「ブランドリペアは稼げないのではないか」と思って検索した方に、先に結論を書きます。
稼げます。ただし「スクールで習った技術で稼ぐ」というやり方は、年々難しくなっています。そして稼げていない人がつまずいているのは、多くの場合その技術ではありません。
この記事では、ブランドリペア転売とは何かと始める流れ、1点あたりの手残りと時給、古物商許可と商標の線引き、そしていま私が組むならどうするかを、売っていた側の実例で書きます。
- 先に、私の立場を書いておきます
- ブランドリペア転売とは:始める流れと、先に知っておくこと
- 「稼げない」の正体は、技術ではなくリサーチです
- 利益が出る個体は、こうやって探します
- もう1件、修理をせずに利益が出た例
- 安い仕入れ値の罠:回転で詰む(飽和の実例)
- 直す価値がある損傷と、触ると赤字になる損傷
- 1点あたりの手残りと時給を計算する
- ブランドごとに「社外品が許される度合い」が違う
- 参入コストは道具ではありません
- 真贋は知識ではなく、触った量で決まります
- 始める前に要るもの:古物商許可
- 「修理」と「改変」の線引きには注意が必要です
- 向き不向きが、はっきり出ます
- なぜ「稼げない」という検索が生まれるのか
- いまから始めるなら、どう設計するか
- 揃える道具は、どの修理をやるかで決まる
- よくある質問
- まとめ
先に、私の立場を書いておきます
私はかつて、ブランドリペア転売のコンサルティングを販売していました。この記事も、もともとはそれを売るために書いたものです。
当時は一定の実績が出ていて、自分の中でいちばん大きく、いちばんきれいに勝てた手法だという確信がありました。これが絶対的に正しいやり方だと思っていました。
いまは考えが変わっています。ジャンルを1つに固定するという発想そのものが違う、と思うようになりました。
ただし修理を否定しているわけではありません。むしろ逆で、物販で最後まで生き残れるのは修理しかないという立場はいまも変わっていません。ハードルが高いことを理解した上で、そう主張しています。
この記事は、その「変わった部分」を書いたものです。売るために書いた版とは結論が違います。
ブランドリペア転売とは:始める流れと、先に知っておくこと
ブランドリペア転売は、傷みや壊れで値段が下がった中古のブランド品を仕入れ、補色や部品交換で状態を戻してから売る商売です。利益は、壊れているぶん安く買えることから生まれます。
始める流れは次の順番です。
- 古物商許可を取る(中古品を仕入れて売る商売なので必要です。後半の「始める前に要るもの:古物商許可」で書きます)
- 道具をそろえる(補色と部品交換の範囲なら2〜3万円)
- 直せば利益が出る個体をリサーチする
- 仕入れる(私はブランド品を古物市場とヤフオクで仕入れていました。市場の選び方はオンライン古物市場は2社で足りるに書いています)
- 直す
- 撮影・出品・梱包・発送
お金は、道具代の2〜3万円のほかに、古物商許可の申請手数料19,000円、仕入れ代金、送料がかかります。研修を受けるなら、その費用と旅費も乗ります。
メリット:壊れているぶん安く買え、部品交換なら作業が短い
- 損傷が敬遠されて安くなった個体を拾えます。後で書くエルメスの例は、11,050円で仕入れて51,000円で売れました(1件の実例で、毎回こうなるわけではありません)
- 部品交換で済む修理は短く終わります。財布の引手交換は、部品代200〜500円、作業10〜15分でした
- 道具は、補色と部品交換の範囲なら2〜3万円で足ります
デメリット:修理以外の時間と、染め直しの重さ
- 修理以外にかかる時間のほうが長いです。財布1個で、撮影20分、出品15分、梱包10分、発送10分かかっていました
- 染め直しは重い作業です。材料は1回200円ほどの使用量でも、作業は2時間以上かかりました。色がなかなか作れず調整に時間を取られ、エアブラシが要ります。専用の作業場を作らないと続けられないと思っています
- 安く買えるものほど、売れるまでが長いことがあります(後で書くがま口財布の例)
- 触った量が少ないうちは、偽物をつかむ危険があります
- 古物商許可が要ります。ネットで個人から1万円以上の個体を買うときは、そのたびに法律で決められた方法で相手の身元を確認する必要もあります
「稼げない」の正体は、技術ではなくリサーチです
ブランドリペアで結果が出ない人を見てきて、つまずいている場所はだいたい4つに集約されました。
- 独学で始めてしまった
- リサーチができない
- 利益の出る個体を見つけられない
- やってみたが仕上がりが悪く、販売できる状態にならなかった
技術の問題は4番だけです。2番と3番は仕入れの問題で、しかもこれが最も多い。
ここを取り違えると、延々と技術の練習をすることになります。ブランドリペア転売は「修理の商売」に見えますが、実態は「直せば利益が出る個体を、直す前に見つける商売」です。直す作業は工程の一部でしかありません。
どれだけ美しく直せても、その個体が仕入れ値と手間に見合わなければ利益は出ません。逆に、見つける力があれば、直せる範囲が狭くても成立します。
