乃木坂「シンクロニシティ」歌詞考察

乃木坂シンクロニシティ解釈

4月の25日に発売される乃木坂46の新曲「シンクロニシティ」。

YouTubeでMVが公開されていたのでさっそく見ました。

 

 

生駒里奈さんが参加する最後の楽曲であり、昨年のレコード大賞で大賞を受賞した「インフルエンサー」に続く2018年度一発目の作品。

 

僕が乃木坂46が好きな理由は、衣装、楽曲、ストーリーが一体となっていて、抽象度の高い世界観を体現しているからです。

 

良い作品というのは衣装だけでもダメだし、楽曲だけだと記憶に残らない。

そしてその背景にある物語と一致してないとメッセージの伝達力が落ちていきます。

 

今回であれば生駒里奈という乃木坂を象徴するメンバーが卒業をする。

乃木坂46というグループ自体が世代交代の時期に迫っている。

逃げ水で体現した3期生にバトン託していくというメッセージ。

西野七瀬ではなく白石麻衣をセンターに置いた理由。

 

これらを非常に説得力のある世界観で示しているように感じました。

 

前作「いつか出来るから今日できる」で躊躇だった、衣装の素材を活かした見せ方を今作でも採用しており、純白のドレスを全員で着るという設定になっています。

 

白という色の意味について調べてみると「汚してはいけないと思わせる(神聖さ)」、「始まりを感じさせる」、「祝福」といった概念が含まれていることがわかりました。

 

4月という1年の始まりであり、春の始まりに出す楽曲であること。

卒業していく生駒里奈さんへの祝福。

先輩が築き上げてきた乃木坂46というレピュテーションを汚せないという3期生の決意表明。

 

こういったものが抽象レベルで体現されているように感じました。

 

シンクロニシティという単語には、偶然的な一致という意味があり、私達が感じる既視感であったり、懐かしさであったり、親近感といったものも、シンクロニシティによって引き寄せられていると言えます。

 

ある人と波長がすごく会うのに、別の誰かとは一体感をまるで感じられない。

 

今作のダンスではフォーメーションダンスの流れを汲みながらも、拡散と収縮が表現されており、それが乃木坂46というグループのストーリと見事にシンクロにしている。

 

振り付けはインフルエンサーを担当した人と同じ方がやっていて、この方の振り付けは非常に抽象度が高いと思います。

 

女性の美しさを理解した上で、アーティストが持つ特性を最大限に体現した振り付け。

そんな仕事が出来る方なのかなと感じています。

 

歌詞について考察してみると、メンバーについての歌詞にも見えるし、時代性を反映した内容にも見える。

楽曲に恵まれずにAKBに追い抜かれたと言われる「モーニング娘。」と異なり、秋元康さんが作詞をしている今作はメッセージ性やクオリティが高いです。

 

強いカリスマを持つメンバーがいて、その子がグループそのものを立て直してしまうぐらいの破壊力があるアイドルグループも嫌いではありませんが、乃木坂の場合、個々のメンバーがいてその存在が別の存在を引き立てることで全体の魅力を高めている。

 

今回の選抜メンバーを見てみると、3期生の人気や勢いを正当に評価し、順当に配置をしたフォーメーションに見えます。

センターが白石麻衣さんになっているのも、彼女の卒業が近い事を考えれば順当だし、一列目に配置されている3期生のメンバーは物凄く人気が高い。

 

すでに2期や1期のメンバーさえも追い抜く人気が出ている子も多数いて、それが適切に配置されているように見えました。

 

歌詞の中で印象に残った部分としては、

 

1人では1人では負けそうな
突然やってくる悲しみさえ
一緒に泣く誰かがいて乗り越えられるんだ

 

という部分です。

 

乃木坂というグループを見たときにもこれは理解できるし、僕らの生活を考えても一人で耐えることの出来ない悲しみや辛さ。

 

神は人間に試練を与えてそれを乗り越えることを期待していると言われますが、神は同時に乗り越えることが出来る試練しか与えないとも言われます。

 

僕自身を振り返っても辛いことはたくさんありましたが、乗り越えることが出来ましたし、それは自分であったり、お客さんがきっかけだったり、大切な人がいてその人と一緒だから乗り越えることが出来た。

 

結局の所、人間が一人出来ることなんて知れている。

 

だからこそ神は人間に翼を一つしか与えず、片翼の天使にした。

人間を完全にしてしてしまうと助け合わなくなるから。

 

そして助け合うことで人間は進化をして、淘汰を超えて現代まで生き残った。

他のどんな生き物よりも圧倒的に進化する事が出来たのです。

 

この偶然を偶然と思わないこと。

 

きっと誰だって誰だってあるだろう
不意に気づいたら泣いてること

理由なんてなにも思い当たらずに

涙がこぼれる

それはそばにいるそばにいる誰かのせい
言葉を交わしていなくても心が勝手に共鳴するんだ

 

感受性が高い方であれば今回のシングルを聞いて涙が流れた方も少なくないと思います。

乃木坂というグループを理解していたり、感性を理解できる人ほどこの詩の重さを理解できる。

 

シンクロニシティは今の乃木坂、これからの乃木坂、今はファンじゃないけど今作で乃木坂を知った人でもスムーズに世界に加わることが出来る、非常に完成度の高い作品です。

セールス的にも相当な売上が出るのではないでしょうか?

 

46時間テレビをやった事で、テレビやメディアではまだ有名じゃないメンバーにもスポットがあたり、新たな魅力が引き出されたと思います。

 

間もなく乃木坂は4期生のオーディションを迎え、初期メンバーの卒業、3期生への世代交代が本格化されます。

今回の選抜から漏れたメンバーが今後上に上がってくるのは難しいでしょう。

今まではそれなりの人気があったメンバーでも3列目に下げられたりしていて、競争が相当激化していることを感じました。

 

そのあたりのバランスを取るために、カップリングの部分で1期生の楽曲、2期生の楽曲、3期生の楽曲を作り、選抜に入れなかった子にも居場所を与えている。

この運営スタイル非常にうまいと思った。

 

AKBであれば一年に一回の選挙で選抜メンバーが決まりますが、乃木坂46では毎回選抜メンバーが入れ替わります。

これの意味するところは毎回全てのメンバーにチャンスが均等に与えられている。

 

握手券の成約数だけで選抜が決まるわけではない。

(運営によるひいきは多少はあるようですが)

 

ブログ、モバメ、showroomを使い新たなファンを獲得するチャンスが常に与えられている。

 

厳しい競争だけれども、フェアな戦いだと思います。

メンバー数もAKBみたいに多くないので、半年ぐらいファンをやっていると全員の名前と特徴を覚えられます。

 

4期がどれぐらい入ってくる事で、それによって3期生はさらに突き上げられるし、2期生は古参となり先輩として恥ずかしくない態度が求められる。

 

無理やり代謝をして失敗したと言われる「モーニング娘。」と異なり、自然なペースでメンバーが入れ替わっているので、乃木坂の人気はまだしばらくは続くと見ています。

 

楽曲が良いですし、衣装と音楽の一体感が素晴らしいですからね。

一つの作品としてしっかりと成立している。

 

何度も聞かないと良さがわからない作品じゃなくて、ファーストインプレッションで良さが理解できる。

シンクロニシティはそんな作品です。

 

アイドルに興味が無い方も一度聞いてみて欲しいと思います。

 

 

 

最終更新日