全東信の月6回入金はどこで再現できる?乗り換え先7社の入金サイクル完全比較|最短は翌日・土日祝も入金

全東信乗り換え先 経営

この記事は2026年8月17日時点の公開情報にもとづいています。破産手続および各社のキャンペーンは進行中の事象を含むため、申込前には必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

7月に入って突然、店の決済端末が使えなくなった。常連さんの前で「すみません、今日は現金でお願いできますか」と頭を下げた。6月分の売上はまだ入ってこない。慌てて他社に申し込んでみたものの、審査の回答がなかなか来ない、あるいは落ちた——。

全東信の破産で、いま全国およそ2万店の加盟店が同じ状況に置かれています。

乗り換え先を比較する記事はすでにたくさんあります。しかしそのほとんどが「決済手数料の安い順」に並んでいます。ここに、決定的なズレがあります。

あなたが全東信に払っていたのは、手数料の安さへの対価ではありません。「早く入金される」という時間への対価でした。全東信は月6回払いなどの短期入金で、飲食店のキャッシュフローを支える存在でした。手数料順に並んだ比較表は、あなたが本当に失ったものを補ってくれません。

そこでこの記事では、次の3つをお届けします。

  • 入金の速さ順に並べた乗り換え先7社の比較——「どの銀行口座を指定すれば何日後に入るか」まで分解しています
  • 接待飲食・深夜営業でも審査を通すための、加盟店審査の構造解説——なぜ1社で落ちても他社なら通り得るのか、その仕組みから説明します
  • すでに落ちてしまった店が、半年で本命に乗り換えるための順序設計

手数料の話は3番目にします。先に、明日の仕入れの話をします。読み終える頃には、今日中に決済を復旧させ、7日以内に乗り換えを完了し、半年後には全東信より安く・速い状態に到達するまでの道筋が見えているはずです。

【結論】全東信の乗り換え先は「手数料」ではなく「入金の速さ」で選ぶ

結論だけ先に:目的別の最短解

資金繰りが逼迫している方のために、結論から書きます。あなたの状況に当てはまる行だけ読んでください。

あなたの状況 選ぶべきサービス 理由
①今日中に決済を復旧させたい Square 最短で申込当日から決済開始が可能。三井住友銀行・みずほ銀行の口座なら翌営業日入金
②とにかく入金の速さが命 楽天ペイ ターミナル 楽天銀行口座なら土日祝を含む翌日自動入金、振込手数料も無料
③最終的に手数料を下げたい stera pack / STORES決済 Visa・Mastercardが1.98%〜。stera packは三井住友銀行口座なら振込手数料0円
④他社で審査に落ちている ナイトレジャー対応を明言する決済代行 対応業種を公式に明言している事業者が存在する(詳細は後述)

「おすすめ1位はここです」という書き方をしないのには理由があります。全東信の加盟店が置かれている状況は、店によってまったく違うからです。今日の売上を受けられずに困っている店と、半年後の手数料を最適化したい店とでは、選ぶべき答えが逆になります。

全東信の「月6回入金」は、乗り換え先で再現できるのか

多くの方が最も不安に思っている点だと思います。結論を書きます。

再現できます。それどころか、上回れます。

全東信の月6回払いは、およそ5日ごとの入金でした。これに対して現在の主要サービスは次の水準にあります。

  • 楽天ペイ ターミナル:楽天銀行口座を指定した場合、当日23時59分までの売上を翌日(土日祝を含む)に自動振込。振込手数料は無料
  • Square:三井住友銀行またはみずほ銀行の口座なら決済日の翌営業日に入金。振込手数料は無料
  • stera pack:毎日締め2営業日後払いという設定が存在する(ただし新規申込時には選択できず、新規で選べる最短は月6回締め2営業日後払い)
  • STORES決済:手動入金なら振込依頼後1〜2営業日、最短で翌々営業日

つまり、全東信の月6回入金は業界の中で突出して速かったわけではありません。突出していたのは「審査を通してくれること」と「早期入金」がセットになっている点でした。この2つを分けて考えられるようになると、乗り換え先の選択肢は一気に広がります。

それでも手数料を先に見てはいけない理由

数字で確認します。月商300万円のうちカード決済が7割、210万円だとしましょう。

  • 手数料の差:2.48%と1.98%の差は0.5%。210万円に対して月10,500円
  • 入金サイクルの差:月末締め翌月20日入金と翌日入金の差は、平均すると約35日分の売上前倒し。210万円の35日分はおよそ245万円の運転資金に相当します

