「Amazon 真贋調査」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
真贋調査は、Amazonが出品者に「その商品が正規品で、正規の仕入れ先から買った」ことの証明を求める手続きの通称です。中身は1つではなく、商品の品質と信頼性に関する通知、権利者からの知的財産権の苦情、FBA在庫の調査などに分かれ、求められる書類も違います。いちばん多く出てくる書類は仕入れ先の請求書で、Amazonはその要件(通知の受領前365日以内の発行、販売数と手持ち在庫をまかなえる数量、仕入れ先の連絡先など)を公開しています。
私はAmazonのFBAで、店舗や電脳で仕入れた新品と中古、卸やメーカーから仕入れた新品、中国輸入・OEMの商品を売ってきました。真贋調査を受けたことは、一度もありません。だからこの記事に、改善計画書の例文や返信のテンプレートは書きません。書けるのは、公式に書かれていることと、私が仕入れの段階で注意していたことです。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 真贋調査とは | 正規品の証明を求められる手続きの通称。品質と信頼性の通知、知的財産権の苦情、FBA在庫の調査などで中身が違う | 1 |
| 何を出せばいい? | 通知で求められた書類。請求書が求められるなら、365日以内の発行、数量、商品コード、仕入れ先の連絡先などの要件がある。権利者の苦情なら、権利者に撤回してもらう道もある | 2・5 |
| 出せない書類は? | 見積書、仮送り状、自分で作った請求書、改ざんしたもの、ExcelやWordのような編集できる形式 | 2 |
| 放っておくと? | FBA在庫の調査では、期限までに書類を出さないと在庫が廃棄されることがある | 1・5 |
| 受けないためには? | 確実な方法はない。私は、請求書が出る仕入れで出品許可を取り、メーカーが厳しい家電・化粧品と、出品者が少ない商品を避けていた | 4 |
1. 真贋調査とは|中身は通知の種類で違う
「真贋調査」はせどりでよく使われる呼び方で、Amazonのヘルプはこの言葉ではなく、通知やポリシーの名前で書いています。私が公開ヘルプで確かめられたのは、次の4つです。
1-1. 前提:偽造品の禁止
「Amazon偽造品の取り組み」は、Amazonで売る商品は正規品でなければならず、正規品だけを仕入れて売るのは出品者の責任だとしています。守らなかった場合は、出品権限の取り消し、売上金の支払いの留保、Amazonにある在庫の廃棄がありうると書かれています。権利者から申告があれば、Amazonが調べるとも書かれています。
1-2. 商品の品質と信頼性に関する通知
「ポリシー違反の申し立てに関する請求書の要件」は、商品の品質と信頼性に関するパフォーマンス通知などで、仕入れ先からの請求書のコピーの提出が必要になることが多いと書いています。Amazonは、その請求書で出品している商品を確かめます。
1-3. 権利者からの知的財産権の苦情
「Amazon知的財産権ポリシー」は、権利者から侵害の報告があって出品が削除された場合の対応を書いています。権利者との間に契約などの関係があるなら、権利者に苦情の撤回を頼むことを勧めています。正規品を出品していると確信しているなら、ASINのリストと、商品の真正性を示す請求書、注文番号、権利者の権限付与書面(Eメールの転送は不可)のどれかを付けて、異議を申し立てられます。知らずに侵害していた場合でも、警告や利用停止の措置はあるとも書かれています。
1-4. FBA在庫の調査
「不適切な在庫の調査に関するポリシー」は、FBA在庫について書かれたものです。偽造品などのポリシーに違反している疑いがあると、Amazonは調査の間、在庫の一部か全部を留保し、出品者に本人確認、商品が正規品かどうか、法令を守っているかについての情報や書類を求めることがあります。
- 期限までに出さなかった場合、または不適切な在庫と判断された場合:在庫は廃棄されることがある
- 偽造品の販売や偽造文書の提出などの不正が分かった場合:関連する在庫は廃棄されることがある
- ポリシーに準拠していると判断された場合:不適切と判断されなかった在庫の返送や所有権の放棄を依頼できる
2. 請求書を求められたときの要件|公式に書かれていること
2-1. 載っていなければならないこと
- 日付:通知を受け取る前の365日以内に発行されていること
- 数量:通知に書かれた各ASINについて、過去365日の販売数と手持ち在庫をまかなえるだけの数量があること
- 対象の商品:違反の対象の各ASINの販売記録があること。ほかの商品も載っているなら、対象の商品に印をつけてよい
- 商品コード:オンラインで確かめられる商品名、型番、UPCなど
- 仕入れ先の連絡先:名前、電話番号、住所、ウェブサイトなど
2-2. そのほかの条件
- 正本で、改変していないこと。価格は消してよいが、ほかの情報は読める状態にする
- PDFか画像(jpg、png、gif)
- 出荷まで完了した取引の記録であること
- 仕入れ先が、税務登録番号などの公的な情報や、ブランドのサイト、企業の名簿などで確かめられること
- Amazonが、書類を確かめるために仕入れ先へ連絡することがある
2-3. 受け付けられない書類
- 見積書、仮送り状など、取引が終わる前に出される書類
- 出品者自身が発行した請求書や、仕入れ先と出品者が同じ事業体だと思われる請求書