利益が出る個体は、こうやって探します
リサーチが問題だと言うだけでは役に立たないので、実際にやっていた手順を書きます。難しいことはしていません。
1. メルカリで「ブランド名 リペア」と検索する
これだけで、すでにリペアされて売られている商品が一覧で出てきます。他の人が「直せば売れる」と判断した個体が、そのまま並んでいる状態です。ここが出発点になります。
2. 同じ商品の、未修理品の仕入れ値を調べる
一覧に出てきた商品名で、未修理の個体がいくらで手に入るかを確認します。状態の悪いものほど安く出ているはずです。
3. 修理済みがいくらで売れているかを、取引履歴で確認する
同じ商品名でメルカリとヤフオクの取引履歴を見ます。出品価格ではなく実際に売れた価格を見てください。プラットフォームによって相場が違うので、両方見ておくと販路の判断にも使えます。
4. 差額から、手数料・送料・部材費を引く
ここまでやって初めて、その個体を仕入れるべきかが決まります。この4ステップは、スマホだけでどこにいてもできます。技術の練習より先に、こちらに時間を使ってください。
実際にこの手順で仕入れた1件
エルメスのガーデンパーティというトートバッグの例です。状態が良いものは10万円近くまで上がる商品ですが、そういう個体は仕入れ値も高く手が出ません。
ヤフオクで、角の色が薄くなっていて、横が破れている個体を見つけました。その状態が敬遠されて価格が下がっていたものです。損傷の程度から、補色クリームと補修用の布で対応できる範囲だと判断して落札しました。
- 仕入価格:11,050円(ヤフオク)
- 販売価格:51,000円(ヤフオク)
- 差額:39,950円
- リペア作業時間:約10分
- 使ったもの:補色クリーム、補修用の布
差額は販売手数料と送料を引く前の金額です。そしてこれは1件の実例であって、毎回こうなるわけではありません。10万円近い相場の商品で、かつ手持ちの道具で直せる損傷だった、という条件が重なった結果です。
ただしこの1件が示しているのは、設備の要らない範囲の作業でも、こういう個体は実在するということです。必要だったのは高度な技術ではなく、「この損傷は自分の道具で直せる」という判断と、それを見つけるリサーチでした。
もう1件、修理をせずに利益が出た例
リペアの記事で逆の例を出しますが、大事なので書きます。コロナの頃、インフレがリアルタイムで加速していく時期がありました。そこに外国人が為替の歪みに目をつけ、ブランド品を日本で買うようになった。バイイーのような買い物代行に注文が入り、相場が上がっていきました。
私はこの上昇トレンドに乗って、シャネルを高値で買い、さらに高い値で売りました。このときは、ノーリペアでも利益が出ました。直したから儲かったのではありません。価格の歪み(為替とインフレ)を捉えたから儲かった、という話です。
ここで、この記事の主張が一貫します。利益の源泉は「直せること」ではなく「歪みに気づくこと」です。修理は、その歪みを回収するための手段の1つにすぎません。だから相場が動く局面では、修理なしで取れることもあります。
安い仕入れ値の罠:回転で詰む(飽和の実例)
逆に、仕入れ値が安いだけの商材は、飽和で詰みます。私が見た典型が、ルイ・ヴィトンのがま口財布です。
順番はこうです。いつも安く投げ売りされている。理由は、がま口を今使う人が少ないからです。ところがメルカリを見ると、1万円で売れていることがある。それを見て真似して、自分も仕入れる。仕入れ値が安いので、何個も仕入れられてしまいます。
ここに落とし穴があります。実際にやると、売れるまでに超絶に時間がかかる。1か月に1個売れるかどうか、というレベルです。そこへ、同じことに気づいた人が複数参入する。すると回転はさらに下がり、キャッシュフローが悪化して、不良在庫が積み上がります。
飽和は「販売価格が下がる」形だけで来るのではありません。この例のように「回転が落ちて、お金が回らなくなる」形でも来ます。仕入れ値の安さは、たくさん買えてしまうぶん、むしろ在庫を膨らませる罠になります。見るべきは仕入れ値の安さではなく、売れるまでの日数(回転)のほうです。
直す価値がある損傷と、触ると赤字になる損傷
実務でいちばん役に立つのはここだと思うので、具体的に書きます。私が扱っていたのは、変色、破れ、匂い、ファスナーの破損、持ち手の欠損。対処は主に染め直しと部品交換です。
この中で、採算がはっきり分かれます。
| 損傷 | 対処 | 必要なもの | 採算 |
|---|---|---|---|
| 持ち手の欠損 | 社外品に交換 | 部品のみ | 最も良い。物によっては数十秒で終わる |
| 変色・色あせ | 染め直し・補色 | 染料と手順の習得 | 面積と元の状態次第。広範囲は時間が伸びる |
| 破れ | 部品交換 | 交換部品 | 交換で済む箇所かどうかで分かれる |
| ファスナーの破損 | ファスナーごと交換 | 工業用ミシン | 合わない。設備が要るうえに時間がかかる |
判定の基準は単純です。設備が必要になる修理は、基本的に外す。
