結論:Fランに行くくらいなら通信制でいい。理由は利回り
主張は一つだけです。Fラン大学に4年通って学士を取るのと、通信制大学で学士を取るのは、履歴書の上では同じ「大卒」です。同じものを買うなら、安いほうで買ってください。
通学制の私立大学は4年で500万円前後かかります。通信制なら77万円から160万円で済み、しかもその4年間を働きながら過ごせる。得られる学歴が同じなら、この差額と4年分の収入は、そのままあなたの利回りの差です。
私は偏差値35の高校から短大に行き、四年制大学に編入して四大卒の肩書を取った人間です。その肩書を一度も使わずに独立して20年やっています。だから「学歴には価値がある」とも「価値がない」とも言いません。言うのは「学歴という商品の値段と利回り」の話だけです。
学歴の利回りを計算する
学歴を投資商品として見ると、リターンは「その学歴で通過できるゲート(採用の足切り、昇進要件)を通った先の収入差」で、コストは「学費」と「その期間に働けば得られたはずの収入(機会費用)」です。
通学制のFラン(私立)
- 学費:文部科学省の調査で私立大学の初年度納付金は平均約148万円。2年目以降も授業料と施設費で年120万円前後かかるので、4年で450〜500万円
- 機会費用:4年間フルタイムで働かない。高卒で働けば年収250万円としても4年で1,000万円
- コスト合計:1,500万円前後
通信制大学
- 学費:放送大学の全科履修生は入学料と124単位分の授業料で約77万円。2025年に開学したZEN大学は年38万円、4年で約159万円
- 機会費用:ほぼゼロ。働きながら取れる
- コスト合計:77〜160万円
得られるものは両方とも「学士」です。人事システムの学歴区分は「大卒」で同じ。昇進要件の「大卒以上」も同じく通る。
ここで「Fランと通信制では就職の評価が違う」と言う人がいますが、Fランの時点で学校名による加点はほぼありません。学校名で評価されるのは上位校だけです。Fランと通信制の差は「どちらも加点なし」の中での差なので、利回り計算に入れるほどの値になりません。
つまり、同じ商品を10倍の値段で買うかどうかという話です。
学歴の利回りは史上最低、超一流以外は下がり続ける
前提として書いておきます。学歴の価値はかつてないほど下がっていて、この傾向は規定ルートだと私は見ています。
理由は単純で、大学で学ぶ内容の多くはAIが数秒で要約できるレベルになった一方で、学費は下がっていないからです。リターンが下がってコストが横ばいなら、利回りは下がります。この影響を受けないのは、学校名そのものがゲートを開ける超一流大学だけで、それ以外の大学は「大卒という区分を得るための場所」に近づいていきます。
だとすれば、超一流に入れない人が取るべき戦略は「区分を最安で取る」です。Fラン大学に500万円払って区分を取るのは、値下がりが確定している商品を定価で買う行為です。
「Fランの学力では通信制を卒業できない」への答え
この主張には、まともな反論があります。「Fラン水準の学力と自制心では、通信制は卒業できない。強制力のある通学制のほうが結果的に学士に届く」というものです。
これは事実として半分正しい。通信制大学の卒業率は、統計の取り方に癖があるものの、全体では10%前後と言われています。放送大学で40%程度。一方で、学習管理をしっかりやるサイバー大学や産業能率大学は65〜75%とされていて、学校によってまったく違う。通信制が卒業しにくいのは、学力の問題というより「誰も締め切りを管理してくれない」ことが原因です。
ただ、この反論を受け入れて通学制を選ぶのは、利回りの観点では間違いです。通学制の「強制力」に払っているのは、学費の差額400万円と機会費用1,000万円です。締め切りを管理してもらうために1,400万円払う。これは高すぎる。
だから妥協点は、通学制ではなく「オンライン完結だが、管理の仕組みが組み込まれている通信制」です。ZEN大学がその型で、スクーリングも卒論もなく完全オンラインですが、履修相談を受けるアカデミック・アドバイザー、進捗管理をするクラス・コーチ、キャリア・アドバイザーの3種類が個別についていて、学習管理システムで学修記録を追跡します。通学制の「強制力」のうち、締め切り管理と相談相手の部分だけを、年38万円で買える設計です。
まとめると、選択肢は3つです。
- 自制心に自信があるなら放送大学。77万円で最安
- 自信がないならZEN大学型。159万円で管理付き
- 通学制のFランは、どちらの場合でも利回りが合わない
「卒業できないかもしれない」という不安に対して、通学制の500万円は保険料として高すぎる。管理付きの通信制で、その保険料を80万円に下げてください。
ZEN大学の学費は、日本財団ZEN大学奨学金(収入の合計が700万円未満の家庭が応募できる授業料免除)や、通信制大学も対象にしているDAISO財団の給付型と組み合わせると、さらに下がります。組み合わせと、親が用意するお金の計算は、給付型奨学金とZEN大学の記事に書きました。
すでにFランにいる人へ:辞めるな、最安で取り切れ
「fラン 後悔」「fラン 親に申し訳ない」で検索してくる人は、もう入学している人でしょう。その場合の判断は入学前とは違います。
すでに払った学費は戻りません。埋没コストです。残りの学費と時間だけで判断してください。
残り3年以上あるなら、通信制に3年次編入するか、上位校への編入試験を受ける選択肢があります。短大や在学中の単位を引き継げるので、通信制なら残り2年・40万円前後で学士に届く。編入で上位校を狙う経路は 学歴ロンダリングの記事 に、私自身がやった実例を書いています。
残り1〜2年なら、そのまま卒業するのが最安です。ここで辞めると学士が手に入らず、払った分がすべて無駄になる。
「親に申し訳ない」については、感情ではなく数字で親に説明してください。「残り〇〇万円で学士が取れる。辞めると払った〇〇万円がゼロになる」と言えば、ほとんどの親は納得します。申し訳なさで悩む時間があるなら、その時間で残りの単位を取ってください。
Fランに行かないと決めた人へ:学歴は最安で取り、金は別の場所に使う
通信制で学士を取るなら、浮いた400万円と4年間の時間をどこに使うかが本題になります。
私が学生の頃に古本のせどりを始めて、学費も教科書代も自分で払って経済的に自立したように、その4年間で「会社以外の買い手」を作ることに使えば、学歴ゲートそのものが関係なくなります。学歴は会社の中でしか問われない。会社の外に買い手を持てば、学士が通信制かどうかを気にする人は一人もいません。
学歴を最安で取っておくのは、その道が合わなかったときに会社員に戻れる保険です。保険は安いほどいい。
まとめ
Fラン大学と通信制大学で得られる学士は同じです。同じものなら安いほうで買う。通学制の500万円と4年の機会費用に対して、通信制は77〜160万円で機会費用ゼロ。利回りの差は10倍以上です。
「Fランの学力では通信制を卒業できない」という反論は半分正しいが、その対策として通学制に1,400万円払うのは高すぎる。妥協点は、ZEN大学のような管理付きオンライン型です。
学歴の利回りは史上最低で、超一流以外は下がり続けます。だから区分を最安で取り、浮いた金と時間を別のことに使ってください。
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