人生が消化試合に感じたら、順位表を降りる|20年一人で働いた私の残り時間

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「人生消化試合」と検索してここに来た人へ。この記事は励ましません。

以前のこの記事には「30代の8割が消化試合感を経験している」という統計と、転職や地方移住で人生が変わった「Aさん、Bさん、Cさん」が載っていました。統計の出典は示せず、3人は実在を確認できない事例だったので、全部消しました。代わりに、20年近く自宅で一人で働いてきた私自身が、いつ消化試合になり、そこで何をしたかを書きます。

先に結論を言います。消化試合とは「勝負が決まったあとの残り時間」のことですが、決まったのは人生の勝負ではなく、どこかの順位表の順位です。その順位表を特定して降りれば、残り時間は消化試合ではなくなります。私はこれを実際にやりました。

消化試合とは何か:順位表がなければ成立しない

野球の消化試合は、優勝の可能性が消えたチームが残り日程を消化する試合を指します。ここで見落とされがちなのは、消化試合という言葉は順位表があるから成立するということです。順位表がなければ、どの試合も消化試合にはなりません。

人生に当てると、「人生が消化試合だ」と感じている人は、必ずどこかの順位表を見ています。年収、役職、結婚、子ども、持ち家、同級生との比較。その表の中で自分の順位が動かないと確定した、と感じた瞬間に残り時間が消化試合になります。

だから最初にやることは、気力を出すことでも転職サイトに登録することでもなく、自分がどの順位表を見ているのかを書き出すことです。たいていの人は複数の表を同時に見ていて、そのうち一つか二つで負けが確定しただけで、全部の表で負けたと感じています。

私の消化試合:2022年、規模の順位表で負けが確定した

私にも消化試合の時期がありました。2019年から2022年頃、ブランド品の転売を会社組織で回していました。週に50〜150点を売り、月に600万円以上を仕入れに使う規模で、人件費を引く前の月利は80〜200万円前後。数字だけ見れば勝っているように見えます。

しかし、私が見ていた順位表は「事業規模」でした。人を雇い、倉庫を借り、売上を伸ばす。この表で上に行くには、人件費45〜50万に加えて倉庫か事務所の固定費が月30〜50万以上かかり、自分の給与100万を乗せると月利200万を超えた月でなければ残らない。200万を超える月は常には来ない。ここで規模の順位表での負けが確定しました。撤退の計算は人生を諦める記事に全部書いています。

負けが確定してからの時間が、私の消化試合でした。在庫を売り切り、人を減らし、事業としては縮小していく。順位表の上では何も起きない期間です。

消化試合でやったこと:来季の準備

野球の消化試合には、実はもう一つの機能があります。優勝が消えたチームは、若手を試し、来季の構想を作る。順位の動かない時間は、順位を気にせず試せる時間でもあります。

私が消化試合の時間で試したのは3つです。

一つ目は、在庫を持たない側に移ることでした。ブランド転売で残った仕入先との取引実績と目利きを、在庫ではなく「余っている枠を売る」形に変えた。ブランド品の仕入れルートの記事はこの時間に生まれた立ち位置から書いています。

二つ目は、記事を資産にすることでした。私のサイトはいま、年1更新レベルで事業が成立しています。記事が文字通り資産になっている。この構造を作ったのは、順位表を追っていた時期ではなく、順位表を降りたあとの時間です。順位を追っている間は、資産になる作業に時間を回せません。目の前の数字に追われるからです。

三つ目は、住む場所を試すことでした。東京に20年住んだあと、東戸塚に1年、そこから海浜幕張へ。複数回引っ越して初めて「自分の働き方は場所に縛られていない」と確信が持て、いまは名古屋への転居を計画しています。この確信は1回住んだだけでは得られず、20年かかりました。家賃の記事にその計算を書いています。

結果として、規模の順位表では負けたままです。私は再びブランド転売のプレイヤーになることはありません。しかし消化試合と呼んでいた時間で作ったものが、いまの事業のすべてです。