月1万円と、245万円。桁が違います。もちろん入金サイクルが速くなっても総額が増えるわけではありませんが、「仕入れができる」「家賃が払える」「スタッフに給料を渡せる」という意味では、手元にある245万円のほうが圧倒的に重要です。

手数料の最適化は、資金繰りが落ち着いてからやればいい話です。順番を間違えないでください。

全東信の破産で、いま加盟店に何が起きているのか

2026年7月6日、破産手続開始決定

株式会社全東信は、2026年7月6日に破産手続開始決定を受けました。負債額は帝国データバンクの調査で1,259億2,900万円(2025年3月期末時点)。報道ベースでは申請時の負債額を1,151億6,491万円とするものもあり、資料によって数字が異なりますが、いずれにせよ2026年に入って最大級の倒産です。

同社は飲食店向けに「クレジットカード売上の早期決済代行サービス」を手がけていました。加盟店から回収するカード売上代金をカード会社に先行入金する仕組みで、東京・神奈川・大阪・九州を中心に営業を展開していました。

加盟店約2万店、金融機関63行、20年続いた粉飾

破産申請時の加盟店数はおよそ2万店。同社に貸し込んでいた金融債権者は63行(社)にのぼります。そして報道によれば、粉飾決算は20年間にわたって続いていました

同社のルーツは1987年に発足した大阪南飲食事業協同組合で、2006年に法人化。本社は大阪市中央区にありました。

この数字を、あえて詳しく書いた理由があります。今回の件は、加盟店側に何の落ち度もありません。63の金融機関が20年間見抜けなかったものを、一つの飲食店が見抜けるはずがないからです。「あんな会社と契約した自分が悪い」と自分を責めている方がいたら、その必要はまったくありません。今やるべきなのは反省ではなく、明日の売上をどう受けるかの手当てです。

決定打となった2024年の「他人名義加盟店契約」事件

経営が傾いた直接のきっかけは2つあります。

1つはコロナ禍です。同社の年収入高は2020年3月期の約80億円をピークに、緊急事態宣言の影響を受けた2021年3月期には約50億円まで落ち込みました。主要な加盟店である飲食店が軒並み休業に追い込まれ、取扱高が激減したためです。

もう1つが決定打となりました。2024年1月、他人名義で加盟店契約を結んでいたとして社員が逮捕され、組織犯罪処罰法違反で法人そのものが書類送検されています。これを受けて融資元が資金提供を一斉にストップし、資金ショートに至りました。

この「他人名義加盟店契約」という論点は、あとで乗り換え審査の話に直結してきます。頭の片隅に置いておいてください。

未入金の売上金はどうなるのか

最も切実な問題だと思います。2026年8月17日時点で分かっていることを正確に書きます。

破産後の加盟店売上金について、カード会社が加盟店へ直接支払う方向で協議が行われていると報じられています(日本経済新聞)。ただしこれは協議段階であり、確定した措置ではありません。「戻ってくる」と断言する情報も「一切戻らない」と断言する情報も、現時点では正確ではありません。

実務としてやるべきことは3つです。

  1. 破産管財人からの通知を確認する。債権届出の書式・期限は事件ごとに異なります。通知が届いていない場合も、届出先は管財人になります
  2. 証拠となる書類をすべて保全する。売上伝票、決済端末のジャーナル・取引明細、全東信からの入金明細、契約書、保証金や預託金の預り証。捨てないでください
  3. 資金繰りは「戻らない前提」で組む。戻ってきたら僥倖、というスタンスが最も安全です

なお、資金繰りが厳しい店舗向けに、業界団体がつなぎ資金を案内する動きも報じられています。取引金融機関や所属団体に一度相談してみる価値はあります。

端末・保証金の扱い

全東信名義で貸与されていた決済端末は、原則として同社の資産であり、管財人の指示に従って返却を求められる可能性があります。勝手に処分せず、指示があるまで保管してください。

保証金・預託金を預けていた場合、その返還請求権は破産債権として扱われることが一般的です。ただし個別の契約内容によって結論が変わるため、金額が大きい場合は弁護士への相談をおすすめします。この記事で断定できる範囲を超えます。

なぜ全東信の加盟店は、普通の決済代行で審査に落ちるのか

ここからがこの記事の本題です。他の比較記事がほぼ触れていない領域を、構造から説明します。

前提として押さえておくべき事実があります。報道によれば、全東信の加盟店の7〜8割は、広義の夜職・水商売・風営法に絡んだ業態でした。キャバクラ、ホストクラブ、スナックなどです。一般に、水商売や深夜営業の飲食店はカード加盟店の審査が通りにくく、開業間もない店舗は実績を示すものがないため審査がさらにシビアになります。全東信は、その中で「審査を通してくれる」という評判を得ていた、いわば駆け込み寺でした。