- デジタルで改ざんされた請求書、Excel(.xlsx)やWord(.docx)のような編集できる形式の請求書
出典:Amazon「ポリシー違反の申し立てに関する請求書の要件」
公式の要件には書かれていませんが、出す前に私なら次も確かめます。請求書の宛名(名前と住所)がセラーセントラルに登録した情報と合っているか。その請求書が、売った商品より前に仕入れた分のものか。型番が出品している商品と一致しているか。
2-4. 手元の請求書で、日付と数量が足りるかを確かめる
要件のうち、日付と数量は計算で確かめられます。請求書は3枚まで入れられます。365日より前の請求書や、通知より後の日付の請求書は数えません。
3. せどりの仕入れで引っかかりやすいところ
公式の要件を、せどりの仕入れに当てはめると、引っかかりやすいのは次の3つです。
- 数量:過去365日に売った数と手持ちの在庫を、全部まかなう必要があります。何回かに分けて少しずつ仕入れた商品は、その全部の書類がそろわないと足りません
- 仕入れ先の連絡先と確かめやすさ:仕入れ先の名前、電話番号、住所、ウェブサイトなどが載っていて、その仕入れ先が公的な情報やサイトで確かめられることが求められています
- 商品コード:型番やUPCなど、オンラインで確かめられるコードが必要です
店舗のレシートが使えるかどうかは、請求書の要件のページには書かれていません。求められる書類は通知によって違うので、まず通知の文面で、どんな書類が認められているかを確かめてください。そのうえで、レシートに載っている項目を上の要件に1つずつ当てて、足りない項目がないかを見ます。私自身は、書類が必要な場面ではレシートではなく請求書を用意していました(次の章)。
4. 私が仕入れの段階で注意していたこと
ここに書くことをやっていたから真贋調査を受けなかった、とは言えません。受けなかった理由は、私には分かりません。そのうえで、私がやっていたことです。
4-1. 出品許可は、請求書が出る仕入れで取った
出品許可が要る商品は、卸の請求書で申請して、許可が取れました。家電量販店で仕入れる場合は、ビックカメラの法人部門を使いました。目的は、店のレシートではなく、出品許可の申請に出せる請求書を取るためです。
出品許可の申請で求められる書類の要件は、商品によって違います。Amazonの「出品申請に関するよくある質問」は、要件は出品許可の申請ページで確かめるように、としています。出品許可が取れた請求書が、あとの調査でも同じように認められるとは限りません。審査の目的と求められる数量や日付が違うからです。
4-2. メーカーが厳しい家電と化粧品は出さなかった
メーカーが厳しい家電と化粧品は、出品を避けていました。Amazonは、権利者と協力して正規品でない商品を見つける、と公式に書いています。
4-3. 出品者が少ない商品は、基本的に警戒した
出品者の数が少ない商品は、基本的に警戒していました。出品する前に、その商品に何人の出品者がいるかを見て、少なければ慎重に判断する、という順番です。
4-4. 取締りの事例をまとめたサービスを使うこともあった
出品を避ける商品を洗い出すのに、セラースケットのような、Amazonの取締りの事例をまとめたサービスを使うこともありました。いまは運営会社が変わったと聞いていて、今の中身は私は確かめていません。公式サイトには、2026年9月30日時点で20日間の無料期間の表示があります。使うなら、その間に自分の扱う商品で役に立つかを確かめてから決めてください。こうしたサービスの判定が、Amazonの調査を予測できるわけではありません。
4-5. 混合在庫はやめた
FBAの混合在庫(ステッカーレス)も使っていましたが、最終的にやめたと記憶しています。返品された商品の箱に粘土を詰めて返す詐欺をする人がいて、そういう商品に混合在庫で当たると、自分の過失になってしまうからです。混合在庫は2026年3月31日で終わっています。詳しくはAmazonの偽物の記事に書きました。
5. 通知が来たら|公式に書かれている範囲
私は通知を受けたことがないので、ここは公式に書かれていることだけです。
- 通知の種類を確かめる。品質と信頼性の通知か、権利者からの知的財産権の苦情か、FBA在庫の調査か。対象のASIN、求められている書類、期限も確かめます
- 権利者からの苦情なら:権利者と契約などの関係があれば、撤回を頼む。正規品だと確信しているなら、ASINのリストと、請求書・注文番号・権利者の権限付与書面のどれかを付けて異議を申し立てる。出品したことのない商品なら、通知に返信してその旨を伝える
- 請求書を求められたら:2章の要件に合う請求書を集め、2-4の計算機で日付と数量を確かめてから、期限までに出す
- アカウントが停止されたら:アカウントのダッシュボードから申し立てを送るか、停止の通知に返信する(知的財産権ポリシーの案内)
- 却下されたら:通知を読み直し、請求書が受け付けられなかった理由を確かめる
改善計画書や説明の文面は、通知で求められたら出します。求められる中身は通知ごとに違うので、この記事に例文は載せません。通知が本物かの見分け方と、アカウント健全性の評価の点数の仕組みは「Amazonアカウントスペシャリストとは」に書いています。
書類を偽造したり、日付を書き換えたりするのは論外です。公式は、偽造した文書の提出を在庫の廃棄の理由として挙げています。
6. よくある質問
真贋調査の読み方は?