ファスナーの破れは典型で、ファスナーごとの交換になるため工業用ミシンが必要になります。設備投資が発生したうえに1点あたりの作業時間も伸びるので、時間対効果が合いません。
対して持ち手が取れているだけの個体は、社外品を付けるだけで終わります。同じ「壊れているバッグ」でも、手元に残る金額がまったく違います。この見分けが仕入れの現場でついているかどうかが、稼げる人と稼げない人の差になります。
1点あたりの手残りと時給を計算する
稼げるかどうかは、1点の手残りと、それにかかった時間で決まります。私の財布の引手交換の実例で計算すると、こうなります。
- 仕入れ:3,000円、販売:8,500円
- 部品代:200〜500円(多いほうの500円で計算)
- 販売手数料:10%で850円
- 時間:交換15分+撮影20分+出品15分+梱包10分+発送10分=70分
送料を引く前の手残りは、8,500−850−3,000−500=4,150円です。70分で割ると、作業時給は約3,550円になります。これは修理と販売の作業だけで割った数字です。送料(地域と発送方法で変わる)と、リサーチ、仕入れ、検品、コメント対応の時間は入っていないので、実際の時給はここから下がります。
見てほしいのは時間の内訳です。70分のうち、修理は15分しかありません。残りの55分は、直さずに売る転売でもかかる時間です。
同じ計算を染め直しでやると、作業だけで2時間以上かかります。仮に手残りが同じ4,150円だったとしても、作業120分と撮影などの55分で175分かかれば、作業時給は約1,420円まで落ちます。染め直しを最初にやることから外しているのは、このためです。
自分の数字を入れて計算できるようにしておきます。初期値は上の財布の例です。販売手数料は、メルカリは10%、ヤフオクも通常のカテゴリは2024年6月4日から会員かどうかに関係なく一律10%です(一部の特定カテゴリは別料金。出典:LYPプレミアム「Yahoo!オークション 落札システム利用料の改定と新施策についてのお知らせ」、計算の例はヤフオクの手数料の計算)。リサーチや仕入れにかかった時間も、1点あたりに割って入れると実際に近づきます。
いちばん下の欄は、先に払ったお金です。私が受けた研修は10万円で、旅費が別にかかりました。研修費の10万円を財布の例の手残り4,150円(送料前)で割ると25点です。ただしこれは、送料、旅費、道具代、許可の申請手数料を入れず、25点すべてが売れた場合の理論上の最少点数です。実際に回収できる点数を見るなら、送料を入れたうえで、先に払ったお金を全部足して入れてください。
ブランドごとに「社外品が許される度合い」が違う
ここに歪みがあります。私が利益を出せていたのは、主にこの一点です。
部品を社外品に交換した個体は、純正で直した個体より安く見られるのが普通です。ところがブランドによって、社外品でも仕上がりが見劣りしないものがあります。
ボッテガ・ヴェネタがその代表例です。デザインの押し出しが強くないぶん、社外品に交換しても全体の印象が崩れません。実際、商品説明に「社外品に交換済み」と明記して出品しても、正規のものと変わらない価格で売れました。
逆に、金具やロゴの意匠が強く出るブランドは、社外品に替えた瞬間に違和感が出ます。こちらは価格が落ちます。
つまり、同じ「持ち手の交換」という作業でも、どのブランドに対してやるかで採算がまったく変わるということです。作業の難易度は同じなのに、残る金額が違う。ここが見つけられる歪みでした。社外品でも値が落ちないブランドと落ちるブランドの差は、ヴェブレン効果・スノッブ効果とはでも扱っています。
大事なのは、社外品であることを書いた上で売っているという点です。書かずに売れば、それは別の話になります。開示して価格が変わらないブランドを探すこと自体が、この手法の中身です。
参入コストは道具ではありません
よく聞かれるので先に書いておくと、道具と材料は2〜3万円あれば揃います。革・バッグの基本的な修理を始める範囲での話です。ファスナー交換のように設備が要るものを最初から手放しておけば、これで足ります。中身は後半にまとめました。
障壁は道具ではありません。技術の習得と、目利きが育つまでの時間です。
私は大阪にある専門業者のところへ研修を受けに行きました。二泊三日で、染め直し、スプレーガンの使い方、調色を習い、費用は10万円と大阪までの旅費でした。研修なしで始めるのはきついと思います。仕上がりが販売できる水準に届かないと、直したところで在庫が増えるだけになるからです。
ただし状況は変わってきていて、いまはYouTubeに手順を出している人がかなり増えました。手先が器用な人なら、独学でいける人もいるかもしれません。
——そしてこの「情報が増えた」という事実が、後半の話に直結します。
真贋は知識ではなく、触った量で決まります
ブランド品を扱う以上、避けて通れない話です。
本物と偽物は、質感とディテールが違います。ただしこれは知識として覚えるものではなく、触った量で身につくものです。私は週に50〜100個のペースで触っていました。それだけの量を扱っていると、細かい根拠を言語化する前に違和感で分かるようになります。