つまり多くの読者にとって、乗り換えの本当の壁は「どこが安いか」ではなく「どこなら通るか」です。そしてそれは、運や相性の問題ではありません。構造の問題です。

まず「加盟店審査」の構造を理解する

カード決済には、大きく3つのプレイヤーがいます。

  • イシュア:カードを発行する会社(利用者側)
  • アクワイアラ:加盟店契約を結ぶ会社(店舗側)。審査を実際に行うのはここです
  • PSP(決済代行会社):店舗とアクワイアラの間に立ち、複数ブランドをまとめて提供する会社。SquareやSTORES決済、全東信もここに位置します

決済代行を経由する場合の契約形態には複数の類型があり、経済産業省の産業構造審議会の資料では「基本型」「包括加盟店型」「包括代理型」「紹介・取次型」などとして整理されています。決済代行会社と契約したつもりでも、実際にあなたの店を審査しているのはその決済代行会社が包括契約を結んでいるアクワイアラである、という点が重要です。

Visa/Mastercardは「複数の審査窓口」、JCB・Amexは「1つの審査窓口」

ここが最も重要なポイントです。カードブランドによって、審査を行える会社の数が違います。

方式 該当ブランド 意味すること
マルチアクワイアリング Visa、Mastercard 1つのブランドに対して複数のアクワイアラが存在し、各社が独自の基準で審査する。決済代行会社ごとに結果が変わり得る
シングルアクワイアリング JCB、American Express、Diners Club、Discover 原則として単一の会社しか審査できない(JCBの審査は原則として株式会社ジェーシービーのみ)。どこから申し込んでも基準は同じ

この違いから、次の2つが同時に言えます。

  • A社で落ちてもB社なら通る可能性がある。ただしそれが起こり得るのはVisa/Mastercardの部分に限られます
  • JCBが通らないなら、申込先を変えても結果は変わりにくい。審査しているのが同じ会社だからです

「Visa・Mastercardは通ったが、JCBだけ保留になった」という現象が実務でよく起きるのは、このためです。この場合、まずVisa/Mastercardで営業を再開し、JCBは後から追加申請するのが現実的な進め方になります。日本の客単価の高い飲食店ではJCB利用比率も無視できませんが、決済がゼロの状態を続けるよりは、7割でも受けられる状態を作るほうが先です

審査で落ちる5つの要因と、その潰し方

各社が具体的に何を見ているかは公表されていませんが、一般に指摘される要因は次の5つです。それぞれに「では何を用意すれば潰せるか」を対応させます。

落ちる要因 対策として用意するもの
①業種・営業形態(接待を伴う飲食、風営法関連、深夜営業) 営業許可証、風俗営業等の許可証。対応業種を明言している決済代行を選ぶ
②営業実績の不足(開業間もない) 他社決済の売上明細、通帳の入出金履歴、予約状況が分かる資料
③申込内容と営業実態の不一致(店名・所在地・業態) 登記事項証明書、開業届、店舗の外観・内観写真で実態を証明
④書類不備・記載漏れ 申込前に全書類を揃えてから出す。差し戻しは時間の純損失
⑤代表者・法人の信用状況 確定申告書または決算書。改善に時間がかかるため、他の4つを万全にして補う

「接待の有無」で線が引かれている

誤解されやすい点ですが、多くのサービスは「キャバクラお断り」と名指しで書いているわけではありません。実際には接待を伴うかどうかで判断が分かれるケースが多く、風俗店については申込不可と明記しているサービスもあります。

つまり「通る/通らない」の二値ではなく、どこに線が引かれているかを読んでから申し込むのが正解です。同じ「バー」でも、カウンター営業のオーセンティックバーとガールズバーでは審査の通り方が変わります。

業種を偽って申し込むと、最終的に売上が止まります

これだけは強く申し上げます。実態と異なる業種・名義で申し込むのは、絶対にやめてください。

理由は道徳論ではありません。実務的に必ず詰むからです。加盟店契約後も、決済代行会社やアクワイアラには加盟店を調査する義務があります。実態との相違が発覚した時点で契約解除となり、多くの場合その時点の未入金売上が保留されます。全東信の未入金でダメージを受けた直後に、自分の申告が原因で二度目の未入金を作ることになります。

やるべきなのは偽装ではなく、実態を正確に、かつ必要な許可と書類を揃えた状態で申し込むことです。許可が取れていない項目があるなら、そこを整備するのが最短ルートになります。

