. 手配師とは(次の段階)
手配師は、CBの出る店舗案件を探して紹介する仲介者です。出張店舗で回し方を覚えた人が、回線数を増やしたり条件の良い案件を狙ったりする段階で使うものだと考えてください。私は2023年の再開以来ずっと手配師を使っていますが、それは単身で名義が1つしかなく、「家族でまとめて」の材料がないからです。探す場所はDiscordとXです。契約は必ず自分が、自分の名義で、店舗に出向いて行います。手配師が代わりに契約する形は、名義の問題(第9章)になるので、私はやりません。
7-3. Xで詐欺に遭った
手配師を使う上で、私は一度、Xで詐欺被害に遭っています。そこから決めたルールが3つあります。
| 危険信号 | 私の対処 |
|---|---|
| 条件が良すぎる | 相場(第3章)から大きく外れる案件は疑う |
| 作ったばかりのアカウント | 使わない。実績が追える相手だけ |
| 「店舗に予約を入れた」と言われた | 自分でも店舗に電話して、予約が本当に入っているか確認する |
そして進め方は一つです。最低料金で手配師を使い、安全を確認してからレバレッジを上げる。最初から高い案件、高い手数料、複数回線でやらない。1回線を安く回して相手が信用できると分かってから、回線数を増やす。手配師の相場は案件ごとに違うのでこの記事には書きません。私の基準は「最低料金から始める」だけです。
7-4. どの探し方でも共通すること
出張店舗でも手配師でも、CBの額・条件・オプションの維持期間・受け取り時期は、契約前に書面かメッセージで残してください。口頭だけの条件は、あとで確認できません。契約は必ず本人が、自分の名義で行う。ここは探し方に関係なく同じです。
8. 受け取れる額には、省令で天井がある
根拠は電気通信事業法第27条の3と、電気通信事業法施行規則第22条の2の16です。「対照価格」(ざっくり言えば端末の定価)ごとに、値引きと特典の合計の上限が決まっています。
| 端末の定価(対照価格) | 値引き・特典の上限 |
|---|---|
| 8万円超 | 4万円(税抜) |
| 2万円超〜8万円以下 | 定価の5割、または2万円の、いずれか高いほう |
| 2万円以下 | その端末の定価まで(実質0円までは可能) |
出典:電気通信事業法施行規則 第22条の2の16第1項第2号(e-Gov法令検索・2026年8月10日施行の現行版)。キャリアと代理店から受け取る「合計利益提供額」で判定されます。
経緯だけ短く書きます。2019年10月の改正で、回線契約と端末購入をセットにした値引きが禁止され、上限は2万円になりました。2023年12月の改正で上限が4万円に上がり、同時にいわゆる「白ロム割」(端末購入だけを条件にした値引き)も上限の内側に入りました。例外が2つあり、最終調達日から12か月経過で定価の半額、24か月で8割、36か月で定価まで値引きできる「在庫が古い端末」の特例と、ミリ波対応端末の5万5千円への読み替えです。「型落ちが突然1円になる」現象の正体は前者です。
私の相場(UQ 4万円〜)は、この上限の近くにあります。上限が公開されているということは、期待値が誰にでも計算できるということで、それがこの運用を「資産運用」と呼べる理由の一つです。逆に言えば、この上限は上がりません。SIM単体の私の相場が上限を超えて見える場合は、オプションや店舗独自の還元が乗っているためです。
9. 名義:ここだけは判断を間違えてはいけない
この運用は名義の数だけ規模が変わります。私は単身で名義が1つしかないので不利ですが、夫婦なら2倍、親と同居なら4倍です。条件は一つだけで、各人が、自分で、自分の名義で契約すること。
根拠は携帯電話不正利用防止法です。第3条第4項は本人確認の場で本人特定事項(氏名・住居・生年月日)を偽ることを禁じ、第19条は隠ぺいの目的でこれに違反した者を50万円以下の罰金としています。自分が契約者でない回線の端末を他人に譲渡する行為(第21条)も同じ罰金で、業として行えば2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。他人の名義で契約する、名義を貸すというのは、ここに直接触れます。