私が20年で降りた順位表

順位表を降りると言っても抽象的なので、私が実際に降りた表を並べます。降りた結果どうなったかも書きます。

順位表 私の状態 降りた結果
就職・出世 正社員として一般的なサラリーマンをしたことがないので、最初から載っていない 報告の義務がなく、仕事の終わりを自分で決める働き方になった
事業規模 ブランド転売で2022年頃に負けが確定して降りた 在庫を持たず、経験を売る側に移った。年1更新で回る資産ができた
持ち家 親が買った家で計42年を過ごしたあと賃貸に出て、いまの社会では賃貸が数学的に有利と結論した 住む街を差引で選べるようになった。東戸塚は1年で出た
関東に住むこと 東京20年を経て、いま降りる途中 日本全土から生産性が最も上がる場所を選べる。候補は名古屋
人を雇う規模 親族雇用とアルバイトで試して、体制が崩れて降りた 一人で回す設計に戻り、余暇が戻った

5つの表を降りて、生活が悪くなったものは一つもありません。順位表の上では全部「負け」か「不参加」ですが、降りたあとの時間で作ったもので生活しています。

順位表の書き出し方

読者が同じことをやるための書き方を置いておきます。列は3つで足ります。

見ている順位表 負けは確定したか その表に載り続ける必要があるか
例:同期との年収比較 確定したと感じている ない(降りても収入は変わらない)
例:借金の返済 これは順位表ではなく手続き。別記事
例:結婚・家族 未確定 本人の判断

3列目が「ない」になった表が、降りる表です。2列目が「確定」でも3列目が「ない」なら、その負けは人生の負けではなく、見なくていい表の負けです。

年齢で分ける:20代、30代、40代の消化試合は別物

「人生消化試合」と一緒に検索される語には20代、30代、40代が並びます。年齢によって意味が違うので、分けて書きます。ここは統計ではなく、私の見立てです。

20代で消化試合と感じる人

20代の消化試合感は、たいてい試合がまだ始まっていない段階で順位表を見ている状態です。就職の結果や同級生の進路で順位が確定したように感じている。しかし私自身、いわゆる正社員として一般的なサラリーマンをしたことがありません。就職の順位表に一度も載らずに20年働いてきた。載っていない表の順位は確定しないので、20代の消化試合は、表を選び直せば終わります。

30代で消化試合と感じる人

30代は、順位表の中盤で自分の位置が見えてくる時期です。ここで見ている表が「同期との比較」なら、私の答えは20代と同じで、表を降りる。ただし30代には、私がそうだったように、事業や仕事で一度勝負をして負けが確定する人が出てきます。それは本物の消化試合です。この場合は上に書いた「来季の準備」に時間を使ってください。

40代で消化試合と感じる人

40代の消化試合感には、借金と職歴が絡んでいることが多い。これは順位表の問題ではなく手続きの問題なので、この記事の範囲外です。借金の処理と職歴のない状態からの経路は、40代のどん底の記事に条文と統計つきで書いています。借金がある人は、消化試合の話より先にそちらを読んでください。順位表を降りても、借金は降りられないからです。

「消化試合、疲れた」の人へ:疲れの正体は順位表

消化試合と一緒に「疲れた」と検索する人がいます。順位が動かないと分かっているのに、毎日同じ試合に出続けるのは、実際に疲れます。

私は古本せどりが主軸だった頃、約2年間、稼げているのにベッドから起き上がれない時期がありました。発送が遅れ、クレームが入り、それでも動けない。当時は理由が分からなかったのですが、いま整理すると、私は「金を稼ぐ」という順位表では勝っていて、「誰かの役に立つ」という別の表で負けていました。見ている表が違えば、稼げていても消化試合になります。

疲れている人に体の話を一つだけ書くと、私が動けるようになったきっかけはジョギングとウォーキングで、その後ジムで筋トレをやりだして直りました。事業の判断ではなく体からでした。順位表を書き出す作業は、起き上がれる程度に体が戻ってからでいいと思います。順序を逆にすると、書き出した表を見てまた動けなくなります。