「全東信の加盟店だった」ことは不利になるのか

結論から言えば、契約名義と営業実態が一致していれば、不利にはなりません。破産したのは決済代行会社側の事情であって、あなたの店の与信とは別の問題です。それどころか、全東信での取引実績(月間の売上規模、契約年数)は営業実績を示す資料として使えます。乗り換え先の申込時には、むしろ積極的に提出してください。

問題になるのは、もう一方のケースです。

先ほど触れたとおり、全東信では他人名義での加盟店契約が組織的に行われていたことが摘発されています。もし自店の契約が他人名義であったり、実態と異なる名義・業態で結ばれていた場合、新規申込では本人確認と営業実態の確認をクリアできません。

この場合の解決策は1つしかありません。正しい名義・正しい実態で契約し直すことです。開業届が出ていないなら出す、許可が必要なのに取っていないなら取る。遠回りに見えますが、これ以外の道は存在しません。抜け道を探しても、行き着く先は契約解除と売上保留です。

審査に落ちる店が、半年で本命に乗り換えるための順序設計

個人のクレジットカードの世界には、よく知られた段階戦略があります。過去に事故がある人でも、デポジット型カードで支払い実績を作り、次に直近の支払能力を重視する発行会社を経由し、最後に本命のカードを取る——という順序で「バイパス」を作る考え方です。

これと同じことが、加盟店契約でもできるのでしょうか。結論から言うと、そのままの形ではできません。ただし、核となる発想は有効です。まず、なぜそのままでは通用しないのかを正直に書きます。

前提の訂正:加盟店に「クレヒス」に当たる仕組みは存在しない

個人のクレジットカードで段階戦略が機能するのは、信用情報機関(CICなど)に良好な支払い履歴が蓄積され、それが他社からも見えるからです。だから「A社で実績を作れば、B社の審査で有利になる」が成立します。

ところが加盟店側には、これに相当する仕組みがありません。

加盟店に関する情報共有の枠組みとしては、一般社団法人日本クレジット協会の加盟店情報交換制度(加盟店情報交換センター)が存在します。割賦販売法上の加盟店調査義務の履行などのために利用されるもので、カード会社間で加盟店の情報が交換されます。ただしここで共有されるのは苦情情報などのネガティブ情報が中心です。

つまり、「良好な決済実績」が業界横断で自動的に加点評価される仕組みは、加盟店には用意されていません。悪い情報は共有されるが、良い情報は共有されない。この非対称性が、加盟店側の戦略を決定づけます。

「実績を積めば次は自動的に通る」という期待は、残念ながら成立しません。ここを誤魔化さずに書いておきます。

では何が有効か:「アクワイアラの分散」と「実績の持ち運び」

バイパスの発想を加盟店契約に翻訳すると、有効な打ち手は次の2つに集約されます。

  1. アクワイアラの分散——Visa/Mastercardはマルチアクワイアリングなので、落ちた先とは別のアクワイアラと包括契約を持つ決済代行を選べば、審査主体そのものが変わります。同じ系列に何度出し直しても結果は変わりにくい一方、系列を変えれば十分に可能性があります
  2. 実績の自己証明——横断的なポジティブ情報の共有がない以上、良好な実績は自分で書類として持ち運ぶしかありません。相手のデータベースに載っていないなら、こちらから提出するのです

この2点を軸に、時間軸で整理したのが以下の4ステップです。

STEP0(今日):止血する

まず、今日の売上を受ける手段を確保します。乗り換え先の吟味は、そのあとです。

既存のQRコード決済の契約を確認してください。PayPayや楽天ペイなどを全東信経由ではなく直接契約している場合、それらは今も問題なく使えます。まずここを確認するのが最速の止血です。

そのうえで、当日〜翌営業日に開通できる決済を1本入れます。Squareは最短で申込当日から決済を開始できるとされており、緊急時の選択肢として現実的です。

ここでの考え方は「完璧な1社を選ぶ」ではなく「まず1本通してから、腰を据えて最適化する」です。決済ゼロの日を1日でも減らすことが、どんな手数料の差よりも大きな金額になります。

STEP1(〜7日):通る入口を確保する

次に、本格的な加盟店契約を取りにいきます。ポイントは、申し込む前に全書類を揃えることです。差し戻しによる1週間の遅れは、そのまま資金繰りの1週間の遅れになります。

用意すべきもの(必要書類は各社で異なるため、公式の案内を必ず確認してください):

  • 営業許可証(飲食店営業許可)
  • 風俗営業等の許可証(該当する場合)
  • 店舗の外観・内観写真
  • 確定申告書または決算書
  • 通帳の入出金履歴(直近数ヶ月)
  • メニュー表(客単価を説明できるもの)
  • 登記事項証明書(法人の場合)/開業届(個人事業主の場合)

