スマホ修理転売は儲かるか|iPhoneよりAndroidで利益が出た理由

スマホ修理転売 修理転売・リペア

スマートフォンの修理転売で実際に利益が出たのは、iPhoneではなくAndroidでした。扱っていたのはPixelとGalaxyで、最も利益が出たのはGalaxyです。

この記事では、バッテリー・液晶・SIMトレイ・背面カバーの4部位について、仕入れ値・部品代・作業時間・売値を実際の数字で出します。先に結論を言うと、最も割に合わなかったのはバッテリー交換でした。修理転売の記事で最も推奨されている作業です。

私は古物商許可を取得した法人で、中古品の買取・修理・販売を長く続けてきました。以下の数字は、その中で実際に手を動かして記録したものです。

このジャンルを他のジャンルとどう組み合わせるか(資金別の配分・回転率と利益率の目安)は、親記事のせどりで儲かるジャンルは全部|資金別の逆算表と4象限の配分設計とせどりの利益率と回転率|20年3業態の実測値で出した目安にまとめています。

結論:利益が出たのはAndroidだった

扱っていた機種はPixelとGalaxyで大半を占め、最も利益が出たのはGalaxyでした。

iPhoneをやらなかったわけではありません。研修を受け、複数台を仕入れて実際に修理を試みています。しかし技術の習得には至りませんでした。カメラ・レンズの交換もバッテリー交換も、Androidより明らかに手間がかかり、採算が合わなかったためです。

「iPhoneは需要が大きいから稼げる」という説明をよく見かけます。私の実感は逆でした。需要が大きいことと、自分の取り分が残ることは別の問題です。

部位別の原価・作業時間・利益

利益は、どの故障を仕入れるかで決まります。同じ仕入れ値5,000円でも、背面カバー割れと液晶割れでは残る利益が倍近く違いました。

部位 仕入れ値 部品代 売値 粗利 作業時間 利益÷時間
SIMトレイ 20,000円 300円 35,000円 14,700円
(成功時)
1分 期待値 +5,850円
(勝率50%時)
背面カバー割れ 5,000円 1,500円 13,000円 6,500円 20分 約19,500円/時
液晶割れ 5,000円 3,000〜5,000円 20,000円 10,000〜12,000円 40分 約15,000〜18,000円/時
バッテリー 8,000円 1,500〜2,000円 15,000円 5,000〜5,500円 40分 約7,500〜8,250円/時
カメラレンズカバー ― 300円 ― ― 10分 ―

金額は私が扱った範囲のものです。機種によって仕入れ値も売値も変動するため、そのままの数字が再現するわけではありません。また販売手数料と送料は含んでいません。

この表から読み取れることは3つです。

  1. バッテリー交換が最下位。時間あたりの利益は他の部位の半分以下でした。
  2. 背面カバー割れと液晶割れが、同じ仕入れ値5,000円。片方は表示すらできない致命的な故障、もう片方は見た目だけの問題です。それが同じ値段で買えていました。
  3. SIMトレイは他と比較する意味がないほど外れている。ただし交換しても直らない場合があるため、成功時の数字だけを見ても意味がありません。

バッテリー交換が最も割に合わない理由

バッテリー交換の時間あたり利益は約7,500〜8,250円で、4部位の中で最下位でした。修理転売を扱う記事も動画も工具紹介も、最も多いのがバッテリー交換です。それが実測では一番割に合わない。

理由は原価の構造にあります。バッテリーの劣化は、中古市場での減点が小さいのです。画面が割れていれば誰が見ても壊れているとわかりますが、バッテリーの持ちが悪いだけの端末は見た目には正常です。結果として安く買えません。仕入れ8,000円に対して売値15,000円では、上げ幅が7,000円しかない。ここから部品代を引くと、残るのは5,000円台です。

一方、背面カバーが割れた端末は5,000円で買えました。動作には何の問題もなく、直せば13,000円になります。

ここから一般化できることがあります。市場が過剰に減点している故障ほど、利益が残るということです。見た目のインパクトが大きく、実際の修理コストが小さい故障。この差額が利益の正体です。

なお作業時間40分と書きましたが、これは私が不慣れだった頃の数字です。慣れればもっと短くできます。それでも順位は変わりません。仕入れ値が高い時点で、利益の上限が決まってしまうためです。
自分のスマホの電池を自分で替えるか、メーカーに出すかを決めたいときは、スマホ修理を自分でやる前にの記事に、メーカーの料金、電波法、発火と電池の捨て方をまとめています。充電口の掃除と交換、修理店・メーカーの料金の比べ方は、スマホの充電口の記事に書きました。

SIMトレイ:勝率ではなく損益比で成立している

SIMトレイの交換は、部品代300円、作業時間1分です。仕入れ20,000円の端末が35,000円になるので、成功すれば粗利は14,700円になります。

ただし、交換しても直らない場合があります。私の勝率は当初50%でした。

それでもこの部位が成立したのは、勝率が高かったからではありません。負けたときの損失が小さかったからです。

結果 確率 損益
直った 50% +14,700円
直らなかった(損切り) 50% −3,000円
期待値 +5,850円

直らなかった端末は、そのまま損切りして売却しました。損失はおおよそ3,000円です。勝てば14,700円、負けても3,000円。損益比が約5対1あるため、コインの裏表でも期待値はプラスになります。