逆に言えば、触っていない人には分かりません。知らないまま偽物を仕入れて、知らないまま売ってしまう人も、買ってしまう人もいると思います。仕入れ量が少ないうちが最も危険な時期だということです。
より確実にしたいなら、真贋判定の研修をやっている会社もあるので、受けに行くという選択肢はあります。
見栄えの加工について、ひとつ注意しておきます
革や塩ビの艶を出す加工をすると、写真での見え方は大きく変わります。ただし写真と実物が乖離した分は、返品と低評価という形で戻ってきます。
アパレルや雑貨と違い、ブランド品は届いたときの落差が大きいほど揉めます。しかも1点あたりの単価が高いので、返品1件で数点分の利益が飛びます。見栄えを良くする作業は、実物がその通りに見える範囲でだけやる。採算の話として、そのほうが結果的に残ります。
始める前に要るもの:古物商許可
中古のブランド品を仕入れて売るなら、古物商許可が要ります。古物営業法は「古物」を、一度使われた物品のほか、それに「幾分の手入れをしたもの」も含めて定めています。直したバッグも古物です。
古物の売買を営業としてやるには公安委員会の許可が要り、許可なしで営むと3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(古物営業法 第2条・第3条・第31条)。自分で使っていたバッグを売るだけなら、この営業には当たりません。法律が「古物を売却することのみを行うもの」を外しているためです。仕入れて売る時点で、話が変わります。
許可を取ったあとにも、守ることがあります。警視庁の案内には次のように書かれています。
- 仕入れるときは、売ってくれる相手の住所・氏名・職業・年齢を確認する。ネットオークションやフリマアプリで買う場合も必要で、顔を合わせない取引では法令で決められた方法で確認する(運転免許証のコピーを送ってもらうだけでは足りない)
- ネットで売るときは、許可を受けた公安委員会名、許可証番号、氏名を表示する。オークションサイトやフリマアプリで、古物商であることを表示せずに取引はできない
- 申請先は営業所を管轄する警察署で、手数料は19,000円
買い受ける総額が1万円未満なら、相手の確認と帳簿への記載は原則として免除されます。ただしバイク、ゲームソフト、CDやDVD、書籍などは1万円未満でも対象で、2025年10月からはエアコンの室外機なども加わりました。1万円未満でも、18歳未満からの買い取りでないことの確認は要ります。そしてこれは確認の話で、1万円未満なら許可が要らないという意味ではありません。
ネットで個人から仕入れるときが、いちばん重い
ヤフオクやフリマで個人から1万円以上の個体を買うときは、そのたびに法律で決められた方法で相手の身元を確認する必要があります。相手のIDや評価を見るだけでは足りず、身分証のコピーを送ってもらうだけでも違反です。方法としては、電子署名、本人限定受取郵便、身分証のコピーを受け取ったうえでその住所に転送不要の簡易書留を送る、といったものが警視庁のページに並んでいます。
相手が応じてくれなければ、その個体は仕入れられません。利益の計算より先に、この手順を踏める仕入れ先かどうかを決めてください。なお、古物市場は法律上「古物商間の古物の売買又は交換のための市場」で、業者向けの市場で仕入れるなら許可が前提になります。
出典:警視庁「古物商許可申請をされる方へ」、警視庁「古物商許可申請」、警視庁「非対面取引における確認の方法」、警視庁「古物営業法施行規則の一部改正について」。手続きの細かいところは都道府県で違うことがあるので、営業所のある地域の警察署で確認してください。許可が要る条件と費用の内訳は古物商許可はせどりに必要かにも書いています。
修理の受注だけなら、古物の売買ではない
お客さんのバッグを預かって直し、同じお客さんに返すだけの修理の受注は、古物の売買ではありません。許可の話とは別です。ただし、直せなかった品を買い取る、下取りする、預かった品を代わりに売る、となると古物の売買に入ります。
「修理」と「改変」の線引きには注意が必要です
状態を元に戻す範囲の修理と、意匠そのものを変える改変とでは、法的な扱いが変わります。
問題になるのは商標権や意匠権です。ブランドのロゴや柄が、出所を示すものとして使われていると判断される態様——たとえばブランド品の部材を使って別の商品に作り替えるようなケースでは、商標権侵害を問われる可能性があります。ルイ・ヴィトンのモノグラムパターンについて商標的な使用が認定された裁判例もあります。
一方で、装飾的な使用にとどまる場合は侵害にあたらないと判断された例もあり、線引きは態様によって変わります。機能の回復を目的とした修理と、リメイクに近い改変では、立っている場所が違うということです。
自分がやろうとしている作業がどちら寄りか判断がつかない場合は、専門家に確認してください。この分野は解釈に幅があるので、記事の記述で判断を確定させないでください。