また、入金サイクルや取扱高の申告といった交渉可能な変数が存在することも知っておいてください。たとえば入金サイクルを最初から最短で希望するのではなく、標準的な設定で申し込んで開通させ、実績を積んでから短縮を申請する、という進め方です。各社が公式に「この条件なら通りやすい」と明示しているわけではないため断定はできませんが、申込時に選択できる項目である以上、検討する価値はあります。不明な点は各社の問い合わせ窓口で直接確認するのが確実です。

STEP2(3〜6ヶ月):持ち運べる実績台帳を作る

1社目が開通したら、次の乗り換えに向けて「提出できる実績」を蓄積します。自動では蓄積されないので、意識的に集めてください。

  • 月次の決済取扱高——管理画面からダウンロードできるレポートを毎月保存
  • チャージバック・支払い取消の発生状況——ゼロであることが最大の武器になります
  • 苦情・トラブルがなかった記録
  • 確定申告書/決算書——決済実績が売上として計上されている整合性
  • 営業許可の更新状況

そしてこの期間、絶対にやってはいけないことが3つあります。

  1. 名義貸し・他人名義での契約——全東信の事例が示すとおり、刑事事件に発展し得る領域です
  2. 実態と異なる業種申告——発覚時の契約解除と売上保留
  3. チャージバックの放置——苦情情報は加盟店情報交換制度で共有され得ます。良い情報は共有されないのに、悪い情報は共有される。この非対称性を思い出してください

STEP3(6ヶ月〜):本命へ乗り換え、決済を二重化する

実績台帳が揃ったら、条件の良いサービスへ移ります。到達点の目安はVisa/Mastercardの決済手数料1.98%+早期入金です。stera packやSTORES決済のスタンダードプランがこの水準にあたります。

そして、この記事で最もお伝えしたい提案がこれです。

1社に完全移行するのではなく、決済を2系統持ってください。

今回の件が突きつけた教訓は、手数料でも入金サイクルでもありません。決済インフラを1社に依存していると、その1社が倒れた日に店の売上が止まるという事実です。63の金融機関が見抜けなかった以上、次に同じことが起きないと言い切れる人は誰もいません。

異なるアクワイアラ/決済代行と2契約を持ち、片方が止まってももう片方で営業を続けられる状態を作る。月額費用が発生する分は、保険料と考えてください。月数千円で、あの7月の再演を防げます。

全東信の乗り換え先おすすめ7選【入金の速さ順】

入金サイクル・手数料の完全比較表

他の比較記事では「月1〜6回」といった幅表記で済まされている部分を、どの銀行口座を指定した場合かまで分解しました。自店のメイン口座と照らし合わせて読んでください。

サービス 最短入金 条件 決済手数料 振込手数料
楽天ペイ ターミナル 翌日(土日祝含む) 楽天銀行口座 2.20%〜3.24% 無料
楽天ペイ ターミナル 3日後(土日祝含む) 楽天銀行以外 同上 300円+税/回
Square 翌営業日 三井住友銀行・みずほ銀行 2.50%/3.25% 無料(即時入金は1.5%)
Square 水曜締め・同週金曜 その他の銀行 同上 無料
STORES決済(手動入金) 最短翌々営業日 振込依頼後1〜2営業日 1.98%〜3.24% 10万円以上0円/未満200円
STORES決済(自動入金) 月末締め翌月20日 同上 0円
stera pack 毎日締め2営業日後
新規申込では選択不可。新規の最短は月6回締め2営業日後
1.98%〜3.24% 三井住友0円/他行220円
Airペイ 月6回(3〜5日おき) みずほ・三菱UFJ・三井住友 2.48%〜3.24% 全銀行無料
Airペイ 月3回(10日おき) その他の銀行 同上 全銀行無料
(参考)全東信 月6回払い等

注意点:stera packの早期入金には対象外業種があります。エステ、リラクゼーション、整体、不動産、リフォーム、各種学校、スポーツ教室などが該当します。また入金日が銀行休業日の場合、月末入金は前営業日、それ以外は翌営業日にずれます。

1. 楽天ペイ ターミナル|入金スピードを最優先するなら

楽天銀行口座を指定した場合、当日23時59分までの売上が翌日(土日祝を含む)に自動振込されます。振込手数料も無料。「土日祝を含む」という点が重要で、金曜土曜に売上が集中する飲食店にとっては実質的な効果が大きくなります。