この5,850円は、バッテリー交換の確定した粗利5,000〜5,500円を上回っています。しかも作業は1分です(※期待値は販売手数料を含まない概算です)。

仕入れ段階で当たり外れを見分ける

勝率50%は、見分け方がわかる前の数字です。失敗を重ねた結果、仕入れの段階で判別できるようになりました。

  • SIMトレイが割れている個体は、復活することが多い。物理的な破損が原因であるため、部品を交換すれば読み込むようになります。
  • 最初からSIMトレイがない状態で売られている個体は、直らない可能性が高い。出品者がSIMを読み込めないことを確認したうえで、トレイを外して売っていると考えられるからです。

ここで見ているのは端末ではありません。なぜその状態で出品されているのか、という売り手の判断です。壊れている端末をそのまま出す業者は、たいてい何が壊れているかを把握しています。トレイがないという事実は、端末の情報ではなく、出品者が下した判定の痕跡です。

同じ判定を繰り返している出品者は、傾向として存在します。何度か取引をすれば見えてきます。この見分け方を使うようになってから、勝率は50%より上がりました。

ひとつ補足すると、作業時間1分というのは交換作業そのものにかかる時間です。この条件に合う端末を探す時間は含まれていません。

なぜAndroidだったのか

Androidを選んだ理由は3つあります。

1. iPhoneは、研修を受けても習得できなかった

私はiPhoneの修理研修を受けています。そのうえで複数台を仕入れ、実際に分解して修理を試みました。結果として、技術の習得には至りませんでした。

カメラ・レンズの交換も、バッテリー交換も、Androidと比べて明らかに手間がかかります。同じ作業に何倍もの時間がかかるうえ、失敗する確率も高い。時間あたりで見たときに、割に合いませんでした。

これは私の技量の問題でもあります。ただ、技量の問題であっても、採算が合わないという結論は変わりません。

2. 研修を受けた人がiPhoneに集中している

iPhone修理の研修そのものは、多くの事業者が提供しています。つまり、同じ技術を持った人が継続的に市場へ供給されているということです。参入者が多ければ、仕入れの競争も激しくなります。

Androidは、そもそも情報が少ない。機種ごとに構造が違い、分解手順の情報も分散しています。その分だけ、参入する人も少なくなります。

3. 結果として、Android側に価格の歪みが残っていた

先ほどの表で、背面カバー割れと液晶割れが同じ5,000円で買えていた、と書きました。これが歪みです。

買い手が多い市場では、こうした価格差はすぐに埋まります。誰かが気づいて買っていくからです。埋まらずに残っているということは、そこを見ている人が少ないということでした。

修理転売という商売そのものが儲かるのかについては、修理転売は儲からないと言われる理由で別に書いています。

Androidは、直して売るだけでなく、公式サポートが切れた端末をカスタムROMで延命させる使い方もできます。私はPixel 3をLineageOSでAndroid 15まで延命して使っています(カスタムROMとは)。

部品はどこから買うか

交換部品の多くは中国から輸入しています。SIMトレイ300円、背面カバー1,500円といった価格は、国内の小売で1点ずつ買っていては実現しません。

普段使っているのはAliExpressです。1点から買えて、日本まで届きます。修理部品は必要な数がそのまま1個なので、まとめ買いをする理由がありません。

AliExpressで見つからない部品は、alibaba.comで探します。こちらは業者向けの卸サイトですが、1個単位で応じてくれる出品者もいます。私が購入したときは、日本へ直送してもらえるかを確認したうえで、代行業者を使わずクレジットカードで決済しました。

詳しくはそれぞれの記事に書いています。

この数字が再現しない条件

ここまでの数字を、そのまま自分の結果として期待しないでください。以下の条件で変わります。

  1. SIMトレイは半分が失敗する。見分け方を使えば確率は上がりますが、確実ではありません。1回あたりの期待値で判断してください。
  2. 販売手数料と送料は表に含まれていません。プラットフォームの手数料と発送費を差し引くと、粗利は2〜3割ほど目減りします。
  3. 機種によって仕入れ値も売値も動きます。私が扱っていたのはPixelとGalaxyです。他の機種で同じ差額が出る保証はありません。
  4. 相場は時期で変わります。中古端末の価格は新機種の発売や在庫状況で動きます。数字そのものより、どの故障に利益が残るかという構造を見てください。

ここまでの数字は、どの故障を仕入れるかを判断できることが前提になっています。減点の大きい故障ほど利益が残るという原理は、機種にも品目にも依存しません。私はこの判断の仕方を、スマートフォン以外の分野でも同じ形で使っています。

よくある質問

スマホ修理転売は儲かりますか?

故障の種類によります。私の実績では、同じ仕入れ5,000円でも背面割れと液晶割れで利益が倍近く違いました。

iPhoneとAndroidはどちらが有利ですか?

私はiPhoneで挫折し、Androidで利益が出ました。研修を受けて複数台試しましたが採算が合いませんでした。

どの故障を仕入れるべきですか?

見た目の減点が大きく、部品代が安い故障です。バッテリー劣化は安く買えないため利益が残りにくい傾向がありました。

修理部品はどこで買いますか?

多くは中国から輸入しています。1点から買えるため、AliExpressを主に使っています。

SIMトレイ交換は必ず直りますか?

直らない場合があります。私の勝率は当初50%でした。トレイが割れている個体の方が復活しやすい傾向があります。

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