考え方の筋は「消尽」という論点です。弁護士の回答では、商標権者は商品を売った時点で対価を回収しているので、性能や品質を保つための加工(一般にいう修理)は商標権を侵害しない。一方で、ハンドバッグをポーチに作り替えるように、元の商品と別の商品を作り出すと侵害になる、と説明されています(ココナラ法律相談「ブランド物の靴やバッグを修理してオークションなどに出品したりすることは商標権の侵害にあたりますか?」)。
ただしこれは一般論の回答で、補色、染め直し、社外品への交換のどれでも必ず問題ない、と保証するものではありません。形を変えていなくても、品質や見た目を大きく変える加工は論点になりえます。元の状態に戻す範囲にとどめるのが安全です。そして「社外品に交換済み」と書くのは買う人への説明の話で、権利の問題とは別です。
向き不向きが、はっきり出ます
良い面ばかり書いても仕方がないので、合わない人の条件を書いておきます。
作業スペースが要る
机1つ分あれば回せますが、扱う数が増えると手狭になります。理想を言えば6畳程度の部屋があると作業が進みます。最初は自宅で始めて、慣れてから広い場所を考えるという順序で問題ありません。ただし在庫と作業場所は物理的な上限になるので、規模の設計にはここが効いてきます。
作業そのものが泥臭い
仕入れた商品をそのまま流す転売と違い、間にリペア作業が入ります。細かく地味な手作業の連続です。大雑把な性格の人には苦痛だと思います。
逆に、マメで几帳面で手先が器用な人には向いています。ここは努力でどうにかなる部分と、そうでない部分がはっきり分かれます。やってみて合わないと感じたら、それは判断が正しい可能性が高い。無理に続けるより、別の商材で同じ考え方を使うほうが早いです。
本だけでは身につかない
ブランド品のリペアに特化した書籍というものが出ていないので、文章と動画だけで習得しようとすると限界があります。スキル自体は極端に難しいものではないのですが、「難しそうだ」というところで止まってしまう人が多い分野でもあります。
なぜ「稼げない」という検索が生まれるのか
ここが本題です。
私は「代替されるものは価格が下がる」という原則を軸にしています。20年間、仕入れて右から左に流すだけの商売の単価が下がり続けるのを見てきたからです。だから最後に残るのは修理だと考えています。
では修理なら安全なのかというと、そうではありません。この原則は、修理そのものにも適用されます。
スクールで教えているリペアは、中身が同じです
既存のリペアスクールが教えている内容は、染め直し、補色、コバの補正——おおむね共通しています。やっているリペアが同じなのです。
同じ技術を体系化して、大量に人を入れる。これが何を意味するかというと、同じ仕上がりの人が大量に生まれるということです。
結末は、プログラミングスクールが辿った道と同じになります。実際、そうなっていると見ています。
「代替されない技術」として売られているものが、教えられた瞬間に代替可能になる。これは技術の質の問題ではなく、供給量の問題です。どれだけ丁寧に教えても、教えれば教えるほど希少性は減ります。
「稼げない」で検索している人の一部は、たぶんスクールの後にいます
これは推測なので、そう断っておきます。
このキーワードで検索している人の中には、スクールに行って結果が出ず、自分を納得させるために引いている人が一定数いるのではないかと思っています。「稼げないのは自分のせいではなく、そもそも稼げないジャンルだったのだ」という答えを探している状態です。
その人たちに言えることがあるとすれば、半分は当たっているということです。技術のせいではありません。ただし「ジャンルが悪い」のでもない。ジャンルを1つに固定して、大量に同じことを教えられたモデルに乗ってしまったことが原因です。
私自身、かつてそのモデル側でコンサルを売っていた人間なので、これは他人事として書いていません。
いまから始めるなら、どう設計するか
否定して終わっても仕方がないので、いま同じことをやるならどう組むかを書きます。
1. ジャンルを固定しない
これが最も大きく変わった点です。ブランドリペアだけで組み立てると、同じ技術を持つ人が増えたときに逃げ場がなくなります。修理を「専門」ではなく「使える手段のひとつ」として持つ。扱う商材が動かせる状態にしておくことが、そのままリスク分散になります。
2. 技術の希少性ではなく、リサーチに軸を置く
前述のとおり、稼げない理由の大半は仕入れ側にあります。直せる範囲が狭くても、利益が出る個体を見つけられれば成立します。逆は成立しません。練習に時間を使う前に、リサーチに同じだけ時間を使ってください。
3. 設備が要る修理は最初から外す
工業用ミシンが必要になる時点で、時間対効果が崩れます。部品交換で終わる損傷だけを狙う。これだけで、道具は2〜3万円の範囲に収まり続けます。
4. ブランドごとの「社外品許容度」を自分で持つ
ボッテガのように、社外品と明記しても価格が落ちないブランドがある。押し出しの強いブランドは落ちる。この対応表を自分の手で作れるかどうかが、他人と差がつく唯一の場所です。スクールでは教えられません。個体を触って、実際に売って、初めて分かる情報だからです。