家族と一緒にやるなら、形はこうです。契約者はその人自身、本人確認書類もその人のもの。手続きに同席して、書類を用意して、プランを一緒に選んで、解約可能日を管理する。ここは全部手伝えます。受け取った特典が誰のものかは、事前に話しておく。支払いのカード・口座の名義は契約者本人に揃える(UQ mobileの約款は名義不一致を不承諾の事由に挙げています)。この形なら「名義の数だけ規模が増える」はそのまま成立します。ズルをしなくても成立するのだから、ズルをする理由がありません。
10. SIM単体か、端末付きか
私は現在、SIM単体でしか契約していません。理由は2つで、au/UQは端末付きの審査が通らないこと(第5章)と、ソフトバンク/ワイモバイルは端末付きで契約できるがSIM単体のほうが条件が良いと感じていることです。端末を買って売る工程がないぶん、手間も、残債やネットワーク利用制限の問題も、古物商の線引きの問題もありません。
端末付きで回していた当時の売却先は、秋葉原の買取一丁目とドラゴンモバイルでした。当時の話なので、現在の相場や店舗の状況は確認していません。端末を売る場合の注意だけ残しておきます。自分名義で正規に購入した端末を自分で売るだけなら古物商許可は要りません(古物営業法第2条第2項第1号のかっこ書き)。他人から買い取って売るなら許可が要り、無許可営業は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。割賦が残っている端末は所有権こそ引き渡し時に移っていますが、支払義務は残り、残債がある間はネットワーク利用制限の対象になります。残債を払い切ってから売るか、判定状況を明記して売ってください。
「移動機物品販売」(回線契約なしで端末だけを買う)は、私は現在やっていないので、この記事では扱いません。
11. 税金:20万円の壁の正体
国税庁タックスアンサーNo.1907は、決済代金に応じてその企業から付与されるポイントを「値引き」として非課税扱いにしていますが、注書きで、キャンペーンで臨時・偶発的に取得したポイントや、共通ポイント運営企業から付与されたポイントは、一時所得や雑所得などに算入するとしています。契約特典のポイントは後者側に入る可能性が高い読み方です。現金CBについては、国税庁の直接の資料は確認できませんでした。近い一次情報として、東京国税局の文書回答事例(平成21年3月23日)が、購入という行為に密接に関連して交付されるものは対価性があるため雑所得、という整理を示しています。
「20万円以下なら税金がかからない」は条文の読み違いで、所得税法第121条第1項第1号は、給与を1か所から受けていて給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら確定申告書の提出を要しない、という手続きの免除です。非課税ではありません。医療費控除などで確定申告をするなら20万円以下の所得も併せて申告する必要があり(タックスアンサーNo.1900)、住民税は別制度で、確定申告をしない場合は申告が必要です(地方税法第317条の2)。
12. 手続きの現在地
MNP予約番号は、2023年5月開始のMNPワンストップ方式なら発行申請が不要です。ただし乗り換え先のWebで申し込む途中で、転出元のマイページにログインする必要があります。ID・パスワードが分からないとそこで止まります。MNP転出手数料は4社ともWebなら無料です。SIMロックは2021年10月以降の端末は原則なしです。
契約から8日以内なら、初期契約解除制度(電気通信事業法第26条の3)で書面により解除できます。起算点は書面を受領した日(提供開始日が後ならその日)、書面によること、発信主義の3点を押さえてください。端末の割賦契約は別契約なので、回線を初期契約解除しても端末代金は自動では消えません。
13. 経済圏:光・電気・カードをぶら下げる
ケーコジを回している人には、携帯会社の経済圏を一緒に使うことで、光回線・電気・カードの特典が乗ります。私はワイモバイルを回している期間にSoftBank光を契約して「おうち割」を適用し、同時にソフトバンクでんきへ切り替えてPayPayポイント5,000を受け取っています。ワイモバイルはLYPプレミアムが無料になるので、ヤフオクを使う私には通信費以外のメリットもあります。携帯会社のクレジットカードで支払うと割引が入るものもあるので、会社を渡り歩くたびにカードも合わせると取りこぼしません。