残り時間の使い方:私が選んだ3つの基準

順位表を降りたあとの時間を何に使うか。私は3つの基準で決めています。どれも私の条件下での話です。

基準1:順位表に載らないものに使う

私が消化試合の時間で作った記事の資産は、どの順位表にも載っていません。年収比較にも役職にも出ない。だから他人と競争せずに積み上げられ、年1更新でも崩れない。順位表に載るものに時間を使うと、また同じ消化試合に戻ります。

基準2:場所に縛られないものに使う

私は家の外に出るのが、買い物、ジム、市役所や銀行の用事、通院くらいです。人と会うこともほとんどない。この働き方は、住む場所を選ぶ自由と引き換えに手に入りました。場所に縛られる仕事に時間を使うと、住む場所の選択肢が消え、選択肢が消えると消化試合感が強まります。一人で働くことの記事で、この働き方の作り方を書いています。

基準3:あとで買い戻せないものを先に守る

金も場所も職も、あとで買い戻せます。買い戻せないのは体と時間です。私の古本時代の2年は、稼いだ金では買い戻せていません。消化試合の時間を何に使うか迷ったら、まず体に使ってください。私の場合はジムでした。順位表に載らず、場所にも縛られず、買い戻せないものを守る。3つの基準を全部満たす数少ない使い方です。

やってはいけないこと

別の順位表に乗り換える。年収の表で負けたから資格の表へ、資格の表で負けたから副業の表へ。表を替えても構造は同じで、いずれ同じ消化試合が来ます。降りるべきなのは順位表そのもので、乗り換え先ではありません。

残り時間を全部埋める。消化試合感を消すために予定を詰める人がいます。私は逆で、仕事の終わりは自分で決め、集中力が落ちたら休み、回復したら再開します。進捗は前月との比較(メルマガの登録数と売上)だけで見る。埋めるのではなく、測るものを一つに絞る方が消化試合感は薄れました。

順位表を降りる前に借金を放置する。借金は順位表ではなく手続きです。放置しても降りられません。どん底の記事を先に読んでください。

人生を諦めることとの違い

この記事と人生を諦める記事は対になっています。諦める記事は「何を手放すか」を金・場所・職・人の4層で切る話で、この記事は「手放したあとの残り時間をどう使うか」の話です。順序としては、諦める記事で手放す対象を決め、この記事で残った時間の使い方を決める、という流れになります。両方に共通するのは、「人生」を主語にした瞬間に手が止まるということです。順位表と残り時間、という小さい単位に切れば、どちらも動けます。

今日やること

紙でもメモアプリでもいいので、いま自分が見ている順位表を全部書き出してください。年収、役職、結婚、持ち家、同級生。書き出したら、そのうち「負けが確定した」と感じている表に印をつける。たいてい一つか二つです。残りの表は確定していません。

印をつけた表を降りる。降りたあとの時間が、あなたの来季になります。私はそこで、いまの事業と、いまの働き方と、次に住む街を作りました。

よくある質問

人生消化試合とはどういう意味ですか

野球で優勝の可能性が消えたあとの試合を消化試合と呼ぶことから来た言い方で、人生では「何かの勝負が決まったあとの残り時間」を指します。私の整理では、決まったのは人生ではなくどこかの順位表の順位です。

残りの人生が消化試合に感じます。どうすればいいですか

見ている順位表を書き出し、負けが確定した表を特定して降りてください。私は事業規模の順位表を2022年頃に降り、残り時間で記事の資産と一人で働く構造を作りました。順位表に載らないものに時間を使うのが私の基準です。

20代で消化試合と感じるのは早すぎますか

早いかどうかより、その順位表に載る必要があるかを考えてください。私は正社員として一般的なサラリーマンをしたことがなく、就職の順位表に載らずに20年働いています。載っていない表の順位は確定しません。

40代の消化試合と30代の消化試合は違いますか

私の見立てでは、40代は借金と職歴が絡むことが多く、それは順位表ではなく手続きの問題です。40代のどん底の記事に手続きの種類と条件を書いています。

疲れて何もできません

私が動けなかった2年は、事業の判断ではなくジョギングとウォーキング、その後の筋トレで抜けました。順位表を書き出す作業は体が戻ってからで構いません。順序を逆にしないでください。

 

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