5. 仕入れて直す期間は「鉄板づくり」と割り切り、出口は受注に置く
ここは、コンサルを売っていたころと考えがいちばん変わった部分です。
仕入れて直して売る形は、在庫を持つ商売です。家の中が在庫で埋まり、買える量は手元の資金で頭打ちになります。そのうえ革の修理は、同じことをやる人が増えて期待値が下がっていて、作業時間も長い。仕入れて直して売るだけでは、利益は伸びにくいと私は見ています。
私の見方では、利益が残るのは修理を仕事として受けて、代金を請求する形です。街にカバンの修理屋がこれだけあるのは、その形で商売になるからだと考えています。ただ、店を構えていた修理屋がコロナの時期にあっという間に潰れていくのも見ました。店を持つと、客が来なくなっても家賃は出ていきます。
受注にすれば、仕入れ代金と売れ残りの心配はなくなります。代わりに、勝負する場所が変わります。転売では目利きと仕入れが差になりましたが、受注では集客、仕上がり、納期、どこまでの修理を受けられるかが差になります。利益は、受注単価、作業時間、集客にかかるお金、やり直しの件数で決まります。受注に移れば自動的に儲かる、という話ではありません。
なので、いま私が組むなら順番はこうです。仕入れて直して売るのは、自分の得意な修理(鉄板)を作り、どの損傷なら直せるかの目利きを育てる期間と割り切る。鉄板ができたら、店は持たずにSNSかホームページで受付を作り、郵送で預かって直して返す。料金は前払いにする。
ネットで修理の申し込みを受けるなら、特定商取引法の通信販売の表示が要ります。料金、支払いの時期と方法、提供の時期、申込みの撤回や解除の条件などです(消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」)。高いブランド品を預かるなら、写真で見積もり、届いた現物を確認、修理の内容と料金を確定、支払い、修理、返送、の順にしておくと揉めにくくなります。直せなかったときの返金と、輸送中や作業中の事故の扱いは、受付の前に決めて書いておいてください。受注の始め方と料金の決め方は修理の受注を始める順番にまとめました。
ジャンク品を含めた修理転売全般の採算の話は修理転売・ジャンク修理は儲からないのかを整理した記事にまとめてあります。ハイブランドの仕入れルートについてはハイブランドの仕入れルートで別途扱っています。
揃える道具は、どの修理をやるかで決まる
自分の財布を自分で直したい場合の、自分でやる範囲と店に出す範囲、修理代の目安は財布のリペアのやり方にまとめました。
道具の話は、リストを眺めても意味がありません。「どの修理を捨てるか」を先に決めると、必要な道具は自動的に決まります。実際に使っていたものを、その順番で書きます。
まず、買わないものを決める
- 工業用ミシン……ファスナーの丸ごと交換をやらないと決めた時点で不要になります。ここを外すかどうかが、初期費用が2〜3万円で収まるか、桁が変わるかの分岐点です
- 一眼レフカメラ……あればきれいに撮れますが、機種選びと設定でつまずきます。最初はスマホで十分です。撮影に投資するのは、利益が出てからで間に合います
数千円で始められる範囲(補色だけ)
中古のバッグは、その多くが角の擦れと色落ちで価値を落としています。逆に言えば、そこを戻すだけで見栄えが大きく変わる。最初に揃えるべきはここです。
- 補色クリーム……サフィールを使っていました。色を全部揃えると費用がかさむので、最初は主要な色だけで構いません
- 補色ペン……ブラックやブラウンといった人気カラーのスレを、数十秒で目立たなくできます。数を扱うほど、1点にかけられる時間は短くなります。ここを短縮できる道具は効きます
この2つなら数千円です。まずこの範囲で回して、売れる感覚を掴んでから広げてください。
次に足すもの(削れた角を埋める)
- アドベース……すり減った角や傷を埋めるパテ剤。補色だけでは戻らない個体に手が届くようになります
- へら……アドベースを塗って形を作るのに使います。100円ショップのもので足ります
- コバコート……簡易的に済ませたいときに。液だれに注意
部品交換に踏み込む道具(採算がいちばん良い領域)
前半に書いたとおり、持ち手が取れているだけの個体は、部品を交換するだけで終わります。ここに必要なのは工具と部品だけで、設備は要りません。
- かしめ工具……引き手が欠損した財布やバッグの部品交換に
- ペンチ……金具を取り付けた後の締め直しに
- かぎ針……スライダーの交換に。100円ショップにもあります
- 交換部品……プーラー(引き手)、ハンドル、スライダー。スライダーはサイズを確認して同じ大きさのものを取り寄せます
部品選びのコツは1つだけで、オリジナルに近いデザインのものを使うことです。前半に書いた「ブランドごとの社外品許容度」は、ここで効いてきます。
染め直しまでやるなら、ここから設備になります
- エアブラシ/コンプレッサー/塗装ブース……色を均一に載せるために使います
- 衣類用染料……色褪せ・色落ちした生地の色味を戻すのに