楽天銀行以外の金融機関を指定する場合は3日後の自動振込となり、振込手数料が1回につき300円+税かかります。この差は大きいので、乗り換えを機に楽天銀行の口座を開設する価値があります

向いている店:全東信の早期入金に依存していた店。日銭で仕入れを回している店。

2. Square|今日中に決済を復旧させたいなら

最短で申込当日から決済を開始できるとされており、緊急時の初動として最も現実的な選択肢です。三井住友銀行またはみずほ銀行の口座なら決済日の翌営業日に入金、それ以外の銀行では毎週水曜締めの同週金曜入金となります。振込手数料は無料です。

決済手数料は年間キャッシュレス決済額3,000万円未満の場合、主要カードで2.50%、その他3.25%。手数料1.5%の即時入金サービスもあり、どうしても今日現金が必要なときの逃げ道になります。

向いている店:まず1本通したい店。バー・ラウンジなど、比較的申込のハードルが低い業態。

3. STORES決済|手数料1.98%と手動入金の組み合わせ

スタンダードプラン(年間契約3,300円/月、月額契約3,960円/月)ならVisa・Mastercardが1.98%、JCB等が2.38%、交通系ICが1.98%。フリープラン(月額0円)でも2.48%です。

入金は自動と手動の2通り。自動入金は月末締め翌月20日で振込手数料0円ですが、手動入金なら振込依頼後1〜2営業日、最短で翌々営業日に入金されます(10万円以上は手数料0円、10万円未満は200円)。必要なときだけ手動で引き出すという使い方ができるのが特徴です。

向いている店:手数料も入金速度も両方欲しい店。月額を払える程度に売上規模がある店。

4. stera pack|最終的な到達点としての本命

決済手数料1.98%〜3.24%と最安水準。三井住友銀行口座なら振込手数料0円(他行は220円/回)。入金サイクルは4種類から選べます。

  • 毎日締め・2営業日後払い(新規申込時は選択不可
  • 月6回締め(5日ごと)・2営業日後払い ← 新規で選べる最短
  • 月2回締め(15日・月末)・2営業日後払い
  • 月2回締め・15日後払い

月6回締め2営業日後払いは、全東信の月6回払いとほぼ同等の入金スピードです。ただし審査に2〜3ヶ月かかる場合があるとされ、緊急時の初動には向きません。STEP0で止血したうえで、腰を据えて申し込む先として考えてください。

向いている店:すでに決済を1本確保していて、次の一手として条件を良くしたい店。

5. Airペイ|振込手数料が全銀行無料という設計

みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行のいずれかを登録すると月6回(3〜5日おき)の入金、それ以外の銀行では月3回(10日おき)となります。特徴的なのはどの銀行を指定しても振込手数料が無料である点です。

決済手数料は2.48%〜3.24%。対応ブランドの広さとカードリーダーの無料貸与キャンペーンが強みです。

向いている店:メガバンクをメイン口座にしている店。入金回数を増やしつつ振込手数料をゼロにしたい店。

6. USEN PAY|審査・設置のスピードと24時間の相談窓口

全東信の破産を受けて、最短3日での審査・端末設置、翌日入金、手数料削減を打ち出した対応を行っています。相談窓口は0120-125-440(24時間365日)。深夜営業の店舗にとって、営業時間外でも相談できる窓口があるのは実務的な利点です。

向いている店:営業時間の関係で日中に電話ができない店。設置まで含めてサポートしてほしい店。

7. ナイトレジャー・接待飲食への対応を明言している決済代行

大手サービスの審査に落ち続けている場合の選択肢です。ナイトレジャー・夜間飲食店への対応を公式に明言している決済代行会社が存在し、入金サイクルを月1回から月8回程度まで選べるケースもあります。

ただし、正直に不利な点も書いておきます。

  • 手数料は個別見積りとなることが多く、大手より高くなる可能性があります
  • 「審査が甘い」わけではありません。対応業種を明言しているだけであり、書類や実態の確認はむしろ丁寧に行われます

それでも、決済を受けられない状態が続くよりは遥かにましです。そして重要なのは、ここが終着点ではなく通過点だということ。ここで実績を作り、書類を揃えたうえで、半年後に条件の良いサービスへ移るのが本記事の提案する道筋です。

向いている店:すでに2社以上で審査に落ちている店。接待を伴う業態の店。

【重要】全東信加盟店向け救済キャンペーンの最新状況

7月に各社が実施した救済策について、2026年8月17日時点の状況を正直に書きます。すでに終了しているものがあります。

会社 内容 状況
STORES決済 フリープラン契約で決済端末を無償提供(通常27,720円)/スタンダードプラン契約でAmazonギフトカード20,000円分 7月7日〜7月31日限定のため終了
Square 最短申込当日から決済開始 通常サービスとして継続
USEN PAY 最短3日の審査・端末設置/翌日入金/手数料削減。窓口0120-125-440(24時間365日) 要確認
各社 端末費用0円、初年度月額0円などの通常キャンペーン 時期により変動。公式サイトで確認を