それぞれの実測と計算式は別記事に置いています。光回線(3ヶ月維持で回した履歴と生涯差額)、電気(ハピタスで5社一周66,000ptの実測)。設計思想は3つとも同じで、携帯会社が用意している経済圏はセットで使うことで利益を底上げする、です。
14. 管理シートと計算機
14-1. 私の管理シート(配布版)
この運用は記録をつけないと必ず崩れます。解約可能日を忘れるからです。私は2023年からスプレッドシートで管理していて、その配布版を用意しました。列は「キャリア/名義/弾の元回線/契約日/私の維持日数/解約可能日/解除料が0円になる日(契約日+365日)/経過日数/契約店舗/CB/事務手数料/月額/オプションと維持期間/解除料/弾の維持費/手残り」。解約可能日が近づくと色が変わり、年間の手残りと通信費の比較(通信費が0円になっているか)が自動で出ます。
14-2. 計算機:自分の名義数と月額で生涯差額を出す
初期値は私の現在の条件(1名義・年2回・CB平均3.5万円・最安プラン2,000円)です。
| 1契約の手残り | — |
|---|---|
| 時給換算 | — |
| 世帯の年間手残り | — |
| 世帯の年間通信費(ケーコジ中・最安プラン) | — |
| 通信費0円の判定 | — |
| 動かない世帯が払う通信費(30年・値上げ込み) | — |
| 10年の差額 | — |
| 20年の差額 | — |
| 30年の差額 | — |
差額 =(動かない世帯の通信費の累計・値上げ込み)+(回す世帯の累計手残り)。回す世帯の通信費は手残りの中で払い終えている前提。上限は省令で決まっているので、CBに4万円(税抜)を超える値を入れる場合はオプションや店舗独自還元の分として扱ってください。
15. やらないことと、今後の見立て
| やらないこと | 理由 |
|---|---|
| 他人名義・名義貸し | 携帯電話不正利用防止法に触れる(第9章)。ズルをしなくても成立する |
| 店頭で事実と違うことを言う台本 | 本人確認の場での虚偽は罰則がある。自分で使う回線を自分の名義で契約するなら、正直に答えればいい |
| 複数アカウントでのキャンペーン周回 | 各社の規約に正面から違反する |
| 条件の良すぎる案件・作りたてのアカウントの手配師 | 私はXで詐欺に遭った(第7章) |
| 店から言われたオプションの維持期間を破ること | 店側に報酬返還が発生し、手配師と店が使えなくなる |
| ブラックになると困る会社から回すこと | 私はドコモから回してブラックになったが、実利用していないので無傷だった。実利用の会社は最後に |
今後の見立ても書いておきます。ワイモバイルが1名義1回線に絞られ、ドコモが私の名義で通らなくなった直近の市況では、旨味は浅い。ただ、代理店は数字をここまで厳しく規制されると契約が取れなくなるので、いずれ条件が緩む可能性があると私は見ています。緩んだときにすぐ反応できるように、利益が出る間は回線を止めずに回しておく。それが「継続ありき」の意味です。ドコモは撤退中ですが、契約できる人なら3万円以上のCBが出る案件はまだあります。
16. よくある質問
ケーコジとは何ですか
携帯電話のMNP(番号を持ったまま乗り換え)に付く特典を、半年〜1年ごとに乗り換えて受け取り続けることです。「携帯乞食」の略で、呼び方は悪いですが、やっていることは各社が公開している特典を条件どおりに受け取っているだけです。私はこれを、通信費を0円にし続ける資産運用として捉えています。
ケーコジは儲からない・終了と言われますが
2019年以前の「一括0円+現金10万円」は法律が変わって戻りません。上限は省令で4万円(税抜)です。「稼ぐ手段」としてはその通り天井があります。ただ、上限があるということは期待値が計算できるということで、通信費を0円にする目的なら、1名義・年2回でも成立しています(第2章・第3章)。
MNP弾の寝かせ期間はどれくらいですか
各社が公表した数字はありません。公表されているのは契約解除料の条件「1年以内」だけです。私は半年(au 183日、UQ 210日、ソフトバンク/ワイモバ 196日、ドコモ 210日)で回し、月5分の通話と500MBの通信は毎月行っています。「寝かせ」(通話も通信もせず放置)は私はやりません(第4章)。
povoは弾になりますか