- 筆……ぺんてるのものを使っていました。染料メーカーが採用しているブラシなので、選択に迷うならここから
- ドライヤー……塗った後の乾燥に。安価なもので構いませんが、風量のあるものを
- マスキングテープ……色を付けたくない箇所の保護と、剥がれた部品の仮止めに
ここから先は2〜3万円の枠を超えます。補色と部品交換で採算が取れることを確認してから足す順序が安全です。
同じ設備で色そのものを変えるリカラー(不人気カラーを人気カラーに染め替えて売る)の採算と、違法かどうかの線は、ブランドのリカラー転売に分けて書きました。
クリーニングと匂い
汚れと匂いは、直接の「修理」ではないのに販売価格を大きく動かします。
先に、素材の注意を1つ。下に挙げるクリーニング剤・消臭剤には、革そのものには使えないものが含まれます。リセッシュは公式に「革・毛皮・人工皮革・和装品にはお使いいただけません」とされ、オキシクリーンも革は使用対象外です(出典:花王 リセッシュFAQ)。これらを使うのは布の内張りや生地の部分、金具で、革の本体にはデリケートクリームなど革用のものを使ってください。混素材のバッグに、一括で同じ薬剤をかけないことです。
- アルカリ電解水……財布やバッグのクリーニングに。予算が少なければ衣類用洗剤を薄めたスプレーでも
- エマール……汚れを落とすほかに、形を整える効果があります
- オキシクリーン……上記で落ちない汚れに
- ブラシ(馬毛・豚毛)……馬毛は汚れ落とし、豚毛はクリームを伸ばすときと艶出し。用途が違うので両方あると早いです
- 超音波ウォッシャー……シミや汚れ落としに。個人的にはコスパが最も良い道具でした。予算がなければ電動歯ブラシで代用できます。歯ブラシでもできますが効率が落ちます
- ピカール+ミニルーター……金具の汚れ落としと研磨。手作業とは労力が比較になりません
- デリケートクリーム……革の栄養剤。質感と艶が戻ります
匂いについてはリセッシュEXの無香タイプを、革以外の布部分や内張りに対して使っていました。軽いタバコ臭や混合臭、カビっぽい匂いなら、何度か吹きかければ落ちます。ただし強いタバコ臭は、これでも消えないことが多い。その場合は丸洗いになります。匂いが強い個体は、そもそも仕入れの段階で外すという判断もありです。
二度買いになったものと、100円ショップで足りるもの
ここが実務で一番差が出た部分なので、正直に書いておきます。
安物を買って結局買い直したもの
- エアブラシとコンプレッサー……最初に中国製の安価なものを使いましたが、すぐ壊れてメーカー品に買い替えました。ここは最初から相応のものを買ったほうが安く済みます
- マスキングテープ……安いものは剥がれてきます。3Mのものを使っていました
- 接着剤……革は革用ボンド(比較した結果コニシのG17がいちばん扱いやすかった)。金属部品は瞬間接着剤を使います。革製品は荷重のかかる部品が多いので、強度が要るところは分けてください
100円ショップで足りるもの
- へら、かぎ針、爪楊枝、綿棒(太さ2種類を用途で使い分け)、テープカッター
綿棒と爪楊枝は地味ですが、細かい箇所の塗りとボンドの伸ばしで手数が変わります。
梱包
段ボールとプチプチはまとめ買いのほうが安くなります。よく使うサイズは80と100で、小物中心なら60で足ります。最初のうちはスーパーでもらってくる、Amazonで買うといった形で問題ありません。テープカッターは、扱う数が増えてきた段階で入れると効きます。
よくある質問
未経験・独学でも始められますか?
始められますが、研修なしはきついと思います。仕上がりが販売できる水準に届かないと、直した分だけ在庫が増えることになるからです。私は大阪の専門業者のところへ研修を受けに行きました。手先が器用な人なら、いまはYouTubeの情報だけでいける可能性もあります。
独学でやるなら、練習の順番は下の「最初にどの道具から買えばいいですか?」と同じで、補色、角の充填、部品交換の順です。売り物に手を付けるのは、その範囲の仕上がりが販売できる水準に届いてからにしてください。届かないまま仕入れると、直した分だけ在庫が増えます。
初期費用はどのくらいかかりますか?
道具と材料は2〜3万円程度で揃います。ただしこれは設備が必要な修理を外した場合の話です。ファスナー交換まで対応しようとすると工業用ミシンが必要になり、金額が変わります。そして採算面でもおすすめしません。
もっと絞るなら、補色クリームと補色ペンの2つだけなら数千円で始められます。中古バッグの多くは角の擦れと色落ちで価値を落としているので、この範囲でも扱える個体はあります。
事業として始めるまでの総額で見るなら、道具代に加えて、古物商許可の申請手数料19,000円、最初の仕入れ代金、送料がかかります。研修を受けるなら、研修費と旅費も乗ります。
最初にどの道具から買えばいいですか?
順番は「補色 → 角の充填 → 部品交換 → 染め直しの設備」です。この順に、扱える個体が増えていきます。逆に言えば、いきなりエアブラシやコンプレッサーを買っても、仕入れられる個体は増えません。設備は最後です。
リペアスクールや講習には行くべきですか?