7月時点の情報のまま「今なら端末が無料です」と書いている記事が残っていますが、上記のとおり期限を過ぎているものがあります。申込前に必ず各社の公式サイトで現在の条件を確認してください。後継キャンペーンや延長が発表されている可能性もあります。

業態・状況別の選び方

キャバクラ・ホストクラブ・スナック(接待を伴う飲食)

1手目:ナイトレジャー対応を明言している決済代行。同時に、既存のQR決済で当面の売上を受ける。
2手目:Visa/Mastercardが通れば、まずそれで営業を再開。JCBは後追いで申請。
3手目(6ヶ月後):実績台帳を持って大手サービスへ再申請。

風俗営業等の許可証を必ず用意してください。許可を持っていることは不利ではなく、適法に営業している証明として有利に働きます

バー・居酒屋・深夜営業の飲食店

1手目:Square(最短当日開通)または楽天ペイ ターミナル(翌日入金)。
2手目:落ちた場合は別系統の決済代行へ。同じ系列に出し直さないこと。

接待を伴わない業態であれば、大手サービスで十分に通る可能性があります。深夜酒類提供飲食店営業の届出をしている場合は、その届出書も添えてください。

開業1年未満/個人事業主

営業実績の不足が最大のハードルです。開業届、営業許可証、店舗写真、通帳の入出金履歴で「実際に営業している」ことを証明します。確定申告がまだの場合は、通帳と予約・売上の記録で代替できるか各社に確認してください。

また、QRコード決済で先に実績と入金記録を作ってから、カード決済に申し込むという順序も有効です。QR決済で3ヶ月分の売上データがあれば、提出できる資料が1つ増えます。

すでに2社以上で審査に落ちている

ここで一度立ち止まってください。同じ書類で申し込み続けても、結果は変わりません。

  1. 落ちた理由を推定する——業種か、実績か、書類か、実態との不一致か
  2. 申込先の系列を変える——Visa/Mastercardはマルチアクワイアリングなので、別のアクワイアラと包括契約を持つ決済代行なら審査主体が変わります
  3. 書類を足す——前回添付しなかった資料(確定申告書、店舗写真、メニュー表)を追加する
  4. それでも通らないなら——対応業種を明言している決済代行へ。ここを通過点として使う

乗り換え完了までの7日間チェックリスト

Day 1〜2:止血と書類集め

  • 既存のQR決済(PayPay・楽天ペイ等)が使えるか確認する
  • 即日開通できる決済に1本申し込む
  • 営業許可証・確定申告書・店舗写真・通帳コピーを揃える
  • 全東信の売上伝票・端末ジャーナル・入金明細を保全する
  • 店内に「一時的に一部カードがご利用いただけません」の掲示を出す

Day 3〜5:本命への申込と審査対応

  • 比較表を見て、メイン口座に合うサービスを選ぶ
  • 書類を全部揃えた状態で申し込む(小出しにしない)
  • 審査担当からの追加質問には当日中に返す——ここでの1日は、そのまま入金の1日
  • 1社目と異なる系列で、2社目も並行して申し込んでおく

Day 6〜7:端末設置とオペレーション

  • 端末の初期設定、テスト決済(返金まで一度通す)
  • スタッフへの操作説明。深夜帯のスタッフにも必ず共有する
  • POSレジとの連携確認
  • 常連客へ告知(後述の文例を活用)
  • 入金サイクルの設定を確認する——ここを初期設定のままにすると、月1回入金のまま運用してしまうことがあります

常連客への告知文(そのまま使えます)

いつもご利用ありがとうございます。
決済会社の都合により、一時的にクレジットカード決済がご利用いただけない場合がございます。
現在、新しい決済システムへの切り替えを進めており、○月○日頃より通常どおりご利用いただけます。
ご不便をおかけいたしますが、当面は現金または○○(QR決済等)でのお支払いにご協力をお願いいたします。

ポイントは「決済会社の都合」と明記すること、そして復旧の目処を示すことです。理由を伏せると、店の経営状態を疑われかねません。事実を簡潔に伝えるほうが信頼を保てます。