なります。基本料0円で維持できるので弾として優秀ですが、私はpovoも半年は維持したいので、UQから落ちる先として使い、最初の弾は日本通信などで作っています(第4章)。
手配師を使わずに案件を見つけられますか
見つけられます。週末や祝日に家電量販店・ショッピングモール・ホームセンターへ行くと、通路に出張店舗が出ています。予算を持ってキャンペーンを打っているので、「家族でまとめて乗り換える」を材料に交渉すれば条件が動きます。一定規模の人口がいる街なら全国で成立します(第7章)。
手配師とは何ですか。違法ですか
CBの出る店舗案件を紹介する仲介者です。契約は自分が自分の名義で店舗に出向いて行うので、名義の問題は生じません。私はDiscordとXで探し、Xで一度詐欺に遭いました。条件が良すぎる・作りたてのアカウント・予約の裏取りができない、この3つは避けてください(第7章)。
短期解約するとブラックリストに載りますか
大手4社は総務省の会合で「短期解約のみを理由とした役務提供拒否は行っていない」と答え、総務省は代理店がそう案内することを不実告知にあたりうるとしています。一方で私はドコモで2回線目の審査に落ちています。公的な整理と実測は矛盾していません。審査理由は開示されず、特典を1人1回に絞る設計は認められているからです(第5章)。
家族の分をまとめて自分が契約してもいいですか
いけません。各人が自分の名義で契約する必要があります。手続きに同席する、書類を用意する、解約可能日を管理する、はすべて手伝えます(第9章)。
結局、やる価値はありますか
通信費を生涯0円にする価値があると思うなら、あります。1名義・年2回の手間で、30年の通信費(1人180万円〜、値上げ込みなら240万円〜)が消える。それを取りに行くのが私と私の顧客です。稼ぐ手段として見るなら、上限があるので他のことをしたほうがいい。
この記事で参照した一次情報
| 論点 | 出典 |
|---|---|
| 値引き・特典の上限(4万円ほか)、在庫が古い端末の特例 | 電気通信事業法 第27条の3/同施行規則 第22条の2の16(e-Gov法令検索・現行版) |
| ミリ波端末の読み替え | 総務省「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」(令和6年12月改正)脚注 |
| 「白ロム割」の規制対象化 | 総務省「電気通信事業法施行規則等の一部改正 概要」(令和5年11月) |
| 解除料の上限(税抜1,000円) | 同施行規則 第22条の2の17第4号 |
| 4社の「ブラックリストは運用していない」という回答、総務省の整理 | 総務省「競争ルールの検証に関するWG」第43回 資料1(令和5年4月25日)/電気通信事業法 第121条・第27条の2 |
| 「ブラックリストに入る」との案内が不実告知にあたりうること | 総務省「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」(令和8年5月最終改正)第6章 |
| 各社の契約解除料 | 各社公式告知(ドコモ 2025年6月17日/au・UQ 2025年9月24日/ソフトバンク・ワイモバイル 2026年6月1日/楽天モバイル 公式FAQ) |
| 契約数の上限、支払名義 | au(LTE)通信サービス契約約款/UQ mobile通信サービスⅡ契約約款 |
| 名義・譲渡・罰則 | 携帯電話不正利用防止法 第3条第4項・第7条・第19条・第21条 |
| 古物商許可の要否 | 古物営業法 第2条第2項第1号・第3条・第31条 |
| ポイント・CBの課税、20万円ルール、住民税 | 国税庁タックスアンサー No.1907・No.1900/東京国税局 文書回答事例(平成21年3月23日)/所得税法 第121条/地方税法 第317条の2 |
| MNPワンストップ、転出手数料、初期契約解除 | 総務省「携帯電話ポータルサイト」/各社公式/電気通信事業法 第26条の3 |
法令・約款は2026年8月26日に原文で確認。私の実測とCB相場は2026年9月時点。法令・約款・料金・案件は改定されるので、実行前にご自身で最新のものを確認してください。

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