技術の習得手段としては有効です。私自身、大阪の専門業者のところへ研修を受けに行きました。ただし「スクールで習った技術で稼ぐ」という設計にはしないでください。スクールや講習が教えている内容はおおむね共通していて、同じ仕上がりの人が増え続けます。
講習は「販売できる水準の仕上がりに最短で届くための入口」として使ってください。そこから先の差は、リサーチとブランドごとの判断でつけます。講習を出た時点で全員が同じ位置に立っているので、そこが勝負所ではありません。
社外品で修理したものを売っても問題ありませんか?
社外品を使っていることを商品説明に明記してください。そのうえで価格が落ちないブランドを探すこと自体が、この手法の中身です。書かずに売るのは、価格が維持できるかどうか以前の問題になります。
もう1つ。価格(買ってもらえるか)、表示(社外品と明記したか)、権利(商標権など)は別の話です。修理の範囲を超えた改変になると、社外品と明記していても権利上の論点が出ることがあります。線引きは本文の「『修理』と『改変』の線引きには注意が必要です」の項を見て、判断がつかなければ専門家に確認してください。
偽物を仕入れてしまうのが怖いのですが
質感とディテールで分かるようになりますが、これは知識ではなく触った量で身につきます。私は週に50〜100個扱っていました。裏を返すと、仕入れ量が少ないうちが最も危険だということです。確実にしたいなら、真贋判定の研修をやっている会社もあります。
ブランド品をリペアして売るのは違法ですか?
元の状態に戻す通常の修理をして売ること自体は、商標権の侵害にはあたらないと考えられる、というのが弁護士の一般論の回答です。一方で、バッグをポーチに作り替えるように別の商品を作り出すと侵害になります。その間にある加工は、程度や見た目の変わり方で判断が分かれえます。元と違う色に染め替えるリカラーについては、ブランドのリカラー転売に書いています。本文の「『修理』と『改変』の線引きには注意が必要です」の項に出典を載せています。
もう1つは許可です。仕入れて売るなら古物商許可が要り、許可なしの営業は罰則の対象です。「始める前に要るもの:古物商許可」の項を見てください。
自分のバッグは、修理してから売ったほうが得ですか?
次の2つを別々に計算して、上が下より大きいときだけ直す意味があります。
- 直して売る:修理後の売値−販売手数料−送料−修理代
- そのまま売る:いまの状態の売値−販売手数料−送料
外注するなら往復の送料も修理代に足してください。自分で直すなら、そこに作業時間が乗ります。修理代のほうが、直して上がる売値の幅より大きいことはよくあります。
私自身、ファスナーの交換が必要な個体は、外注すると赤字になるので直さずにそのまま売りました。数千円のマイナスで止めています。そして仕入れる側から見ると、角の色あせや破れで敬遠された個体は、直せる人にとっての仕入れ先です。直さずに出すことは、損ではなく選択肢の1つです。自分で直せる範囲と、修理店・ブランドに出した場合の料金、両方を比べる計算機は、カバン修理は自分でできる?にまとめました。
まとめ
- ブランドリペア転売で稼げないのは、技術のせいではないことが多い。つまずいているのは主にリサーチと、利益の出る個体を見つける力
- 設備が必要な修理(ファスナー交換など)は時間対効果が合わない。持ち手のように部品交換で終わる損傷を狙うと、道具は2〜3万円で足りる
- ブランドによって社外品の許容度が違う。ボッテガのように明記しても価格が落ちないブランドがあり、そこが最大の歪みだった
- 真贋は知識ではなく触った量で決まる。仕入れ量が少ないうちが最も危険
- 利益が出る個体は、メルカリで「ブランド名 リペア」と検索して修理済みの相場を見て、同じ商品の未修理品の仕入れ値と突き合わせれば見つかる。スマホだけでできる
- 機能の回復を超えた改変は、商標権や意匠権の問題になりうる。修理とリメイクでは立っている場所が違う
- スクールが教えるリペアは内容が共通しているので、大量に教えれば大量に同じ仕上がりの人が生まれる。「代替されるものは下がる」という原則は修理にも適用される
- 中古品を仕入れて売るなら古物商許可が要る。直した物も法律上は古物
- 財布の引手交換の実例では、送料前の手残りが4,150円、かかった70分のうち修理は15分。時間の大半は撮影・出品・梱包・発送にかかる
- だからジャンルを1つに固定しない。仕入れて直して売るのは鉄板と目利きを作る期間と割り切り、利益の出口は店を持たない受注に置く
私はかつて、この手法を「絶対的に正しいやり方」だと思ってコンサルとして売っていました。いまはジャンルを固定する設計自体が違うと考えています。それでも、物販で最後まで生き残れるのは修理しかないという結論は変えていません。変わったのは、修理をどう持つかのほうです。
革の補修を教えるFCや代理店の初期費用と、私が受けた3日間の研修の費用を並べた比較、そして「仕入れて直して売る」から「頼まれて直す」へ移る理由は、リペア職人はきついのかに書きました。
自分のカバンを自分で直すか、修理店やブランドに出すかの線引きは、カバン修理は自分でできる?持ち手の剥がれ・コバ・角擦れ・ファスナーに書きました。