まとめ|今日・7日以内・半年後にやること

時間軸 やること ゴール
今日 既存QR決済の確認。即日開通できる決済に1本申し込む。伝票・明細を保全する 売上を受けられる状態に戻す
7日以内 書類を全部揃えて本命に申込。1社目と別系列で2社目も申込。入金サイクルの設定を確認 入金スピードを全東信と同等以上に戻す
3〜6ヶ月 決済実績・チャージバックゼロの記録・申告書を蓄積する 提出できる実績台帳を作る
半年後 手数料1.98%水準のサービスへ乗り換え。2系統体制を維持する 全東信より安く、速く、そして倒れない体制

最後にもう一度だけ書きます。今回のことは、あなたの店の落ち度ではありません。20年間の粉飾を63の金融機関が見抜けなかったのですから。

ただし、これから作る体制は自分で選べます。1社に依存しない——それが、2026年7月の教訓に対する唯一の実践的な答えです。

よくある質問

全東信に未入金の売上金は戻ってきますか?

破産後の加盟店売上金について、カード会社が加盟店へ直接支払う方向で協議が行われていると報じられていますが、2026年8月17日時点で確定した措置ではありません。破産管財人からの通知を確認しつつ、売上伝票・端末の取引明細・全東信からの入金明細を保全してください。資金繰りは「戻らない前提」で組むのが実務的です。

全東信の加盟店だったことは、次の審査で不利になりますか?

破産は決済代行会社側の事情であり、契約名義と営業実態が一致していれば不利にはなりません。むしろ全東信での取引実績は営業実績を示す資料として使えます。ただし他人名義など実態と異なる契約をしていた場合は、正しい名義・実態で契約し直す以外の選択肢はありません。

キャバクラやスナックでも通る決済代行はありますか?

ナイトレジャー・夜間飲食店への対応を公式に明言している決済代行会社は存在します。またVisa・Mastercardはマルチアクワイアリング方式のため、決済代行会社ごとに審査するアクワイアラが異なり、A社で不可でもB社で可となることがあります。一方JCB・American Express・Diners Clubは原則として単一のアクワイアラが審査するため、どこから申し込んでも結果は変わりにくい構造です。

全東信の「月6回入金」と同じスピードは他社で出せますか?

出せます。楽天ペイは楽天銀行口座を指定すると土日祝を含む翌日自動入金、Squareは三井住友銀行・みずほ銀行なら翌営業日入金です。stera packの毎日締め2営業日後払いは新規申込時には選択できず、新規で選べる最短は月6回締め2営業日後払いとなります。

審査に落ちました。次に何をすればいいですか?

①落ちた理由の推定(業種・実績・書類・実態不一致のどれか)②別のアクワイアラと包括契約を持つ決済代行に申し込む ③営業許可証・確定申告書・店舗写真・客単価が分かる資料を揃えて再申請 ④まずQR決済等で決済実績と入金記録を作る、の順です。同じ書類のまま同じ系列に出し直しても、結果は変わりにくいです。

手数料が安い会社と入金が速い会社、どちらを選ぶべきですか?

資金繰りが逼迫している段階では入金速度を優先してください。月商300万円なら手数料0.5%の差は月1万円程度ですが、入金サイクルが月1回から翌日に変わる効果は運転資金の前倒しとして桁違いに大きくなります。落ち着いてから手数料の低いプランへ切り替える二段構えが現実的です。


参考・出典

  • 株式会社帝国データバンク「倒産速報:株式会社全東信」
  • 日本経済新聞「クレジットカード決済代行の全東信が破産 負債1259億円」「全東信破産後の加盟店売上金、カード会社が直接支払いへ協議」
  • ダイヤモンド・オンライン「全東信はなぜ突然破綻したのか」
  • ITmedia NEWS「全東信、破産を招いた『2つの事件』」
  • ITmedia オルタナティブ・ブログ「『全東信』破産、決済代行各社の救済策まとめ」
  • 経済産業省 産業構造審議会 割賦販売小委員会「加盟店契約に関与する主体間の関係(暫定的整理)」
  • 一般社団法人日本クレジット協会「加盟店情報交換センター」/株式会社ジェーシービー「加盟信用情報機関の利用および登録」
  • PAY.JP「決済代行会社によって審査結果が違うことがある?」
  • Square、楽天ペイ、STORES決済、stera pack、Airペイ 各公式サイトおよび公開情報

※本記事は2026年8月17日時点の公開情報にもとづく一般的な情報提供であり、個別の法律相談・財務助言ではありません。破産手続に関する個別のご事情は、破産管財人または弁護士にご確認ください。各サービスの手数料・入金サイクル・キャンペーン条件は変更される場合があるため、申込前に必ず各社公式サイトで最新情報をご確認ください。

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