「しんがんちょうさ」です。真贋は、本物と偽物のことです。
請求書がないと、どうなりますか?
請求書を求める通知に、要件を満たす書類を出せなければ、申し立てが通りません。FBA在庫の調査なら、期限までに書類を出さないと在庫が廃棄されることがあります。権利者からの苦情なら、注文番号や権利者の権限付与書面で異議を申し立てる道も公式に書かれています。
店舗のレシートは使えますか?
請求書の要件のページには、レシートの扱いは書かれていません。受け付けられない書類として挙がっているのは、見積書、仮送り状、出品者自身が発行したもの、改ざんしたもの、編集できる形式のものです。まず通知の文面で認められる書類を確かめ、レシートを出すなら、日付、数量、商品コード、仕入れ先の連絡先の要件に当ててから出してください。
真贋調査を無視したらどうなりますか?
FBA在庫の調査では、期限までに書類を出さないと在庫が廃棄されることがあります。偽造品のポリシーに違反した場合は、出品権限の取り消しや売上金の留保もありえます。
中古品でも真贋調査は来ますか?
私は店舗や電脳で仕入れた中古品もAmazonで売っていましたが、真贋調査を受けたことはありません。ただ、公式の偽造品のポリシーは新品と中古で分けていないので、中古なら来ない、とは言えません。
7. まとめ
- 真贋調査は、正規品の証明を求められる手続きの通称。品質と信頼性の通知、知的財産権の苦情、FBA在庫の調査などで、求められる書類が違う
- 請求書を求められたら、通知の受領前365日以内の発行で、過去365日の販売数と手持ち在庫をまかなえる数量が要る。仕入れ先の連絡先と商品コードも要る
- 見積書、仮送り状、自分で作った請求書、改ざんしたもの、編集できる形式は受け付けられない
- 権利者からの苦情は、撤回の依頼か、請求書・注文番号・権限付与書面での異議申し立て
- FBA在庫の調査は、期限までに書類を出さないと在庫が廃棄されることがある
- 私は真贋調査を受けたことがない。出品許可は卸やビックカメラの法人部門の請求書で取り、メーカーが厳しい家電・化粧品と出品者が少ない商品は避けていた。ただ、それで調査を受けなかったとは言えない
8. 出典
| 資料 | 使ったところ |
|---|---|
| Amazon「Amazon偽造品の取り組み」 | 1-1、4-2、6章。正規品のみ、違反時の措置、権利者との協力 |
| Amazon「ポリシー違反の申し立てに関する請求書の要件」 | 1-2、2、3、5章。請求書の要件と受け付けられない書類 |
| Amazon「Amazon知的財産権ポリシー」 | 1-3、5章。撤回の依頼、異議申し立てに付ける書類、アカウント停止時の申し立て |
| Amazon「不適切な在庫の調査に関するポリシー」 | 1-4、5、6章。FBA在庫の留保、求められる書類、廃棄と返送の条件、偽造文書 |
| Amazon「出品申請に関するよくある質問」 | 4-1。出品許可の要件は商品ごとに違うこと |
| セラースケット 公式サイト | 4-4。無料期間の表示 |
9. あわせて読む
| 記事 | つながっているところ |
|---|---|
| Amazonアカウントスペシャリストとは | 停止や警告の通知が本物かの見分け方と、アカウント健全性の評価 |
| Amazonの偽物 | 買う側から見た偽物と、3月31日で終わった混合在庫の話 |
| 古物商許可はせどりに必要か | 中古を仕入れて売るときの許可 |
| ハイブランドの仕入れルート | ブランド品の仕入れ先。私はブランド品をAmazonでは売らず、メルカリとヤフオクで売っていた |
10. この記事について
| 書いた人 | 中古品の売買を20年近く続けている出品者(古物商許可あり)。AmazonではFBAで、店舗・電脳の新品と中古、卸・メーカーの新品、中国輸入・OEMの商品を売ってきた |
| 確かめた日 | 2026年9月30日(Amazonのヘルプ5件、セラースケットの公式サイト) |
| 私の経験から書いたこと | 真贋調査を受けたことがないこと。出品許可を卸の請求書で取れたこと。ビックカメラの法人部門を出品許可の請求書のために使ったこと。メーカーが厳しい家電・化粧品を避けたこと。出品者が少ない商品を警戒したこと。セラースケットのようなサービスを使うこともあったこと。混合在庫をやめた理由 |
| 確かめられなかったこと | 店舗のレシートが請求書として受け付けられるか。通知の実際の文面(私は受けたことがない)。改善計画書の書き方。セラースケットの現在の中身と運営会社の変更の経緯 |
